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国が意見を募集中!「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」「家畜改良増殖目標」「鶏の改良増殖目標」

国が意見を募集中!「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」「家畜改良増殖目標」「鶏の改良増殖目標」

パブリックコメント募集は終了し、2020年3月31日、改正された「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」「家畜改良増殖目標」「鶏の改良増殖目標」が発表されました。どれほど動物への配慮が盛り込まれたかについては、こちらをご覧ください。

小難しく長いタイトルでひるんでしまいそうですが、

日本の酪農業と肉牛業の健全な発展のために何をすればよいか、それから鶏・牛・豚の「改良」をこれからどのようにすすめていけばよいか?指針の改正にあたって、国民の皆さん、意見をください。

と、国が求めています。いわゆるパブリックコメントです。

「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針(以下「酪肉近基本方針」)」・「家畜改良増殖目標」は、「酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」「家畜改良増殖法」に基づきおおむね5年ごとに改正されています。(「鶏の改良増殖目標」については、家畜改良増殖法に規定されていないが、家畜改良増殖目標と同様に、「食料・農業・農村政策審議会」に諮問し、家畜改良増殖目標に準じて定められています)

前回改正時もアニマルライツセンターは意見を提出しました。

2015年改正時にアニマルライツセンターが出した意見

この時の改正で寄せられたパブリックコメントは100人程度。畜産関係予算に何千億円も充てられていることを考えると非常に少なく感じます。ただ少ないながらも、そのパブリックコメントの8割はアニマルウェルフェアに関するものでした。しかし日本で1年間に屠殺されている動物の数は8億であることを考えると、動物の代弁者となる人がもっともっと必要です。

パブリックコメントが改正に反映されるということはあまりありません。特にアニマルウェルフェアやアニマルライツの意見は。しかしだからといって意見を出すことに意味がないと考えるのは早計です。パブリックコメントは国の資料に記録として残り、今後の施策につながります。

前回の2015年、パブリックコメント結果が発表された当日の畜産部会会議では、冒頭に畜産企画課総合推進室長から次のような発言がありました。

当日の結論部分だけ若干御説明します。さまざま情勢変化について、もっと強く認識をする必要性があること等について意見が寄せられており、その多くはアニマルウェルフェア関連の分でした。詳細な説明は省略させていただきますが、これについても本日の審議の御参考にさせていただければと思います。
また、事務局としても、今後の施策の推進に当たって、パブリックコメントの概要、寄せられた意見についましても参考として用いていきたいと思います。

すぐに変化を起こすことは難しくても、積もればそれは世論になり政治を動かすことができます。パブリックコメントにはどんどん意見を届けましょう。

今回の募集期間 2019年10月21日~2020年1月末

前回の改正同様、今回もおそらくパブリックコメントは2回に分けて実施されると思います。今回の募集は1回目で、2回目の募集は「酪肉近基本方針」「家畜改良増殖目標」「鶏の改良増殖目標」の骨子案が作られてから、行われるはずです。
改正のスケジュール*をみると、骨子案ができるのが2020年2月頃なので、2月末~3月初旬にかけて2回目の募集がかけられるものと思われます。

まずは第1回目のパブリックコメント、下に現在の問題点と改善方法を掲載しています。参考にしていただき、ぜひ皆様からも意見を出してみてください。(終了しました)

 

* 令和元年度第5回畜産部会配付資料 資料6 今後の検討スケジュール(案)

農林水産省の意見募集サイトからの転載です。

国民の皆様からの意見募集について

新たな酪肉近基本方針及び家畜改良増殖目標に関して、国民の皆様から、御意見を募集します。
国民の皆様の御意見を今後の議論に活用していきたいと考えておりますので、奮って御投稿ください。

(1)募集内容について

以下の分野について、該当するものを1つだけお選び下さい。複数のカテゴリーを同時に選択することはできませんので、それぞれについて別に御記入をお願いします。200字程度で御記入下さい。
酪農経営
肉用牛経営 
生乳流通
食肉流通
家畜改良
飼料
畜産環境 
家畜衛生 
その他

