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本記事ではオスの殺処分を伴わない卵内選別も紹介しています。しかし、卵内選別でオス雛の苦痛がゼロになるわけではありません。鶏の卵は産卵後7日目に痛みを感じる能力が発達し始めるからです。

現在ドイツ、フランスなどでは卵内性鑑別された卵が出回っていますが、それは13日目、あるいは9日目の鑑別です。

選別後のオスの卵の行方も問題です。インフルエンザワクチンを作る際に受精卵が使用されていますが、インフルエンザワクチンを作るときは、11日目の卵にウィルスが投与され、そのあと2、3日温めてウィルスを増殖させ、12時間ほど冷却させたのちに割卵して中の液体を取り出してワクチンを作ります。卵内選別時よりも日数がたってからオスは殺されることになり、痛みを感じるリスクは高くなります。ただし卵(つまりそれを産む鶏)の数を減らす可能性はあります。

(ドイツで行われた消費者調査では、9日目の選別よりも痛みを知覚する可能性が出る前の1日目あるいは4日目の選別のほうを消費者が好むことが分かっています。Nov 22, 2021 Free-range egg producers under pressure )

7日以内での選別の研究も進んでいるので、そちらが実用化される可能性もありますが、こういった卵内選別鑑定技術の研究で遺伝子編集が行われていることも警戒しなくてはなりません。遺伝子編集は動物を苦しめることが知られています。(マウスを使用した実験 Gene-editing breakthrough could end male chick culling

卵内鑑別技術は動物の苦しみを減らす選択肢であり、苦しみが0であるということではありません。その上でもなお、この技術は、今ある膨大な苦しみを減らす上で必要なものです。


採卵養鶏において、卵を産まないオスの雛は産まれてすぐに殺処分されます。

日本卵業協会の鶏卵関係資料*5を見ると、日本では一年間に採卵鶏のメスが約1億出荷されていることが分かります。

メスとオスが生まれる確率が同じくらいだとすると、殺処分されるオスの雛は一年間に1億くらいということになります。メスであっても足が曲がっていたり体が弱かったり、奇形であったりするとやはり殺処分されますので、そう考えると、殺処分される雛の数はもっと多いだろうと思われます。

殺処分の方法

オスの雛の殺処分は次のような方法がとられています。

  • 袋に入れて窒息させる
  • 圧死
  • 生きたまま機械で粉砕(シュレッダー)
  • ガス殺

上の動画は生きたままシュレッダーされるところ。

下の写真は圧死です。
コンテナの中に、不要な卵のカラといっしょに生きたままどんどん放り込まれ、積み重ねられるにつれて、下のほうの雛は圧死します。「シュレッダー(生きたまま機械で細断)」も非人道的ですが、苦しみの長さ・度合いでいくと圧死はシュレッダーよりも残酷です。

(写真:Animal Equality)

日本はどのような殺処分方法なのか?

日本では、採卵鶏のオスの雛がどのような扱いを受けているか知らない人が多いのではないでしょうか。
私たちの国では、畜産の実態が知られていないという現実があります。「アニマルウェルフェア」という言葉さえ、知っていると答えた人は、4.4%にとどまります*1

諸外国では、国、レベルでケージ飼育妊娠ストールを法律で決定したり、企業が自主的にアニマルウェルフェアの高い目標を設定したりなど目覚ましい動きがあります。しかし日本には畜産動物の飼育方法対して拘束力のある法規制はありません。国際評価による日本の畜産動物保護レベルはD。動物福祉の先進国ヨーロッパだけでなく中国、メキシコ、ブラジル、インド、タイなどよりもよりも低いレベルにランク付けされています。

海外では、このオスの殺処分という行為を廃止しようとする動きが顕著ですが、日本ではこの問題について、議論さえはじまっていない状況です。そのような日本では「シュレッダー(生きたまま機械で細断)」でも「ガス殺」でもない、もっとも苦痛が長引く「窒息死」「圧死」がよくみられます。

