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過密な舎飼い育成のうえに、豚たちは輸送中の過剰な詰め込み、熱ストレスにも耐えなければなりません。

あるアメリカ合衆国の養豚専門家はこう述べています。

輸送中の死亡による損失はとても大きい。それは年に8百万ドルを超えるほどだ。しかしなぜ我々ができる限り多くの豚をトラックに詰め込もうとするかは想像するに難くない。その方が安上がりだからだ。これは倫理の問題である。毎年8万もの豚がそのせいで死に追いやられているというのに、一匹あたり25セントの輸送費を浮かせるためにトラックをぎゅうぎゅう詰めにするのは正しいことだろうか。

その先に待ち受けているのは大変な恐怖と苦痛と死です。

アメリカ合衆国の人道的な屠殺方法に関する法令によれば、食肉処理場で豚たちが脚から逆さに吊るされ出血多量の死を迎えさせられる前に、原則として彼らは電気ショックで意識不明にさせられます。
しかし、電気ショックで死ぬのではなく、失血死であり、気絶したのではなく、単に麻痺をして動けないだけの豚もいます。
動物たちが意識のあるまま吊るされ、宙を蹴り抵抗しているところを解体処理担当者がナイフで首を一突きしようとする、というような光景がよく見られます。

日本の豚の屠殺も同様に、電気ショックを与えられ、動けなくなった後、胸のあたりの頚動脈を切り放血し、失血しさセル方法で行われています。
生きたまま失血させるのは、血液が固まってしまうと、血が肉に残ってしまうためです。

豚たちは足をばたつかせることが多々あります。
「反射で動いているだけだ」、「苦しいかどうかはわからない」などの言い訳は多く聞こえてきますが、明らかに、死ぬまでに彼らは恐怖を感じ、そして電気ショックは強烈な痛みを伴います。
そして、毎日大量の豚を殺し続ける中で、かつ、個体差が大きい中で、一律の作業で完璧に失神させることなどは、不可能なことなのです。

動物福祉が日本よりもはるかに進んでいる英国ではスタニングの失敗率は20%*6、ドイツでは12.5%*5であったといいます。ドイツ、オーストリア、スイス別の研究でも、12% (ペン式)、21% (トラップ式)、 31% (自動式) 、13% (CO2)であったことがわかっています*9。頭と心臓の2段階電気ショックを与える方法は事故率が少なかったという結果*10が得られていますが、電気ショックは相当の痛みがあることを忘れてはならないでしょう。
(日本の畜産動物福祉はDレベル、ドイツBレベル、英国とオーストリアとスイスはAレベル*7)

品川にある東京都中央卸売市場食肉市場は二酸化炭素で意識を失わせるガススタニングという方法をとっていますが、この方法は非人道的です。海外でも二酸化炭素にアルゴンや窒素を混ぜて行うガススタニングが行われていますが、その残酷さから廃止すべきとし、より安楽なガススタニングを研究中であるとしています。
二酸化炭素は、豚にとても強く嫌悪感をもたらします。二酸化炭素を吸入すると、粘液膜の刺激により急性呼吸困難が起こり*1 *2、呼吸困難は、過呼吸、息切れ、喘ぎ、窒息を引き起こします*3 *4 。


写真 L214

動物は人間の言葉で痛みを訴えることはできませんが、痛みが私達のものよりも小さいということはありません*8。日本には肉質に関するものはあれど、屠殺時の痛みを研究した論文はあまりありません。世界はそうではありません。少しでも痛みの少ない、失敗の少ない方法が何であるのか、失敗するのはなぜなのか、多くの研究が行われています。

定義上、無意識の患者は痛みを感じているとは言えないが、感じているかもしれないということを示すデータはある。 (McQuillen, 1991, p. 373-374)

いつか、無意識時の痛みも立証され、さらに苦しみのない屠殺方法ができることになるのかもしれません。どの職業でも会社でも同じですが、改善し、進化し続けることでのみ、産業・企業は生き残ることができます。科学に基づいた議論を望みます。

屠殺
写真 Animal Equality

 