※ARC注:複数の分野が提示されていますが難しく考えず、自分の意見がこれに該当すると思ったらその分野を選択してください。乳牛の繋ぎ飼いの廃止を求める場合は「酪農経営」屠殺場での動物福祉を求める場合は「食肉流通」で良いと思います。

(2)提出方法について

  1. インターネットからの提出
    次のアドレスをクリックし、提出フォームより提出下さい。
    https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/seisan/c_kikaku/rakunikukin1017.html
  2. 郵便による提出
    次の宛先へ提出下さい。
    〒100ー8950  東京都千代田区霞が関1ー2ー1  農林水産省生産局畜産企画課  企画班宛て
    (提出用紙はこちら(PDF : 86KB)をご利用下さい)
  3. FAXによる提出
    次の宛先に提出下さい。
    03-3501-1386
    農林水産省生産局畜産企画課  企画班宛て
    (提出用紙はこちら(PDF : 86KB)をご利用下さい)

なお、各地方農政局等においても提出を受け付けています。
(意見等募集窓口はこちら(PDF : 73KB)を御参照下さい)

(3)募集期間について

令和元年10月21日~令和2年1月末  17時00分必着(郵便の場合は当日消印有効)

(4)御意見の提出上の注意点

提出される御意見の記述は、日本語でお願いします。
電話や口頭による御意見は、聞き間違い等を避けるために受け付けておりません。
氏名、年代、お住まいの都道府県、職業を明記して下さい。
個人情報は、提出内容について確認させていただく場合を除き使用しません。審議終了後は適切に廃棄します。

どのような意見を出せばよいのか?

畜産業界からは「動物にそんなひどい扱いはしていない。」という声をよく聞きますが、実際に肉牛は糞尿だらけの牛舎で飼育されており、乳牛の72.9%がOIE基準で「アニマルウェルフェア問題のリスクが高まる」とされている「繋ぎ飼い」です。
卵用の鶏は品種改良で足の骨折や生殖器の病気、脱腸で苦しんでおり、それは乳牛や肉用のブロイラー鶏も同じです。さらに畜産業が酷い状況であることは、飼育面積や尾・歯の切断率、麻酔の使用有無などの数値となってあらわれています。

業界関係者が集まって行われる今回の改正に、畜産動物に対して行われている今の慣行が暴力であることを知らせ、これをやめるよう、声を届けてください。

それぞれの分野ごとの問題点には次のようなものがあります。たくさん並べていますが、あくまで参考にしていただき、皆さんがそれぞれの分野で思っていることを、ご自身の言葉で意見してみてください。
「動物がかわいそうなのでもっと苦しまない飼育方法を考えてほしい」「動物を苦しめる畜産を廃止してほしい」などいろいろな思いがあると思います。その自然な気持ちを自分の文章で送ってみてください。近くに畜産場があり、通るたびにかわいそうになるという声もよく聞きます。それがどんな飼育方法だったのか、どうしてかわいそうに思ったのかを伝えてください。皆さんの言葉が動物たちの苦しみを減らす助けになります。

