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JGAPのパブリックコメント募集-アニマルウェルフェアの水準を国際基準に近づけよう!

2017年に発行されたJGAP家畜・畜産物について、『農場用 管理点と適合基準』の改定が行われます。日本GAP協会はこの改定版の発行に向けて、2月1日まで意見を募集しています。

「GAP」とはGood Agricultural Practice:適正な農業生産工程管理のことです。日本のJGAP(家畜・畜産物)は2017年に国が多額の予算を出して作った認証制度で、オリンピックの食材調達基準の一つとしても用いられました。

しかし、JGAPはアニマルウェルフェアの具体的数値や制限に欠け、バタリーケージ妊娠ストールなどを使用していても認証が取れる基準になっています。いずれも欧州を中心に世界100ヵ国以上で実践されている世界標準であるGlobalG.A.P.では認めらていれない飼育方法です。

現在の基準の序文に「JGAPが畜産農場に導入されることにより、国際的にも高く評価される農場管理のレベルが実現」と主張されている以上、アニマルウェルフェアに関してもその水準を求めよう。

最低限のアニマルウェルフェアが保証されるよう、ARCは今回も意見を提出します(このページの下)。

皆さまからもご意見を

専門的な言葉である必要はありません。ご自身の言葉で、動物を代弁して皆様からもぜひ意見を届けてください。

JGAP家畜・畜産物_CPCC_2022_パブリックコメント版.pdf をご覧いただき

パブリックコメントシート.xlsx に意見を記入


info@jgap.jp に送る

という流れです。

初めてこの基準書が作られることになった際にARCが送った意見や、2020年に送った改訂への意見もご参考になれます。
これらの以前の意見によって、輸送や殺処分に関するアニマルウェルフェアが追加されました。

 

ARCから提出した意見

多くの場合、GlobalG.A.P.の管理点(英語.xlsx)を参考にしました。

 

管理点:理念

コメント

理念に「アニマルウェルフェアへの配慮」が欠けている。

改善提案

農畜産物の安全を確保して消費者を守り、アニマルウェルフェアを高め、地球環境を保全し、同時に持続的な農業経営を確立することがJGAPの目指す最終的な目標です。

 

管理点:責任者の明確化 番号:2.1

コメント

特に畜産動物福祉の評価が国際的に最低ランクの日本では、飼養管理の責任者以外にアニマルウェルフェアの責任者も必要である。 https://www.hopeforanimals.org/transport/wap2020-api/

改善提案

追加:10)アニマルウェルフェアの責任者

 

管理点:省エネルギーの推進 番号:11.2

コメント

「温室効果ガス削減対策のため」の取り組みは、排出量をCO2eqで数値化する必要がある。エネルギーだけではなく、家畜からのメタンガスやCO2、及び飼料の供給・輸送に伴う温室効果ガスの排出量も数値化して換算する必要がある。

改善提案

(1) 電気、ガス、重油、ガソリン、軽油、灯油等の使用量に伴う排出量、家畜からの排出量、および飼料供給に伴う排出量を把握した上で、施設、機械、飼料調達の省エネルギーのための計画を文書化し、作業者全員で取り組んでいる。
(2) 上記(1)を実施した排出量の数値的な結果を把握することにより、次年度計画に活用している。

 

管理点:資源の有効利用 番号:12.1

コメント

「(3) 生産工程で発生する廃棄物の削減のための努力」は具体性に欠けている。

改善提案

(3) 生産工程で発生する廃棄物の削減のための努力:死亡した動物の数を毎日記録し、毎年減っている

 

管理点:整理・整頓・清掃の実施 番号:12.2

コメント

特にバタリーケージ鶏舎などで、家畜の遺体が放置されていることが多々ある。 https://www.hopeforanimals.org/eggs/abandon-dead-body/

改善提案

追加:全ての家畜が毎日一頭一頭点検され、遺体は直ちに廃棄されている。

 

管理点:飼養管理の責任者の責任 番号:L1.1

コメント

家畜衛生は食品安全に直結しているため、必須であるべき。
「(2) 家畜衛生およびアニマルウェルフェアに関する知識の向上」は具体性に欠けている。

改善提案

「重要」ではなく「必須」。
(2) 家畜衛生およびアニマルウェルフェアに関する勉強会の参加

 

管理点:家畜の健康状態に異常を発見した場合の対応手順の作成 番号:L1.3

コメント

家畜を扱う事業として、その健康状態に異常がある場合の対応手順は不可欠ではないか。

改善提案

「重要」ではなく「必須」。

 

管理点:アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養 番号:L1.4

コメント

「JGAPが畜産農場に導入されることにより、国際的にも高く評価される農場管理のレベルが実現」とある以上、現在の「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」では数値基準が乏しく不充分な点を、GlobalG.A.P.の必須管理点で補う必要がある:
1)飼育密度:LB 5.1、PG 5.4.1、PY 5.2.2、PY 5.2.4
2)換気:LB 5.2、PY 5.3.3
3)獣医:LB 6.1、CS 6.1(除角:生後2カ月以内ではなく6週間、麻酔必須)、PG 8.3.3 (豚)
4)隔離施設:LB 6.5
5)肉牛の繋ぎ:CS 2.5
6)子豚の歯・尾の切断:PG 3.4、PG 3.6
7)豚のエンリッチメント:PG 5.1.2
8)豚の飼育環境:PG 5.4.2
9)分娩ストール:PG 5.6.4、PG 5.6.5
10)豚の移動:PG 10.4
11)豚の死:PG 12.1
12)鶏舎の照明:PY 5.4.1
13)肉用鶏の健康記録:PY 8.2.5
14)家禽の点検:PY 13.2