*1  http://lwcc.instantbusiness.co.za/Portals/306/News/Articles/WELFARE%20IMPLICATIONS%20OF%20THE%20GAS%20STUNNING.pdf Raj ABM and Gregory NG. 1996. Welfare implications of the gas stunning of pigs 2. Stress of induction of anesthesia. Animal Welfare 5:71-78.
*2  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8120581 Peppel P and Anton F. 1993. Responses of rat medullary dorsal horn neurons following intranasal noxious chemical stimulation:effects of stimulus, intensity, duration, and interstimulus interval. Journal of neurophysiology 70
*3 https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/45 Opinion of the Scientific Panel on Animal Health and Welfare on a request from the Commission related to welfare aspects of the main systems of stunning and killing the main commercial species of animals. 2004. The EFSA Journal 45
*4 https://www.ingentaconnect.com/contentone/ufaw/aw/2008/00000017/00000004/art00002 Rodriquez P, Dalmau A, Ruiz-de-la-Torre JL, Manteca X, Jensen EW, Rodriguez B, Litvan H, and Velarde A. 2008. Assessment of unconsciousness during carbon dioxide stunning in pigs. Animal Welfare 17
*5 Spiegel Online (2012): Regierung rügt Tierquälerei in Schlachthöfen. Available at: http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/schlachthoefe-arbeiten-mit-hoher-fehlerquote-tiere-leiden-unnoetig-a-840156.html [03.03.2018]
*6 Anil, M.H. & McKinstry, J.L. (1993). Results of a survey of pig abattoirs in England & Wales. London: MAFF Meat Hygiene Division. Reciprocation
*7 world Animal Protection http://api.worldanimalprotection.org/?_ga=1.231983257.78416652.1454904382
*8 Gibson, 2009
*9 Identifying reasons for stun failures in slaughterhouses for cattle and pigs: a field study, von Wenzlawowicz, M; von Holleben, K; Eser, E

 

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24 Comments

  1. 太郎 2018/05/29

    豚が可愛そう? ふーん、
    俺は何とも思わないな。
    仕方ないじゃんw

    新鮮な美味しいお肉食べたいし、
    安く食べたい。栄養満点だしw
    うちの犬も豚肉大好きだしなw

    動物愛護論て、なーんか胡散臭さと
    偽善っぽさが感じられる。

    返信
    1. じゃあお前の来世が家畜でも文句言うなよw

      返信
    2. 自分が豚だったら同じように殺されても仕方ないの?君を憎んだ人から殺されても仕方ない、でいいの?

      返信
    3. サンダー 2018/08/18

      太郎君の意見って小学生以下だね。もっとマシな意見考えてね。

      返信
    4. Pong 2018/08/30

      じゃあ君の家の犬を殺してその肉を食っても構わないね?
      「犬を殺したら可哀想」なんて言うのは君が嫌ってる偽善の動物愛護だからな。

      返信
    5. peta 2019/06/13

      来世が豚だったらとか、自分が豚だったらという現実にありえない仮定のもとで議論してもしかたがない。

      返信
  2. 安全圏からぬくぬくとただ安く肉が食いたいから痛めつけていい、苦しんでいいと豪語するやつのほうがよっぽど信用できないし胡散臭い。自分の欲のためなら他の命をどこまでも値踏みするんじゃないかと怖くて預けたりできない。自分で屠殺して食えばいいんだよ。それでなおもイキがった台詞言えたら好きにすればいいよ。

    返信
  3. Junko.m 2018/07/18

    人間のエゴで苦しみを受ける為に産まれてくる。それも人工的に。このしっぺ返しはいつか自分達人間に帰って来るよ。それも近い未来に。気づいた人から変えて行こうよ。動物は食品じゃ無く、
    友達だよ。