分野

問題点

改善方法

酪農経営
  1. つなぎ飼い 麻酔なしで角・尾の切断
  2. 母子の引き離し 
  3. 災害時に多数が放置死・餓死 
  4. 現場でのアニマルウェルフェア意識の欠如、暴力的行為の常態化
    糞尿のたまった床の上で飼育する、牛体が著しく汚れている、動かない牛を動かすために蹴ったり尾をひねったりする、起立不能な牛を動かすためにひきずる、など)
  • つなぎ飼い、麻酔なしでの角・尾の切断がアニマルウェルフェアを損なうことを明確にし、これらの慣行の削減・廃止の方向を示すべき
  • 母子の引き離しがアニマルウェルフェアを損なうことを明確にし、母子の引き離しを伴わない酪農のあり方を検討すべき
  • 災害時の畜産動物の飼料を常時備蓄し、断水に備えて貯蓄タンクを設置しておくべき。さらに動物の救護体制を計画、避難場所、泌乳中の乳牛の搾乳方法(搾乳しなければ乳房が痛み牛は苦しむ)、安楽殺の方法とそのタイミングなど具体的に計画し、防災訓練のさいには動物救護のシュミレーションも行い、災害に備えるべき。
  • アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」が現場のスタッフ一1人1人に理解される仕組みが必要
  • 輸送や殺処分時にはアニマルウェルフェアのリスクが高まるため、2019年6月に公表された「 アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」も合わせて現場のスタッフ1人1人に理解されるよう周知すること。
  • 上述の指針だけでなく、「動物の愛護及び管理に関する法律」を現場のスタッフ1人1人に知らせ、畜産動物であっても暴力行為は罰則対象となる可能性があることを知らしめるべき。
肉用牛経営
  1. 酪農経営に同じ(尾の切断と、災害時の動物救護体制についての「泌乳中の乳牛の搾乳方法」を除く)(乳牛よりも割合は低いが肉牛でもつなぎ飼いが行われることがある。母子の引き離しも同様)
    さらに加えて下記の問題がある
  2. 霜降り肉(脂肪交雑)をつくるためにビタミンを制限し、本来草を食べる牛に濃厚飼料を多給し太らせることで浮腫や関節炎、さらには失明に至るケースもある。
  • 脂肪交雑をさせる現在の牛肥育方式をみなおすべきである。牛を病気にさせてまで霜降り肉を作る必要はない。そもそも健康志向の高まる昨今、霜降り肉は必要ない。
生乳流通
  1. 市販の乳・乳製品のパッケージからは、アニマルウェルフェアに配慮されたものかどうか判断できない
  2. 放牧ではないのに放牧の画像が入った牛乳・乳飲料が流通している
  3. 屠殺場で暴力行為(飲水設備が無い、暴力的な追込み、著しく短い紐での繋留など)
  • アニマルウェルフェアに配慮した製品の購入を希望する消費者に分かりやすいように、諸外国で見られる「動物福祉ラベル」を普及させてほしい。「動物福祉ラベル」の普及は消費者へのアニマルウェルフェア教育にもつながる。
  • 消費者に誤った情報を与える表示を止め、つなぎ飼いと放牧の牛乳・乳飲料は明確に差別化すべき。それはアニマルウェルフェアの価値を高めることにもつながる。
  • OIEの屠殺における動物福祉基準と動物愛護管理法を現場に周知し、現場スタッフへのアニマルウェルフェア教育、暴力を伴わないスムーズな追込み方法の指導体制をつくるべき。また畜産動物であっても暴力行為は罰則対象となることを知らしめるべき。
食肉流通
  1. 市販の牛肉製品のパッケージからは、動物福祉に配慮されたものかどうか判断できない
  2. 屠殺場で暴力行為(飲水設備が無い、暴力的な追込み、著しく短い紐での繋留など)
  3. 牛が不健康に育てられてことを示す異様な「脂肪交雑」であるほど、食肉格付等級が高いという矛盾
  • アニマルウェルフェアに配慮した製品の購入を希望する消費者に分かりやすいように、諸外国で見られるような「動物福祉ラベル」を普及させてほしい。「動物福祉ラベル」の普及は消費者へのアニマルウェルフェア教育にもつながる。
  • OIEの屠殺における動物福祉基準と動物愛護管理法を現場に周知し、現場スタッフへのアニマルウェルフェア教育、暴力を伴わないスムーズな追込み方法の指導体制をつくるべき。また畜産動物であっても暴力行為は罰則対象となることを知らしめるべき。
  • 牛が不健康に育てられてことを示す異様な「脂肪交雑」であるほど高級とされる、現在の食肉格付方法を見直すべき。
家畜改良
  1. 生産性を重視し、自然の摂理に反した過度な「家畜改良」が繰り返された結果、疾患のリスクが高まり苦しむ動物が増えた(参照:乳牛 採卵鶏 ブロイラー ) 
  2. 「家畜改良」研究のために、個体管理という目的で狭いケージで飼育したり、受精卵を採取するための過排卵処置は動物にストレスを与え、死に至るケースもある*。
  • 増体、繁殖率・産卵率の向上、乳量の増加といった生産性の向上を目標として掲げるのはもう止めるべき。これ以上の人為的改変はすべきではないが、改良するならば動物の健康と福祉を目指すべき。
  • 除角による動物の痛みと除角にかかる費用を無くすために無角和種の牛を育種すべきではないか。
  • 採卵鶏のオスの処分の問題を解決するために、産まれる前に胚の性別鑑定を行うなど代替法を推進すべき。
  • 実験される動物の負担になるような家畜改良の研究は止めるべき 
飼料
畜産環境
  1. 抗生剤耐性菌が世界的に問題になっている。日本は抗生物質(抗菌剤)使用量の約3分の2を畜産分野が占めており、1Kgあたりの抗生物質の投与量はアメリカの2.1倍。国際比較で日本は薬剤耐性率が高いという状況にある。
  • 抗生剤使用削減のためにはアニマルウェルフェアの向上が必要。動物の健康維持にアニマルウェルフェアは不可欠である。
家畜衛生
  1. 家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準には「家畜の健康に悪影響を及ぼすような過密な状態で家畜を飼養していない」がチェック項目に含まれているが、過密飼育がおこなわれているという実態がある。
  2. 糞尿だらけの不衛生な牛舎で、牛体に糞尿がこびりついている農場が散見される。
  • 狭い牛舎に多くの牛を詰め込んでいるような牛舎が多いが、動物福祉だけでなく、伝染病予防の観点からも問題。詰め込み過ぎで糞量も堆積して、牛体にこびりついている。動物福祉を損ない、伝染病リスクを高めるような飼育は止めるべき
その他
  1. 畜産業が本質的に抱えるリスク(動物福祉の欠如、地球温暖化、水質汚染、抗生物質を多用、動物からの搾取という倫理的問題)
  • 工場化、効率化の進んだ畜産業は地球環境に影響を及ぼす重大事項と認識されており、近年代替肉代替乳へ移行する動きが目覚ましい。むやみと増頭、生産量増加をかかげても徒労に終わる可能性がある。さらに投資家は畜産動物福祉が欠如した倫理的問題のある企業への投資を避けるようになっている。今後酪農・肉用牛経営は自然循環型で動物福祉に配慮する経営体しか生き残ることはできないだろう。畜産のあり方を再考すべき。
  • 動物からの搾取でなりたっている畜産業に、これ以上我々の税金を使うのをやめてほしい。搾取に加担したくない。動物は人の所有物ではない

