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JGAP改訂 意見募集中-アニマルウェルフェアの強化を求めよう!

JGAP基準書(家畜・畜産物)が2017に発表されてから約3年がたちました。日本GAP協会はこの基準書の改訂にあたって現在意見を募集しています。

GAP協会より転載(ASIAGAPには畜産は含まれません。畜産動物に関わるものは3つ目の(JGAP家畜・畜産)になります)

ASIAGAP/JGAP基準書改定に向けたご意見募集

ASIAGAP/JGAP 基準改定に向けてご意見を募集します。以下のご意見シートをダウンロードし、必要事項を記入の上、シート内に記載されているアドレスまで、ご送付ください。

募集期限は、5月8日(金)です。

※各ファイルには、3つのシート(農場用、団体事務局用、GR用)があります。必要に応じて、ご記入ください。皆さんのご意見をもとに、より良い基準作りを目指しております。

ぜひ、たくさんのご意見をお寄せください。
頂いたご意見は事務局で整理し、日本GAP協会技術委員会にて、審議いたします。
ご意見への回答は、個別に致しませんこと、あらかじめご了承ください。

 

「GAP」とはGood Agricultural Practice:適正な農業生産工程管理のことです。世界中にはさまざまなGAP認証がありますが、日本のJGAP(家畜・畜産物)は2017年に国が多額の予算を出してつくった認証制度で、オリンピックの食材調達基準の一つとしても用いられます。

そのJGAP基準書(家畜・畜産物)には食品安全、労働者の安全対策、環境保全など、全部で113にもおよぶ項目がありますが、重要な柱の一つにアニマルウェルフェアがあります。

2017年に初めてこの基準書がつくられることになったとき、アニマルライツセンターは意見(1 2)を送りましたが、作られた基準は具体性に欠け、アニマルウェルフェアを保証できるような内容にはなりませんでした。

2017年につくられたJGAPで求められているアニマルウェルフェア用件は次のようなものになっています。

  • アニマルウェルフェアを含む飼養管理の責任者を確認できる組織図があり、誰が責任者なのかを周知する。
  • アニマルウェルフェアに関する方針、目的(法令の遵守および農場管理の継続的改善)を文書化して農場内に周知する。
  • 放牧するときは、事前に動物の健康状態、放牧施設および草地等の状況を確認してから実施する。
  • 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われてい るかについてチェックリストを活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。
  • 動物の輸送に当たっては、アニマルウェルフェアに配慮する。
  • 農場は外部委託先との契約の中にアニマルウェルフェア上のルールを含め、そのルールに従い、契約違反の場合の措置、外部審査、是正処置を求める可能性があることについて合意する。

たったこれだけです。

アニマルウェルフェアの具体的数値や制限がなにもなく、方向転換もできない妊娠ストールバタリーケージを使用していても、乳牛を繋ぎっぱなしにしていても認証がとれる基準になっています。いずれも欧州を中心に世界 100 カ国以上で実践されているGAPの世界標準であるGLOBAL. G.A.P.(グローバルギャップ)では認めらていれない飼育方法です。(グローバルギャップがアニマルウェルフェアについてどのような基準を設けているのかについてはコチラをご覧ください。)

日本のJGAPに、世界標準であるGLOBAL. G.A.P.(グローバルギャップ)と同等のアニマルウェルフェアを求めるのは難しいと言われるかもしれませんが、国が多額の予算を出して普及に努めているJGAPです。世界の人が集うオリンピックの食材調達基準にもなっています。最低限のアニマルウェルフェアが保証されるよう、アニマルライツセンターは改訂への意見を提出しました(このページの下をご覧ください)。

皆さまからもご意見を

専門的な言葉である必要はありません。ご自身の言葉で、動物を代弁して皆様からもぜひ意見を届けてください。

ご意見シート(JGAP家畜・畜産物)には「総合規則」「農場用 管理点と適合基準」「団体事務局用 管理点と適合基準」のシートが含まれますが、アニマルウェルフェアに直接かかわるものは「農場用 管理点と適合基準」です。