こういった殺し方は「仕方のないこと」ではありません。たとえばイギリスではオスの処分は次のような方法で行われています。

オスの雛の処分は、アルゴン(ガス)に曝露することによって行われます。BEIC(イギリス卵産業評議会)はこの方法について、人道的屠殺協会の規範で承認された迅速かつ無痛な方法で、英国動植物衛生庁で(APHA)によって監視されていると説明しています。さらにイギリスの孵化場はRSPCA(世界最大の動物保護組織)の認証スキームのメンバーであり、APHAと同様RSPCAによっても監視されています*6。

オランダのすべての採卵鶏孵化場では、二酸化炭素によるガス殺が導入されています。またオランダのブロイラー(肉用鶏)孵化場では、二酸化炭素かシュレッダーが使われています。(二酸化炭素ガス単体では家禽は嫌悪感があり苦しむことが分かっています。窒息死や圧死よりマシだと思われますが、苦しみをできるだけ減らすためにはアルゴンを使う必要があります)
Culling of day-old chicks Hatchability.com

2019年10月、スイスでは、卵の生産に役に立たないという理由でオスのニワトリのひなをシュレッダー(生きたまま細断)して殺処分することを、2020年1月1日から禁じました。オスの雛を細断して殺処分する慣行は、すでに国内では行われていませんが、議会はこれを正式に禁止し、殺処分は二酸化炭素ガスを使用しなければならないとしました。スイスの卵生産者協会も、法改正を支持すると表明したそうです。
生きたひよこの細断 スイスで禁止 swissinfo SWI 2019/12/21

2020年1月、フランスとドイツの農業大臣は、2021年末までに、EUレベルでオス殺処分を禁止するように求めることを決めました*11

しかし日本ではオスを処分しなくても済む代替法への取り組みがゼロなだけではなく、人道的な殺し方についてもまったく議論が行われていない状況です。この件についてアニマルライツセンターは孵化業界に要望書を出しています。こちらをご覧ください。

海外ではオスの殺処分問題にどのように取り組んでいるのかみていきましょう。

海外-オス処分の代替法

海外では、オスを殺処分しなくて済む方法として、卵肉兼用の鶏種を使用したり、産まれる前に性別鑑定をすることなどが検討されています。孵化前の鑑別方法としては後述するように様々な研究が行われており、すでに実用化されている例もあります。

国家レベルでこのような非人道的なプロセスを省こうという動きがあります。2020年、欧州連合は、雄の殺処分の廃止方法を開発するIn Ovo(後述)に€250万(約3億円)を提供しました。 Jul 3, 2020 Funding support for chick sexing company

卵肉兼用種

卵肉兼用の鶏種については、オスの殺処分をしなくて済むだけでなく、卵肉兼用種そのものが動物福祉に配慮された種とも言えます。
ドイツのハノーバー獣医大学の研究では卵肉兼用のLohmann Dual種を使って試験したところ、メスの年間産卵数は従来の鶏と比べて50個減少、また肉用として飼育されたオスのほうは従来の鶏と比べて成長が二倍遅かったということです*7。生産効率だけを追求するならこの結果はマイナスとしてとらえられるかもしれません。しかし動物福祉の面からはプラスです。採卵鶏の卵の産卵数の多さ肉用鶏の急激な増体は、いずれも鶏に大きな苦痛をもたらし、動物福祉の大きな問題と考えられているものだからです。
研究はこの卵肉兼用種が穏やかで取り扱いが容易であることも見出しています。また従来の鶏が産卵の後期には羽毛の損失が激しかったのに対して卵肉兼用の雌鶏は羽毛が最後まで無傷で残っていたそうです。

産まれる前に性別鑑定

孵化前に、性別鑑別を行う研究が進められています。ドイツはもっとも取り組みの早かった国と言えるかもしれません。

(2015年8月19日 18時15分 ニューズウィーク日本版より引用*3)

ドイツの養鶏場では、毎年4500万羽ものひよこが破砕機で殺されている。育てても卵を産まないオスたちだ。
クリスチャン・シュミット独食料・農業大臣はこの”大虐殺”に歯止めをかけたいと考えており、卵がかえる前の性別検査の導入を検討している。(中略)ドイツは、この慣行を廃止する最初の国になるかもしれない。2013年には西部のノルトライン・ウェストファーレン州政府が殺処分を禁じる条例を制定した。条例は結局、ドイツの憲法で保障されている企業の権利を侵害しているとして撤回されたが、シュミットは諦めていない。2017年までに、全国的に禁止したいとしている。
シュミットは100万ユーロを用意し、卵段階での性別検査の研究などに資金を投じている。