* 独立行政法人家畜改良センターで通常通りの過排卵処置を実施された12ヶ月齢の未経産ドナー牛が、採胚を予定していた当日に重度の貧血症状を呈し死亡

アニマルライツセンターから提出した意見

酪農経営

麻酔なしでの角・尾の切断がアニマルウェルフェアを損なうことを明確にし、削減・廃止の方向を示すべきです。また母子の引き離しについてもアニマルウェルフェアを損なうことを明確にし、母子の引き離しを伴わない酪農のあり方を検討すべきです。

日本で主流の繋ぎ飼いは動物福祉を著しく損ない疾患リスクが高いことも分かっています。繋ぎ飼いは廃止すべきです。あるいは一定以上の放牧を義務付けるべきです。少なくともOIE動物福祉基準「アニマルウェルフェアと乳牛生産システム」で「家畜飼養者は、牛が繋がれている場合は、ウェルフェア上の問題のリスクが高まることを認識しておくものとする」とありますので、飼育管理者に問題意識を持たせるべきではないでしょうか。

災害が起こるたびに多数の畜産動物が餓死、放置死しています。災害時の飼料の常時備蓄、断水に備えた貯蓄タンクの設置を義務とすべきです。さらに動物の救護体制を計画し、避難場所、泌乳中の乳牛の搾乳方法、安楽殺の方法とそのタイミングなども具体的に計画し、防災訓練のさいには動物救護のシュミレーションも行い、災害に備えるべきです。

酪肉近基本方針では、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の周知及びその普及が掲げられていますが、糞尿がたまった床の上で多数のハエにたかられながら生活している牛や、鎧を着たように牛体が激しく汚れている牛が散見されます。状況からして同指針が現場に浸透していないものと思われます。同指針を配布するだけでは無意味です。この指針が現場のスタッフ1人1人に教育される仕組みが必要だと思います。

酪肉近基本方針では、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の周知及びその普及が掲げられていますが、家畜保健衛生所のスタッフであっても「配布をされたのは知っているが中身は見ていない」ということもあり、普及方法に問題があるのではないかと思います。