    返信
    1. 祈り 2019/08/20

      ありがとう。「人は家畜だ」と先進国の人々や大富豪がよく言っていました。ヴィーガンになって、そうだなと思いました。無知だった行動を直す時代に入ってきていると思います。動物を殺さなくても他にヘルシーな食べ物はたくさんあります。牛、象、チンパンジーなど、骨や筋肉が人よりしっかいりしているのは、草食だからです。肉食は血液をつまらせ、病気になり、医者と薬局が儲かるビジネスなだけ。それを学ばない人は早死にする。スタンフォード大学の心臓専門医師に言われました。「癌や、心臓病になりたくなければヴィーガンになりなさい。」そして、先進国の心臓関連の医師たちはヴィーガンが多いです。環境問題でも家畜産業が一番悪影響を与えています。肉を食べる食べないで騒いでいる場合ではありません。愛がある将来にするために、子供に幸せな場所を提供するために、自然、その他の動物を守るために、道徳的になるために、習慣を変えることが余儀なくされてきています。肉や乳製品をやめることは、簡単です。意思がつよくなればいいだけです。意思の強くなれない、雑食動物、動物を殺し、自然を破壊し、自分さえよければと思っている人間が一番、この世で低い生き物です。 人間が一番偉いと誤解しています。偉いのなら、どうして地球をも破壊するのでしょうか? 他の動物は自然共存しようとしているのに。カルマで人は苦しむ将来がきます。でも、情けないのはそれまでに、他の動物や自然を破壊しまくってからだということです。気づいた人から、愛を持って行動に変えていきましょうよ。本当に。動物は天使です。天使がいなくなったこの世は寂しいところです。気づいてください。 

      返信
  4. とーん 2018/08/24

    まぁ、雑食(ほぼ肉食)の人間にとっては、肉ってものは必要不可欠だけどね。屠殺方法は、考え直した方がいいかもね。あと、こういった動画が撮影されるのは、決まって先進諸国なんだよね。発展途上国では、こうした議論は起こらないわけだから。

    返信
  5. ぇごいすと 2018/10/16

    人間も自然の一員なのだから、ライオンとか、他の肉食動物のように他の命をいただく必要はあると思います。
    本当に無くすべきなのは、食品ロスなどの頂いた命を無駄にすること。
    そして、商業としてどんどん家畜を際限なく屠殺するのでは無く、しっかりと行政が間に入って一年あたりの総屠殺数を決めるべきだと思います。
    そうすれば、もっと良い環境を家畜たちに与えられるだろうし、食品ロスなどの命を無駄にすることも減ると思います。
    動物は他の命を犠牲にして生きる、罪深い生き物なのです。
    大切なのは命を無駄にしないことだと思います。

    返信
  6. 2019/01/01

    殺処分にしても、やりかたがある、と訴えられていらっしゃるのだと思うのですが、、
    それをひどい方法だと人間も感じるというのは、動物にとっても人間にとっても有益ではないのでは・・・?

    ちょっと話は極論かどうかかわりませんが、動物愛護法には家畜への配慮も入れていただければと思います。

    私は少なくとも現実を知れて、自分を変える機会をいただけてこのような活動をしてくださってよかったと思っています。なにより、とりさんが幸せそうになっている姿には勇気をいただけました。
    ありがとうございます。

    返信
  7. きびなごさん 2019/01/03

    動物はあなたのごはんじゃないってどゆこと?
    今食卓に出されてるのは、人が食べるために飼育している動物だよね?基本的には。
    ペットとごちゃまぜになってしまってるんじゃないの?
    牛も豚も鳥も私たちの大切なご飯です。
    感謝して食べることさえ忘れなければそれでいいんじゃないの?

    返信
    1. Aさんが被保護者のBさんのことを「Bさんは自分がたべるためにご飯を食べさせている」と決めありがとうと感じてさえいれば、殺して食べても良いとするルールは、非倫理的です。

      返信
  8. みえ 2019/02/08

    感謝さえして食べれば、豚や鳥、牛の動物がどんなに苦しい生涯をしようが構わない、と言う考えは、ものすごく身勝手。動物も叩かれれば痛くて逃げるし、苦しければ苦しく辛い鳴き声をあげます。
    じゃあ自分が叩かれながらじりじりと手や足を切られたら、いっそひと思いに死にたい、痛みや苦しみ を感じたくない、とは思う想像は出来ないのですか?

    出来る事なら動物達を食べたくない、でも、食べなきゃいけないなら、せめて、その動物達がなるべく快適に元気な生涯を送り、なるべく苦しまずひと思いに殺して食べる、という事を真剣に考えるべきです!