ドイツはこの研究の先駆者で、この記事のあと、胚が痛みを感じる能力を発揮する前に、孵化卵の性別を識別するための内分泌学的方法で生産された卵が、2018年には市場に出る状況にまで来ています(詳細後述)。

産まれる前に性別鑑定をする技術の進捗についてみていきたいと思います。

産まれる前に性別鑑定をする技術の開発・実用化の進捗状況

▼2013年、オス雛の殺処分を防ぐという一つの目標を持ったスタートアップInOvo(オランダ)がライデン大学からのスピンオフで設立
ドイツの化学会社であるEvonikと、ベンチャーキャピタル会社のVisvires NewProteinから投資、またオランダ経済省、オランダ孵化場らの支援を受けて、大規模な孵化場で必要とされる1分あたり数千個の卵を選別するためのハイスループットと低コストの要件を満たすプロセスを開発中。卵1つあたり1秒かかる選別を数マイクロ秒にしようとしている(上述した通り2020年には欧州連合から、€250万(約3億円)を提供された)In Ovo技術は、2020年に市販される予定だという。
Millions invested in Leiden method of determining sex of chicks before hatching IN OVO
In Ovo Closes Series A to Combat Male Chick Culling in Egg Industry with VisVires New Protein November 5, 2018
https://inovo.nl/about-us/

▼2016年、イスラエルのエルサレム市に、遺伝子編集された採卵鶏を開発するeggXYt社が設立された
母鶏を遺伝子編集し、その母鶏が産んだ卵がオスの場合、性染色体上に蛍光マーカーが発現し、蛍光灯で照らされると、オス胚が蛍光を発する、というもの。この技術を使えば、産卵直後に企業が卵子を処分できるようになるという。2022年までに商品化される予定。
This Biotech Uses Gene Editing to Count Chickens Before They Hatch JONATHAN SMITH- 24/05/2019

▼2016年10月27日、放牧卵を販売する会社Vital Farmsが孵化する前の卵の段階で雌雄鑑別する方法を開発
Vital Farmsはイスラエルの技術会社と提携して、Ovabriteという子会社を設立し、2017年末に商業利用を目指すとしています。
New technique may prevent the gruesome deaths of billions of male chicks
NOV 08, 2016 New Technology Could Keep Billions of Male Chicks From Being Ground Alive

▼2016年12月16日、レーザーで簡単に「ひよこ選別」する技術を開発
『暖めはじめて4日目で判別可能に。普及すればオス雛の殺処分廃止も可能に』
独ドレスデン工科大学とリトアニア・ヴィリニュス大学の研究チームが、鶏の有精卵にレーザーを当て、雌雄を見分ける技術を開発しました。この技術では、孵卵器で暖めはじめて4日後の有精卵に赤外線レーザーを照射し、胚の中の血液の蛍光の具合からオスとメスを判別します。研究チームによると、380個の有精卵について試験をしたところ、93%の確率で正しくオスとメスを分類できたとのこと。
http://japanese.engadget.com/2016/12/16/4/

▼オスの雛処分を解決する方法を研究するSELEGGT社(ドイツ 2017年3月設立)が、胚が痛みを感じる能力を発揮する前に、孵化卵の性別を識別するための内分泌学的方法を開発。
http://www.seleggt.com/

▼2018年、カナダ オンタリオ州のエッグファーマーズ(卵農家から資金提供を受けた農業組織)が資金を提供し、 光を使用した非侵襲的な技術で卵が産まれる前に胚の鑑別をする方法(Hypereye)を開発。この技術にカナダ政府がオスの処分を減らすために $840,000の資金提供をすると発表。
CANADA SOLVING A CHICKEN-AND-EGG PROBLEM  January 12th, 2018
Farms.com Technology helps separate chicks by sex Jul 03, 2018