輸送や殺処分時にはアニマルウェルフェアのリスクが高まるため、2019年6月に畜産技術協会が公表した「 アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」も「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」と合わせて、実効性のある方法で周知及びその普及を行うべきだと思います。

牛の飼育場では、動かない牛を動かすために蹴ったり尾をひねったりする、起立不能な牛を動かすためにひきずるなどの暴力が振るわれることがあります。畜産動物を対象としたこれらの慣行が罰則対象となる可能性があることを知らしめるために、「動物の愛護及び管理に関する法律」を現場のスタッフ1人1人にいきわたるように周知したほうがよいと思います。

肉用牛経営

麻酔なしでの角の切断・母子の引き離しがアニマルウェルフェアを損なうことを明確にし、削減・廃止の方向を示すべきです。

肉牛でも繋ぎ飼いが行われています。繋ぎ飼いは動物福祉を著しく損なうので廃止すべきです。あるいは一定以上の放牧を義務付けるべきです。少なくともOIE動物福祉基準「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」で「家畜飼養管理者は、牛が繋がれている場合には、ウェルフェア上の問題のリスクが高まることを認識しておくものとする」とありますので、飼育管理者に問題意識を持たせるべきではないでしょうか。

災害が起こるたびに多数の畜産動物が餓死、放置死しています。災害時の飼料の常時備蓄、断水に備えた貯蓄タンクの設置を義務とすべきです。さらに動物の救護体制を計画し、避難場所、安楽殺の方法とそのタイミングなど具体的に計画し、防災訓練のさいには動物救護のシュミレーションも行い、災害に備えるべきです。

酪肉近基本方針では、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の周知及びその普及が掲げられていますが、糞尿がたまった床の上で多数のハエにたかられながら生活している牛や、鎧を着たように牛体が激しく汚れている牛が散見されます。状況からして同指針が現場に浸透していないものと思われます。同指針を配布するだけでは無意味です。この指針が現場のスタッフ1人1人に教育される仕組みが必要だと思います。

酪肉近基本方針では、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の周知及びその普及が掲げられていますが、家畜保健衛生所のスタッフであっても「配布をされたのは知っているが中身は見ていない」ということもあり、普及方法に問題があるのではないかと思います。

輸送や殺処分時にはアニマルウェルフェアのリスクが高まるため、2019年6月に畜産技術協会が公表した「 アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」も「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」と合わせて、実効性のある方法で周知及びその普及を行うべきだと思います。

ウシの飼育場では、動かない牛を動かすために蹴ったり尾をひねったりする、起立不能な牛を動かすためにひきずるなどの暴力が振るわれることがあります。畜産動物を対象としたこれらの慣行が罰則対象となる可能性があることを知らしめるために、「動物の愛護及び管理に関する法律」を現場のスタッフ1人1人にいきわたるように周知したほうがよいと思います。

霜降り肉のためにビタミン制限し、草食の牛に濃厚飼料を多給するという現在の肥育方法は問題です。畜産技術協会調査では「最近1年間以内、ビタミン制御した飼料給与が原因で、浮腫等の症状を示した牛がいたか」という質問に37.7%が「いた」と答えています。失明にいたるケースさえあります。「家畜改良」されてきた和牛はビタミン制限なしでも一定のサシが入ります。牛の健康や生態を無視した給餌管理は必要ありません。

生乳流通

当法人の調査では「動物福祉に配慮した肉や乳製品、卵製品の購入に、現在の平均的な価格と比較して、いくら多く支払うことが出来るか」という質問に「価格が高くなるのは受け入れられない」と回答したのは41.2%。残りは一定の金額を支払うと答えています(20.5%が1.3倍以上を支払うと回答)。動物福祉にお金を支払う用意のある消費者に応えるために、諸外国で見られる「動物福祉ラベル」の普及が必要ではないでしょうか。

放牧ではないのに放牧の画像が入った牛乳・乳飲料が流通しています。「放牧だと思って買ってしまった」という人や、牛乳のパッケージの放牧の画像から牛が放牧されているイメージを抱いていた人もいます。消費者に誤った情報を与える表示を止め、つなぎ飼いと放牧の牛乳・乳飲料は明確に差別化すべきです。それはアニマルウェルフェアの価値を高めることにもつながります。