改善提案

(1) 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針(最新版)」(畜産技術協会)に基づき、快適な家畜の飼養環境の改善に取り組んでいる。
それに加えて:
 1)適切な飼育密度である。
  ・採卵鶏を含む全ての家禽は自由に移動し、立ち、方向転換し、羽を広げ、(12週齢以降は)止まり木に止まり、他の鳥と接触せずに座ることができるスペースがある。
  ・肉用鶏は常に 38 kg/㎡ 以下である。
 2)換気は効果的かつ適切にされている。
  ・閉鎖された鶏舎の場合は最低毎時4m3/kg。
 3)最低毎年獣医師による訪問の記録がある。
  ・除角が行われる場合は、薬剤は使用せず、生後6週間以内に部分麻酔を用いて行われている。
  ・豚は四半期ごとに獣医師による点検の報告書がある。
 4)病気または負傷した動物を治療・回復するために隔離する適切な施設を備えている(家禽の場合、病気の動物は淘汰する方針を持つ農場は除く)。
 5)肉牛を繋ぐことは常に禁止されている(10日齢までの給餌の為に1日最大1時間は除く)。
 6)子豚の歯または尾の切断は獣医師による書面による勧告が必要であり、四半期ごとに再検討されている。
 7)全ての豚は藁束などのエンリッチメントにアクセスできる。
 8)全ての豚は自由に方向転換し(分娩と受精後4週間以外のストールは禁止)、乾燥した床があり、全員同時に寝そべられる。
 9)分娩ストールは母豚の体がこすれない広さと高さである。
 10)豚の移動に電気ショックを与える道具は一切使われていない。
 11)豚の死は全て原因と共に記録され、最低でも6ヵ月ごとに分析されている。
 12)鶏舎内の照明は24時間周期で、6時間以上の完全な暗闇があり、その内4時間は継続的である。
 13)生産者は食鳥処理場から次の項目についてのフィードバックを得て、それぞれの指標を超えた場合は是正に取り組んでいる。ホックバーン(足の関節部の炎症)10%、趾蹠皮膚炎(FPD)30%、胸部水疱/アンモニア火傷 1%、到着時の死亡 0.25%、骨折および脱臼 1%、骨折した翼および脱臼した翼 2%、脚と胸部の打撲 2%、処理の拒否 1.5%
 14)毎日最低2回は全ての家禽の3m以内を点検のために歩き、死亡した家禽も含めその記録がある。

 

管理点:アニマルウェルフェアに配慮した安楽死の実施 番号:L1.5

コメント

殺処分に関するアニマルウェルフェアの追加はありがたい。
すべての殺処分は安楽ではないため、「安楽死」という言葉は人間側の心の安定のために使われている印象を与える。

改善提案

「安楽死」を一般的な表現と同じように「殺処分」とする。

 

管理点:アニマルウェルフェアに 配慮した輸送 番号:L1.6

コメント

輸送に関するアニマルウェルフェアの追加もありがたい。
アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」の指針では不充分な点をGlobalG.A.P. LB 9.2.3の必須管理点を参考に補う。

改善提案

(1) 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針(最新版)」(畜産技術協会)に基づく対応をしている。特に、電気ショックを与える道具は原則として使用禁止。更に、他の手段が効かなかった場合にのみ使用され、電気ショックは1秒以下であり、後ろ脚の筋肉にのみに与えられ、効果がない場合は使用を止めている。

 

管理点:抗菌性物質の使用低減 番号:L3.3

コメント

「抗菌性物質の使用低減に取り組んでいる」は具体性に欠けている。
GlobalG.A.P.の必須管理点 PG 8.1.1

改善提案

抗菌性物質の使用廃止に向けて一頭当たりの使用量を毎年削減している
追加:獣医師によって処方された抗菌性物質は成長促進の目的には決して使われていない。

 

管理点:第二次選択薬の慎重使用 番号:L3.4

コメント

薬剤耐性の問題は公共衛星の危機に直結しており、対策は必須であるべき。

改善提案

「重要」ではなく「必須」。

 

管理点:家畜の飲用水 番号:L4.1

コメント

GlobalG.A.P.の必須管理点LB 4.1.1

改善提案

追加:
(3)すべての家畜は、充分なきれいな水にアクセスできる。汚れた飲用施設は掃除されている。
(4)異常気象での供給を確保するための手段が整っている。

 

管理点:飼料の持続可能性<生物多様性>・<SDGs> 番号:L6.6

コメント

<生物多様性>・<SDGs>の為にも、GlobalG.A.P.の必須管理点LB 4.1.6の追加。
家畜に肉を与えない。
LB 4.1.9も参照。

改善提案

必須管理点追加:
飼料の蛋白質要素は、野菜、牛乳、卵、または魚からのみ得られている(魚粉は牛に与えられていない)。

 

管理点:家畜の健康と快適性に配慮した敷料の交換 番号:L7.2

コメント

「汚染状況に応じて、適宜」では実効性に欠ける。
敷料は家畜の健康にも快適性にも不可欠なので、頻繁な交換は必須。

改善提案

敷料は乾燥して砕けやすい状態に保たれている。家畜の排せつ物による汚染状況でそのような状態が保てなくなった時点で交換している。
「重要」ではなく「必須」。

 

管理点:生乳専用項目 番号:M

コメント

GlobalG.A.P.の必須管理点:
DY 4.2 The herd health plan shall be assessed for routine prevention treatments (if applicable): foot care, mastitis, vaccinations, worming.

改善提案

追加:
M6 必須 牛の衛生管理 衛星計画には、跛行・乳腺炎・予防接種・駆虫を含む日常的な予防治療が示されている。

 

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