▼2018年10月 米国に拠点を置く 食糧農業研究財団(Foundation for Food and Agriculture Research :FFAR)が、ヒヨコが孵化する前に、卵の性別を正確かつ迅速に決定できる技術を開発するために、最大6百万ドルを提供。
Prize funding for ovo-sexing breakthrough

▼2018年11月 ドイツSELEGGT社の技術を使った卵が実用化
ベルリンのスーパーでこの技術を使って生産された卵が販売されるようになりました(製品名「Respeggt」)。
はじめこの卵はベルリン地域の9つのスーパーマーケットで販売され、ドイツの協同組合ReweとReweのブランドPennyの200のお店にまで拡大しました。2019年にPennyはこの卵を全国で販売するようになり、他のスーパーマーケットもこれに続きました。 ドイツでは、Edeka、Marktkauf、Familaもこの卵を販売しています*10
BY DEVEN KING ON JANUARY 3, 2019 Now available in Germany: ‘no-kill eggs’
殺処分されているオスのヒヨコ60億羽が助かる!?──孵化前の性別判断可能に

▼2019年12月 ドイツのEWグループ(グループには家禽育種のハイラインなどが入っている)の一部であるAAT社(Agri Advanced Technologies)が、分光光度法またはカメラを使用して、孵化する前に胚の性別を特定する方法を開発*10

▼2020年 ドイツの研究機関Technische Hochschule Ostwestfalen-LippeとCoburg大学は卵の雛の性別を決定する新しい方法の特許を申請。この方法では「蛍光顕微鏡法」を使用して、卵の殻に小さな穴を開け、卵の内容物をレーザーでザッピングする。胚選別は、孵卵の3日目から可能(確立75%)、6日目の成功率は95%*10

▼2020年9月 フランス最大手スーパーのカルフールが、9月からオスの殺処分を伴わない(上述のAAT社の技術)卵の販売を開始した。来年の春までに、この技術はすべてのカルフールのブランドである「カルフールクオリティライン」の卵(年間4000万個以上の卵)に使用されるという。カルフールクオリティラインの卵6個入りの箱の場合、消費者側でのコスト増加は10%未満と見積もられている。(1箱あたり1.89ユーロ)この卵は、抗生物質を使用せずに屋外で飼育され、GMOを含まない植物ベースの飼料で飼育された鶏によって産まれているという。
CARREFOUR & LOUÉ ARE INNOVATING WHEN IT COMES TO ANIMAL WELFARE IN THE EGG SECTOR September 14th 2020 By Group communications

▼採卵鶏育種大手のドイツのLohmann Deutschlandは、2022年1月にIn OvoのEllaと呼ばれる性別タイピング技術を適用して、ひよこを淘汰せずに孵化させる予定にしている。
Oct 1, 2021 September business update: Latest global poultry news

その他の技術開発

▼2020年、イスラエルの新興企業Soosが、胚の性別をオスからメスに変える技術を開発
Oct 6, 2020 Israeli start-up Soos tackles culling of male chicks

海外の規制動向

2016年6月9日には、アメリカ鶏卵生産者団体(UEP)が、2020年までにオスの雛の殺処分撤廃を目標にすると発表*4しました。アメリカの卵の95%がUEPにより生産されたものです。アメリカの動物の権利団体The Humane League の働きかけにより実現したこの決定は、国際社会の流れを変える大きな一歩になると予測されます。
2020年1月、UEPはオスの殺処分に関する声明を更新。サイト(United Egg Producers updated statement on male chick culling January 29, 2020)には次のように発表しています。

“米国の卵生産の約90%の代表として、UEPおよび私たちのメンバーの農家らは、サプライチェーン全体で動物の福祉を改善する慣行を実施することに引き続き全力で取り組んでいます。”

“2016年、UEPの理事会は、産卵業界において、孵化後の1日齢のオスの雛の淘汰を排除するよう求めました。それ以来、私たちのメンバーは、孵化場でのオスの雛の淘汰を終わらせるための方法の研究と新技術の採用を支持し、強く提唱してきました。これは優先事項であり、正しいことです。”