飲水設備が無い、暴力的な追込み、著しく短い紐での繋留など、屠畜場における暴力行為が報告されています。EU、ニュージーランド向け輸出の屠畜場では相手国基準にのっとり動物福祉が保証され、これらの暴力が排除されています。こういった先例にならい、その他の屠畜場でも動物福祉の導入を進めるべきです。

屠畜場における暴力行為を防止するために、OIEの屠殺における動物福祉基準と動物愛護管理法を現場に周知し、現場スタッフへのアニマルウェルフェア教育、暴力を伴わないスムーズな追込み方法の指導体制をつくるべきです。また畜産動物であっても暴力行為は罰則対象となることを知らしめる必要があります。

屠畜場における暴力行為を防止するために、日本食肉生産技術開発センターが、日本中央 競馬会特別振興資金助成を受けて策定した「動物福祉と生産衛生を考慮した家畜の係留・追込みおよびと畜についての指針」を(すでに配布されていると畜場もあると思いますが)周知徹底したほうが良いと思います。具体的な手技についても書かれているので実用的だと思います。

食肉流通

当法人の調査では「動物福祉に配慮した肉や乳製品、卵製品の購入に、現在の平均的な価格と比較して、いくら多く支払うことが出来るか」という質問に「価格が高くなるのは受け入れられない」と回答したのは41.2%。残りは一定の金額を支払うと答えています(20.5%が1.3倍以上を支払うと回答)。動物福祉にお金を支払う用意のある消費者に応えるために、諸外国で見られる「動物福祉ラベル」の普及が必要ではないでしょうか。

飲水設備が無い、暴力的な追込み、著しく短い紐での繋留など、屠畜場における暴力行為が報告されています。EU、ニュージーランド向け輸出の屠畜場では相手国基準にのっとり動物福祉が保証され、これらの暴力が排除されています。こういった先例にならい、その他の屠畜場でも動物福祉への取り組みを進めるべきだと思います。

屠畜場における暴力行為を防止するために、OIEの屠殺における動物福祉基準と動物愛護管理法を現場に周知し、現場スタッフへのアニマルウェルフェア教育、暴力を伴わないスムーズな追込み方法の指導体制をつくるべきです。また畜産動物であっても暴力行為は罰則対象となることを知らしめる必要があります。

屠畜場における暴力行為を防止するために、日本食肉生産技術開発センターが、日本中央 競馬会特別振興資金助成を受けて策定した「動物福祉と生産衛生を考慮した家畜の係留・追込みおよびと畜についての指針」を(すでに配布されていると畜場もあると思いますが)周知徹底したほうが良いと思います。具体的な手技についても書かれているので実用的だと思います。

現在の食肉格付は、牛が不健康に育てられてことを示す異様な「脂肪交雑」が多いほど、食肉格付等級が高いという矛盾をかかえています。格付方法を見直すべきです。

家畜改良

生産性を重視し、自然の摂理に反した過度な「家畜改良」が繰り返された結果、疾患のリスクが高まり苦しむ動物が増えているという実態があります。畜産動物はもう限界まで「改良」されており、これ以上を目標として掲げるのは止めるべきです。改良するならば動物の健康と福祉を目指すべきです。

除角による動物の痛みと除角にかかる費用を無くすために無角和種の育種を検討すべきだと思います。また採卵鶏のオスの処分の問題を解決するために、産まれる前に胚の性別鑑定を行うなど代替法を推進すべきです。諸外国では、アメリカ鶏卵生産者団体が、2020年までにオスの雛の殺処分撤廃を目標にすると発表するなど、すでにこの問題に取り組んでいます。

「家畜改良」研究のために、個体管理という目的で狭いケージで飼育したり、受精卵を採取するための過排卵処置をしたりすることは、動物にストレスを与え死に至るケース(家畜改良センターでの事例)もあります。動物の負担になるような「家畜改良」は止めるべきです。

生産能力や肉質の向上という点で、やわらかくなるなどの肉質の向上、肉の廃棄率の低下、処理能力の向上、省力化、及び労働安全や離職率の低下がのぞめることから、食鳥処理場におけるガススタニング(CAK、LAPS)の導入を推進するべきだと思います。