現在の農場用 管理点と適合基準 2017をご覧いただき 

ご意見シート(JGAP家畜・畜産物)の「農場用」シートに意見をしたい部分を記入

シートに記載されているメールアドレスに送る という流れになります。

アニマルライツセンターから提出した意見

該当箇所 2.2

①経営者は、農場運営の方針・目的を文書化している。方針・目的には、家畜衛生、食品安全、労働安全、人権・福祉、環境保全、アニマルウェルフェアに関する法令の遵守および農場管理の継続的改善を含む。
②経営者は、上記の方針・目的を農場内に周知している。

コメント

日々畜舎に入り、直接動物に関わる作業者が、アニマルウェルフェアに取り組むとはどういうことか、動物の扱いに関する法令遵守とは何かを理解していない現状がある。方針・目的を農場内に周知させる方法として、取組例に書かれている「例えば、方針書に経営者が署名して、作業者の見えるところに掲示する等がある。」は実行力に欠ける。

改善提案

適合基準②を次に変更することを提案する。
経営者は、各項目ごとに、定期的に勉強会などを開き、作業者に理解してもらう時間を作っている。

該当箇所 4.1

家畜伝染病予防法第12条の3に基づく飼養衛生管理基準(附属書Ⅰ)を遵守しており、年1回以上、全項目について不適合がないことを確認している

コメント

飼養衛生管理基準の一つに「家畜の健康に悪影響を及ぼすような過密な状態で家畜を飼養しないこと。」というものがあるが、実際には農水省が(具体的な数値基準ではないが)参考値として示している飼育密度を超えている畜産経営が多い。どの畜種においてもそれは言えるが、一例を示すとブロイラーは1m2あたり33~43kgが望ましいとされているが、2014年の調査では日本のブロイラー養鶏では46.7kgが平均となっている。(詳細はこちらをご覧ください https://www.hopeforanimals.org/broiler/k_shiyou/

改善提案

OIE陸生動物衛生規約第7.1章「アニマルウェルフェアの勧告に係る序論」に書かれているように「動物の健康とアニマルウェルフェアの間には決定的な相互関連性が存在する」ので、アニマルウェルフェアの進んでいるEUの指令などを参照に、飼育面積の最低基準を設定し、適合基準とすることを提案する。

該当箇所 6.2①

食品安全上および家畜衛生上の危害要因の評価
管理点6.1で明確化した工程について、年1回以上、発生する食品安全上および家畜衛生上の危害要因を特定し、そのリスク評価を実施している。

コメント

病変(皮膚炎症)のあるブロイラーの足(通称:もみじ)が市場に出回っているという実態がある。これは食品安全の観点からも、コンプライアンス(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律への抵触)の観点からも問題である。

改善提案

適合基準①を次に変更する。
管理点6.1で明確化した工程について、年1回以上、発生する食品安全上および家畜衛生上の危害要因を特定し、食鳥処理場から趾蹠皮膚炎(FPD) の割合のフィードバックを得、それらのリスク評価を実施している。

該当箇所 7.1

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われているかについてチェックリスト(附属書Ⅲ)を活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。

コメント

現在の適合基準では「豚の妊娠ストール」「採卵鶏のケージ飼育」「牛の繋ぎ飼い」という極端な拘束飼育をする経営体であっても認証が得られるものになっている。しかし妊娠ストールは日本も加盟するOIEが陸生動物規約第7.13章「アニマルウェルフェアと豚生産システム」の中でその不使用を推奨し、EU、スイス、アメリカ(10の州)、ニュージーランドで廃止が決定し、それ以外の国でも企業単位での廃止が進んでいるものである。採卵鶏のケージ飼育については、EUでは卵の49.6%(2018年)がケージフリーに切り替わっており、アメリカでは5つの州がケージ飼育を廃止した。2019年12月時点で77か国1,363の企業がケージフリーを決定している。牛の繋ぎ飼いはOIE陸生動物衛生規約第7.11章「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」において「家畜飼養管理者は、牛が繋がれている場合には、ウェルフェア上の問題のリスクが高まることを認識しておくものとする。」とされており、デンマーク、スイス、オーストリア、イギリス、スウェーデンは乳牛の常時繋ぎを禁止する。
消費者の感情からいってもこれら極端な拘束飼育を適正な農業規範ととらえる人は少ないであろう。「畜産動物に関する消費者意識・行動調査(2014)」によると牛の繋ぎ飼いについて23.7%が「やめてほしい」、62.9%が「改善策があればやめてほしい」と回答している。