“UEPはまた、卵技術賞を推進するために食品農業研究財団(FFAR)と協力しました。この賞は、孵化する前に卵の性別を正確かつ迅速に判断できる技術を開発する研究者に最大600万ドルを提供します。”

“米国の卵生産者は、雛の供給業者やビジネスパートナーと協力して、孵化場でのオスの雛の淘汰に代わる、経済的に実現可能で商業的に実行可能な代替案を探し続けています。この目標は時間と研究によって達成可能であると信じており、私たちはそれを達成するために私たちの役割を果たします。”

“卵内で性別を特定することは、科学的に複雑で技術的に困難な問題であり、解決策を開発するために利害関係者がすでに数百万ドルを費やしています。私たちは、世界中の卵業界のリーダーへの定期的な報告から、実行可能で大規模孵化場向けの技術がまだ利用できないことを認識していますが、この取り組みに対する研究者の確固たるコミットメントに勇気づけられています。”

“私たちは、ブレークスルーが間近に迫っていることを期待しています。今後もステークホルダーとの関わりとこの目標への積極的な支援を続けていきます。”

企業レベルで廃止しようという動きもあります。ユニリーバHellmann’sは、孵化前に雌雄を判別する方法などで、この雄の廃棄を終了させることを発表しています*2

2020年1月、フランス政府は、2021年末までにオスの殺処分を廃止すると発表。世界で初めてオスの殺処分禁止を決定する国となりました*9。  すでにフランス最大のスーパーマーケットチェーン カルフールは、鶏のサプライヤーであるLouéとオスの殺処分を中止することで合意しています*10

フランスとドイツはまた、2021年末までに欧州連合全体のオス殺処分禁止を推進すると発表しました*11

2020年12月3日イタリアの卵協会のAssoaviは、卵産業における雄のひよこの日常的な大量殺処分を排除するために取り組むことを約束しました。HISTORIC COMMITMENT COULD SPARE MILLIONS OF CHICKS FROM BEING GROUND UP ALIVE

2021年1月20日、ドイツ政府は雄のひよこの大量殺処分を禁じる政令案を閣議決定した。ユリア・クレックナー(Julia Kloeckner)食料・農業相は発表で、雄のひよこの大量殺処分禁止は2022年からだという。また、「2024年から、ふ化前のひよこが痛みを感じることがないように、ふ化過程の早い段階で処分できる方法を導入することが求められる。」としており、冒頭の課題の解決が求められていることが分かります。
ドイツ、雄ひよこの大量殺処分禁止へ 世界初 2021年1月21日

2021年7月、フランス政府は、「2022年1月1日の時点で、すべての家禽孵化場は、卵の中でひよこの性別を学ぶことができる機械を設置または注文する必要があります」と発表
2021年7月18日 フランスは2022年にひよこの淘汰を終了することを約束します

2021年7月、フランス、ドイツ、オーストリア、アイルランド、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペインは、EUで雛の殺処分を禁止するように求めた。毎年約2億6000万羽のオスのヒナが孵化後に処分されている。 代表団は、この慣行は現在のEU法の下で許可されているものの、倫理的に受け入れられないと主張。
OUTCOME OF THE COUNCIL MEETING 3809th Council meeting Agriculture and Fisheries Brussels, 19 July 2021

今後どうなるのか

ドイツではオスの殺処分を伴わない卵がスーパーで販売されるようにもなりましたが、現在の技術は週に数万羽程度の小規模な孵化場において対応可能な技術であり、大規模孵化場で実用可能な技術はまだ開発段階にあります。
しかし技術の進歩は目覚ましく、2020-2021年ころには大規模孵化場でも対応可能になるかもしれないとも言われています。

産まれてすぐに「生産性が無い」という理由で殺処分する。それは動物搾取を象徴する典型的な例といえます。命に対する畏敬の念も感謝の気持ちもそこには見出せません。海外では卵業界が率先してこの問題に取り組んでいます。それは動物福祉に取り組んでいるアピールにもなりますし、胚の段階で選別することにより、孵化場での卵のスペースを増やし、より多くの卵を生産させることにもつながります。