畜産環境

抗生剤耐性菌が問題になっていますが、日本は抗生剤使用の約3分の2を畜産分野が占めており、国際比較では日本は薬剤耐性率が高い状況です。これは日本の動物福祉レベルの低さと関係があると思います。動物福祉そのものが動物の免疫力を上げ病気予防の効果を持ち、抗生剤の使用を減らすと言われています*。耐性菌問題の解決には動物福祉が不可欠であることを明確にし、動物福祉に配慮した設備への転換を国として推進すべきです。

家畜衛生

農水省は密飼いについておよその面積を提示していますが、搾乳牛では76.6%、肥育牛では13.7~55.8%がそれを超えています。にもかかわらず衛生管理状況の全国集計の結果をみると9割以上の経営体が「密飼いしていない」と報告しています。過密でありながら経営体が認識していないという状況ですので、飼養衛生管理基準の密飼いの定義を教育し、その危険を認識させるべきだと思います**。

その他

工場畜産は環境負荷が高いと認識されるようになっており、2040年には肉市場における培養肉・代替肉の割合は60%になり、畜産由来の肉は40%に低下するだろうと言われています。乳製品代替市場については2018年の173億ドルから、2023年には296億ドルに成長、特にアジアは最大の市場シェアを保持すると予測されています。未来に生き残れる持続可能で自然循環型の畜産への切替を検討すべき時期にきていると思います。

畜産動物福祉が欠如した倫理的問題のある企業への投資が忌避されるようになっています。畜産動物福祉のベンチマークBBFAW畜産動物福祉宣言には2.4兆ポンド分の31人の投資家が署名しており、工場畜産のESGリスク(畜産動物福祉を含む)の認識を高める投資家ネットワークFAIRRには20兆ドル分の投資家が参加しています。日本は明らかにおくれています。もっと真剣にアニマルウェルフェアに取り組むべきです。

 

*
OIE(世界動物保健機関)陸生動物衛生規約 第7.1 章 「アニマルウェルフェアの勧告に係る序論」の中で「動物の健康とアニマルウェルフェアの間には決定的な相互関係がある」とされています。
2018年10月25日 欧州議会は「欧州議会動物福祉は動物福祉、抗菌薬の使用、および産業用ブロイラー農業の環境への影響に関する決議」の中で、「アニマルウェルフェアはそれ自体が予防策として機能し、動物が病気になるリスクを減らし、それによって抗菌薬の使用を減らし、しばしばより高い生産結果をもたらす」としています。Terrestrial Animal Health Code CHAPTER 7.1.「INTRODUCTION TO THE RECOMMENDATIONS FOR ANIMAL WELFARE」
European Parliament resolution of 25 October 2018 on animal welfare, antimicrobial use and the environmental impact of industrial broiler farming (2018/2858(RSP))

**家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準は、健康に悪影響を及ぼすような過密な状態で動物を飼養していないかが基準の一つになっています。農林水産省の牛の飼養衛生管理基準のパンフレットでは「密飼い」について「1頭当たり乳牛では 2.4㎡(単飼)、5.5㎡(群飼)、肉用牛では 2.0㎡(単飼)、5.4㎡(群飼)を参考に」としています。
しかし2014年の畜産技術協会の乳用牛の飼養実態アンケート調査報告書では、搾乳牛の76.6%が2.4㎡未満で飼育(2㎡未満は36.3%)で飼育されており(柵乳牛のほとんどは単飼)、同年同協会による肉用牛の飼養実態アンケート調査では肥育牛16.1%が3.6㎡未満となっている(肥育牛のほとんどは群飼)。肉牛については、2014年の調査では細かい数値わけがされていないが、2009年の同協会の調査では肥育牛の55.8%が5.5㎡未満(3.5㎡未満は13.7%))となっている。しかし農水省「家畜の飼養に係る衛生管理の状況等の公表について」の2017年の衛生管理の状況の全国集計をみると、肉牛経営体の93.2%、乳牛経営体の92.%が密飼いをしていないと報告している。

写真:日本の酪農 繋ぎ飼育される牛

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