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農水委員会で初議論:生後1日で殺される採卵鶏のオスヒヨコ、数は1億1千万羽

2022年11月8日、参議院農林水産委員会で、須藤元気議員が生後1日で殺される採卵鶏のオスヒヨコについて、国会で初めて問題提起しました。

日本では何羽のオスひよこが殺処分数を確認したところ、農水省(渡辺生産局長)は

「我が国において採卵鶏のオスヒヨコがどの程度生まれて殺処分されているか直接的な統計はデータなどはございませんが、一般社団法人日本種鶏孵卵協会が推計をしております令和3年の全国の採卵鶏のメスのヒナの出荷羽数が約1億1千万羽という推計なので、ほぼ同程度の羽数のオスも生まれているものと考えられます」と答え、そもそも統計すら取っていないこと、そして推計1億1千ものヒヨコを毎年生ませ殺処分しているものとしました。

そしてその殺処分方法についても質問し、農水省は、OIEの疾病の管理を目的とした殺処分に関する指針に基づき、「直ちに死亡するか、死亡するまでの間の意識喪失状態に直ちに至る方法を用いる」という規定に沿って、できる限り苦痛の少ない方法でするように指導していると答えました。しかし、実際に取られている方法は

「マセレーター(粉砕機)、窒息死といった方法が取られていると聞いております。」

と述べており、その方法については明確に把握していないことを示しています。とくに窒息死については方法ではなく死に至った結果でしかなく、実際にはゴミ箱に積み上げられ、ゴミ袋に入れられ、長い時間をかけて圧死したり窒息したり凍死したり熱死したりしています。これらは長い時間がかかるものであり、「直ちに死亡するか、死亡するまでの間の意識喪失状態に直ちに至る方法」には全く該当していないことは間違いが有りません。頸椎脱臼ですら有りませんので、直ちに意識を喪失できているヒナはほぼいないでしょう。

この回答を聞いた須藤議員はこう述べています。

「やはり同じ魂を宿る生き物に敬意を持つことっていうのは大切だとおもいます。人間が動物など他の生命に対しての取り扱い方と、人間が同様に、弱い立場にいる人間に対する扱い方の構造っていうのはそこまで大きく変わらないと思います。今世界で起きている多くの社会問題というのは、すべての生命に対して優しくするというスタンスを持つことで変わって行くと私は思っております。」

深い思いやりのある発言に少しでも農水省、他の議員の心が動かされていることを願います。

最後に卵の段階でオスとメスを鑑別する方法について日本での取り組みを質問したところ、オスのヒナの殺処分を回避する方法としては、卵肉兼用種を採用する方法、オスのままで育て肉にする方法は国内の取り組みや研究の事例は承知していないが、卵内鑑別技術については、国立研究開発農業・食品産業技術総合研究機構や京都大学において研究が行われていると承知をしているとしました。一刻も早くこれらの技術が実用化される必要があります。しかし国が積極的に支援している様子は残念ながらないようです。藤木農林水産大臣政務官は、「私もこのお話を聞くまでは牛豚に関してはオスは肉に回っていくと存じ上げておりましたが、鶏に関してはこういう状況にあるというのを、いい勉強をさせていただきました。ありがとうございました。」と述べており、ぜひとも日本でのオスヒヨコ1億1千万羽の苦しみを減らすことを推進していただきたいと思います。

最後に須藤議員は

「生まれたその日にオスひよこを殺処分するという養鶏の慣行を終わらせるために日本でも今から技術開発や移行の検討、また移行にかかる費用についての議論が必要なのではないかと思います。ぜひ日本でもすすめてください。」

と求めてくれました。フランスやドイツは間違いなく国のサポートの元、最先端の技術を普及していっています。国の支援は必要なのです。

国が動くために必要なことは、市民がこの悪しき慣行を許容しないのだと意思表示する必要があります。ぜひお知り合いの国会議員にオスヒヨコを救うために孵化させないという方法の支援をお願いしてください。

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