    返信
  9. 片栗粉 2019/02/28

    私自身は肉も食うし魚も食べるが、ベジタリアンやヴィーガンは嫌いではない。
    人の本来の悪性になんとかNOを主張する生き方は尊敬に値する。

    人間は所詮、自分がかしこいと思い込んでる醜悪な二足の動物にすぎない。
    人は自分の欲や愉悦のためなら他者の苦痛なんてどうでもいいんですよ、残念ながら。
    旨いから楽しいから、苦しめても殺してもいい、どうでもいい。騒ぐやつはウゼエ、キモイと叫び、殺す。
    これを同種同士でも飽きることなく繰り返す、それが人間です。

    フォアグラも子牛のフィレも、人間のような醜悪な生き物じゃなければとても思いつかないシロモノです。
    でもそれでいいんですよ、所詮ヒトなんてこの程度の生き物なんですから。

    返信
    1. 名無しさんz 2019/08/03

      人間の醜い本質を達観してらっしゃるような内容ですが、しかしそれでいいと認めてしまえば、それでは人間社会は保たれません。通常、人間社会は身勝手な人の部分を抑制し、共感能力を高めて人間社会を保っています。そしてより質の高い社会はより高い共感能力が求められ快適な社会となります。その共感性を食とされる動物にも発揮しましょうと言うのがこのサイトの趣旨ではないかと思います。”所詮ヒトなんてこの程度の生き物”かもしれませんが、高度な共感力を発揮し、時には小さな命も協力して救おうとするのも人でしょう。どちらを選ぶかは人しだい。そして質の高い快適な社会は、高度な共感能力が求められます。

      返信
  10. まるまる 2019/04/03

    必要ないでしょう、食べないほうが健康って流石にもう常識でしょ。

    返信
  11. りょーた 2019/07/24

    感謝しようがしまいが関係なしに食う!うんまい!
    自分が豚だったらやだね!でも人間だから関係なしに食う!
    そして食った方が健康!以上!

    返信
  12. まめすけ 2019/08/16

    まるまるさん
    本気で言ってますか?
    必須脂肪酸不足のほうがよほど体がボロボロになりますよ。栄養学を専門にしていましたが、肉を全く食べないのは寿命を縮めることになりますので、お気をつけてください。

    返信
    1. 栄養学が古すぎる知識なのではないでしょうか。

      返信
    2. いとう 2019/08/28

      リノール酸は必須脂肪酸の代表的なもので植物由来です。昔は積極的にとるべきと言われていましたが、米などの穀物からでも十分な量が摂れることがわかり、今は過剰摂取による問題のほうが言われています。また、ラード、バターなど動物性の油の大半は必須脂肪酸ではないです(昔からわかっていました)。ただ、今は動物性脂肪のコレステロールも見直されていて、摂取してもよろしいと言うことになっています(摂らなくても体内で合成できるから問題ない)。

      返信
  13. いとう 2019/08/28

    テレビなどで全くこういう問題が議論されないなかで、みなさんが活発に意見を交わす事のできる、このような場所を提供してくださって素晴らしいと思います。
    人は本来雑食だから肉を食べるものだという意見が散見されますがホモサピエンスの本来の食生活を再現するのならば(考古人類学といえども昔の話なので推定なのでしょうが)、住んでいる地域でかなりの違いがあった一方で、どの地域にも言えるのが大型の動物を殺して食べられたのはかなり稀で、常食していたのは昆虫くらい。また稀に大型肉食獣が食べ残した(新鮮だったり腐ったりした)肉にありつけたということです。アイヌの言葉でオオカミはたしか「獲物を分けてくれるもの」という意味だったと思います。こういう本来の人間の食生活を理想とするならば、肉食の量はかなり減ることになると思います。
    加えて、高度に発達した文明の中での高い意識を持った食生活はどうするべきかという議論もあります。そのなかでも持続可能性と、倫理・規範に分かれると思います。この3つの切り口をはっきり意識して考えれば、考えが整理しやすいかなと思います。
    私自身はラクト・ベジタリアンですが、厳格ではありません。ベジタリアンという概念がわからない人たちや地域に行ったときに歓迎してくれて出された肉料理は食べることがあります。

    返信
  14. nanashi 2019/09/23

    誰も肉を食べない 誰も実験に動物を使わない 誰も革・毛皮を使わない
    人類が存続するならいつかはそういう世界になるだろうな。
    闇が深すぎて一見到底たどり着けない気がするのに、
    「まず自分が変わる」と行動することがヴィーガンという在り方なんだね。
    主義主張もせず誰にも押し付けず、当たり前のことのようにヴィーガンを選択する人が一定数に達したらそこからは変化が早いだろうね。

    返信

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