「オスの殺処分」は、動物の畜産利用を廃止すれば解決する問題ではあります。しかしそこに至るまでにかなりの時間を要することを考えると、代替法の開発は急務です。

日本は世界で2番目に卵の消費量が高い国です。この問題に対処しなければならない時期はもうとうの昔に来ているのではないでしょうか。

*卵の段階で選別すれば、オスの雛の苦痛がゼロになるわけではありません。詳細はコチラをご覧ください。

*1 https://www.hopeforanimals.org/animal-welfare/2018survey/

*2 GobalMeat 2014年11月「Poultry welfare coming to the fore – but not for all」
http://www.globalmeatnews.com/Industry-Markets/Poultry-welfare-coming-to-the-fore-but-not-for-all/?utm_source=Newsletter_SponsoredSpecial&utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter%2BSponsoredSpecial&c=ZlsIu3XzqryQEXyRmo9P0Q%3D%3D

*3 http://news.livedoor.com/article/detail/10487661/

*4 Press Release 「United Egg Producers Announces Elimination of Chick Culling by 2020」
http://www.thehumaneleague.com/press_releases/uep/

*5 http://www.nichirankyo.or.jp/kaiin/kr02.htm

*6 Analysis: Hatching a new approach BY CHLOE RYAN ON JANUARY 15, 2019

*7 Jun 3, 2019 What role for the dual-purpose chicken?

*8 Germany, France to push EU to end shredding of male chicks 13/01/2020

*9 France to ban culling of unwanted male chicks by end of 2021 29 January 2020

*10 Apr 24, 2020 Novel techniques make culling male layers obsolete

*11 Germany, France push to end male chick ‘shredding’ in European Union By Meaghan Wray Global News Posted January 16, 2020

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8 コメント

  1. ogntks 2018/03/30

    >>2016年2月にアニマルライツセンターが民間の調査会社に依頼して行った調査(*1)では、麻酔なしでの体の一部の切断や拘束飼育など畜産の実態を知っていると答えた人はたったの8%しかいませんでした。

    >>しかし海外は違います。2014年9月のアメリカの動物虐待防止協会の調査によると、鶏肉について80%のアメリカ人が「人道的に飼育されたかどうかが重要」だと感じているそうです。

    比較の前提が違う。日本のケースは「実態を知っているか」という点であるのに対し、アメリカのケースは「・・・と感じている」というもの。

    記事の全体の内容は同意できるものの、ポジショントークの感が否めない。
    典型的なポジショントークですね。

    返信
    1. bhiro 2019/08/06

      で、あなたの意見は?
      批判することしかできないのですか?

      返信
      1. ogntks 2020/10/04

        意見など無い。批判でも無い。
        比較になっていないことを指摘してるだけ。
        何故このやり取りで私の意見を求めてるのか理解不能。

        返信
  2. n 2018/12/16

    あと読み込み遅すぎ
    読ませる気ないの???

    返信
    1. bhiro 2019/08/06

      読み込むのが遅いという事と筆者が読ませる気がないというのは、全くイコールな関係にはない。なぜ、読み込みが遅いからという事が、読ませる意欲がないことに繋がるのか。
      論理が飛躍し、破綻していますよ。

      返信
      1. ogntks 2020/10/04

        >> 読み込むのが遅いという事と筆者が読ませる気がないというのは、全くイコールな関係にはない。なぜ、読み込みが遅いからという事が、読ませる意欲がないことに繋がるのか。

        イコールとは言ってないでしょww きちんと読解しよいよ。
        あと、読み手側のことを考えればスムーズに読み込める仕様にできるよね。投稿側はそこまでは配慮していない、若しくは配慮が足りない。と、読み手側が感じるのは仕方ない。

        返信
  3. PB 2021/09/19

    このような啓発は貴重であり、社会的に広く問題提起されるべきです。

    オスのさっ処分は仕方のないことかもしれませんが、生きたままシュレッダーはあまりにひどい。
    いったん一酸化炭素などで安楽死させてから処分するべきだと思います、

    日本ではアニマルウエルフェアの発想がないので、動物の立場になって畜産業のシステムを再考する
    きっかけになってほしいと思います。

    返信

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