改善提案

適合基準に次の追加を提案する。
転回できない場所に豚を閉じ込めていない。
採卵鶏をケージ飼育していない。
牛を常時繋ぎ飼いしない。

該当箇所 7.1

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われているかについてチェックリスト(附属書Ⅲ)を活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。

コメント

本指針は最低限のレベルのアニマルウェルフェアを定めたものであるため、チェックリストに「いいえ」がつくことは想定されるべきではないと思われる。

改善提案

適合基準を次に変更することを提案する。
「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」のチェックリスト(附属書Ⅲ)の全項目が「はい」であり、その状態を継続している。

該当箇所 7.1

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われているかについてチェックリスト(附属書Ⅲ)を活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。

コメント

畜舎管理や動物の扱いについて記載したチェックリストを活用する人間が、農場にたまに入る管理者だけでは不十分。常に畜舎に入り動物を飼養環境をチェックできる現場作業員がより積極的に活用しなければ改善につながりにくい。

改善提案

適合基準を下記に変更することを提案する。
「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われているかについてチェックリスト(附属書Ⅲ)を2.1①(5)に記載される飼養管理の責任者と現場作業者が活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。

該当箇所 7.1

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づいた対応が行われているかについてチェックリスト(附属書Ⅲ)を活用して、飼養環境の改善に取り組んでいる。

コメント

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」には数値基準が乏しく、特にロットで処理される鶏については農場、輸送におけるアニマルウェルフェアの状態をはかりにくい。

改善提案

適合基準に次の追加を提案する。
生産者は食鳥処理場から次の項目についてのフィードバックを得て、それぞれの指標を超えた場合は是正に取り組んでいる。

ホックバーン(足の関節部の炎症) 10%
趾蹠皮膚炎(FPD) 30%
胸部水疱/アンモニア火傷 1%
到着時の死亡0.25%
骨折および脱臼 1%
骨折した翼および脱臼した翼2%
脚と胸部の打撲 2%
処理の拒否1.5%
(*GlobalG.A.P.を参照)

該当箇所 7.2

家畜の輸送に当たっては、アニマルウェルフェアに配慮するとともに、家畜の衛生管理ならびに安全の保持および家畜による事故の防止に努めている。

コメント

現在の適合基準は具体性に乏しく、アニマルウェルフェアを保証することは難しいと考えられる。国内では畜産動物の輸送時のアニマルウェルフェアが問題となっており、たとえば飲水設備のない屠殺場への豚の前日搬入や、牛を前日搬入して横たわることもできない短い紐で係留するなどのケースがある。そして近年国会でも取り上げられているのは、採卵鶏の出荷から屠殺までの長期保管問題である。厚労省の2018年調査では最大で4日間採卵鶏を移動ケージの中に保管するケースもあり、関係省庁から3度にわたって改善を促す通知が出ているが、現在も改善に至っていない。

改善提案

適合基準に次の2点の追加を提案する。
1.2019年に発表され、農水省が普及に努めている「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」を活用して改善に取り組んでいる。
(同指針は屠殺場や食鳥処理場への輸送については範囲外とされているが、範囲外であっても「本指針を参考に輸送することが望ましい」とされているため、すべての輸送に活用する)
2.食鳥処理場や屠殺場と連携し、動物の保管期間を短くするように調整を行っている。

該当箇所 7

アニマルウェルフェア

コメント

2019年に「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」が発表された。同指針は農水省が普及に努めている。

改善提案

適合基準に次の追加を提案する。
「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」を活用して改善に取り組んでいる。

該当箇所 9.1.1.③

農場は外部委託先と契約を結んでいる。農場と外部委託先との間で交わされた契約文書は下記の内容が含まれている。
③外部委託する業務(工程)およびその業務(工程)に関する食品安全上、家畜衛生上およびアニマルウェルフェア上のルール

コメント

輸送を外部委託する場合、アニマルウェルフェアルールが当事者同士の任意の内容であればアニマルウェルフェアを保証するのは難しいのではないか。
日本も加盟するOIEの陸生動物衛生規約第7.5章「動物のと殺」は「電気式追い立て道具や刺し棒は、非常時のみ使用し、動物を移動するため日常的に使用しないこと」としている。しかし日本では、屠殺場へ積み下ろし時のスタンガンの多用、蹴るなどの手技の問題がある。

改善提案

2019年に発表され農水省が普及に努める「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」、およびOIEの陸生動物衛生規約第7.5章「動物のと殺」に基づくアニマルウェルフェアルールを適合基準として策定し、農場と外部委託先はその適合基準に基づき契約文書を交わす、というやり方に変更することを提案する。

該当箇所 13.8①

年1回以上、管理点2.1で示している責任者は自分の担当している範囲について、農場内の該当する作業員すべてに、JGAPに基づく農場のルールの教育訓練を実施している。各責任者は、教育訓練の結果を記録をしている。記録には実施日、参加者、実施内容が記載されている。また教育訓練に使用した資料を提示できる。

コメント

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」に基づくチェックリスト(附属書Ⅲ)には「治療を行っても回復の見込みがない鶏や、著しい発育不良や虚弱な鶏は、「動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第 40 号)」に準じた適切な方法(頸椎脱臼等)で安楽死の処置を行っていますか」という項目があるが、当法人の調査では一般的に農場内で適切な殺処分が行われていない。
農場では溺死、生きたままでレンダリング業者に出す、焼き殺す、死ぬまで放置などの非人道的な方法がおこなわれていることが分かっている。
要因の一つして現場の作業員が自分の手でどのように淘汰すればよいのかわからない、指導を受けていない、ということがあげられる。別の要因として、今の日本では頸椎脱臼や殴打、パコマを心臓に注入などの不確実で動物を苦しめる可能性が高い殺処分方法が一般的で、そのような方法で動物を殺したくないという作業者の感情がある。

改善提案

適合基準に次の二点を追加することを提案する。
1.人道的な殺処分方法の導入(ボルトガンやガス殺、パコマから人道的な薬剤への切替など)に取り組んでいる。
2.殺処分のやり方を対面式でレクチャーしている。

*パコマ:消毒薬のことで、日本では畜産場で伝染病が発生した時や、農場内で豚を淘汰する時などに使用される。米国獣医学会AVMAはこういった消毒薬を安楽殺の方法として認めておらず、パコマによる殺処分は意識を保ったまま徐々に体が麻痺していき窒息すると考えられる。

該当箇所 1.7.2

ワクチンの活用、衛生管理の徹底等による抗菌性物質の使用低減方策や薬剤耐性菌対策について、管理獣医師等の指導の下に取り組んでいる。

コメント

現状を考えるとゆるい適合基準ではないか。
2050年には1000万人が薬剤耐性菌により死亡するという報告があり、国内でも2018年、鶏肉の約半数から耐性菌が検出されたという厚労省の調査が発表された。2017年にWHO(世界保健機関)は「食用家畜における抗菌性物質の使用に関するガイドライン」を発表、「健康な家畜に対する成長促進や疾病予防を目的とした継続的な抗菌性物質の使用を止めるべき」「家畜における抗菌性物質の使用を制限する取り組みにより、最大39%まで耐性菌の発生を抑制できる」と示した。アメリカではいくつかの州が抗生物質の日常的な使用を禁止し、BBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare)の調べでは97社(65%)が、畜産における日常的な抗生物質の削減や回避に取り組んでいる。2018年、欧州議会は抗生物質の日常的な使用を禁止する法案を採択(法律になるのは2022年)し、これには抗生剤添加の飼料も含まれる。

改善提案

適合基準を次に変更することを提案する。
感染のリスクが高く、獣医師が許可した場合を除き、抗生物質を使用しない。

該当箇所 26.2

敷料は、家畜の排せつ物等による汚染状況に応じて適宜または定期的に交換している。

コメント

糞まみれの濡れた敷料の上で生活している畜産動物が散見され、「適宜または定期的」という表現では経営者の恣意的な時期に交換が行われる可能性がある。

改善提案

適合基準を次に変更することを提案する。
敷料は乾燥して砕けやすい状態に保たれている。家畜の排せつ物等による汚染状況でそのような状態が保てなくなった時点で交換している。

 

EUの抗生物質について参照

MEPs back plans to halt spread of drug resistance from animals to humans Press Releases PLENARY SESSION AGRI ENVI 25-10-2018

Europe votes to restrict animal antibiotics as UK use drops 

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