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パブリックコメント:東京オリンピック・パラリンピック

東京オリンピック・パラリンピックの持続可能の食品を調達するための調達コード案が出されパブコメが始まりました。
アニマルライツセンターでは以下の意見を提出します。
オリンピックは多額の税金を使い行われるものであり、市民一人ひとりも意見を無視してはならないと思います。
一人でも多くの意見を、動物のために、提出して下さい。

https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/opinion-sourcing-code/
※意見はこのサイトのエクセルをダウンロードして記載し、メールで送信するという提出方法がとられています。

アニマルライツセンターからの「持続可能性に配慮した調達コード(案)」への意見

畜産物の調達基準(案)への意見

番号種別該当項目意見の内容理由等
1畜産物1「加工食品についても畜産物の構成割合が大半を占めるものを超えるものについては本調達基準を満たすものを調達すること」とすること(含有率50%以上等の数値基準を明確にすること)多くの人が畜産物であると考える、牛乳やバター乳製品やハムやソーセージ、マヨネーズなどの鶏卵製品や様々な冷凍食品が、調達基準を守っていない可能性があることは、消費者や施設利用者にとっては予想しないことであり、不利益である。さらに、現代的な食生活や欧米の食事に於いては特に、調達する畜産物の多くが加工食品である可能性が高く、持続可能性を考える上で本基準が努力目標であることは、調達コードの目的を果たさないものと考える。
2畜産物2「④快適性に配慮した家畜の飼養管理のため、畜産物の生産に当たり、国際動向に合わせ、ケージフリー卵、地鶏の肉、ストールフリー飼育の養豚場の豚肉、年間6ヶ月以上放牧された牛の肉と牛乳とし、その上でOIEのアニマルウェルフェアコードを厳守した農場のものであるとともに、関連法令、アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針および国際獣疫事務局(OIE)コード等に照らして適切な処置が講じられていること。」とすること理由1:アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針は一部の工程しか規定されていない(輸送・屠畜が抜けている)。

理由2:アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針は日本も批准するOIEのアニマルウェルフェアコードよりもレベルの低い指針である。

理由3:アフリカ地域を含む世界中がケージフリー卵やストールフリーの豚肉などの著しく福祉の低い飼育方法からの切り替えが進んでいる中で、3年後に同指針を守ることには国際的な価値は皆無である。

理由4:2016年、国連食糧農業機関(FAO)委員会で採択された『畜産の役割を含んだ食糧危機と栄養のための持続可能な農業開発の提案勧告』でもアニマルウェルフェアの「5つの自由」の原則を推進するとしているが、同指針は5つの自由の中の「正常な行動ができる自由」を懐疑的で採用しておらず、国際的な大会での基準には適していない。

理由5:リオ大会においても、ケージフリー卵や地鶏肉、有機畜産が採用されたため、同指針を基準にするとアニマルウェルフェアや畜産物の安全性のレベルが著しく低下する。

理由6:今項目においても関連法令の遵守は必要でありこれまでの検討委員会の議論の中でも出ているOIEコードが含まれているべきである。とくに関連法令については違反業者が警察の指導を複数回受けている事例も2016年には発生している。

3畜産物2「①食材の安全を確保するため、畜産物の生産に当たり、成長促進及び予防目的での抗菌剤を使用しないこと。緊急時以外は駆虫薬、特に浸透性農薬の使用を行わないこと。さらに日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること。」とすること理由1:抗菌剤による耐性菌により2050年には死者が年間1000万人と予測されており、農林水産省を含め世界中が取り組みを強めており、欧米では成長促進目的は禁止の流れにあり、さらに予防目的畜産動物への抗菌剤投与(飼料による投与)も規制が強まっている中、日本の関連法規にはその旨の記載はない。使用は獣医師の診断によってのみに限定されるべきである。

理由2:駆虫薬を利用しなくても通常動物は適正な環境があれば自身で寄生虫等を排除するため、使用しないことを前提とするべきである。

4畜産物2「②環境保全に配慮した畜産物生産活動を確保するため、畜産物の生産に当たり、国内及び国外の森林破壊、草地破壊、水資源の圧迫に関与しない土地及び飼料を利用すること。さらに、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること。」とすること理由1:日本の畜産に関連法令等において、基本的な排出規制などはあるが世界的な森林破壊や水資源枯渇に関する規制はない。日本の飼料自給率は27%(濃厚飼料は9%)であることを考えると、海外の環境保全を担保する必要がある。
理由2:リオオリンピックでも森林保全の認証を調達コードに含めている。
5畜産物3「上記2の①~④を満たし、さらにJGAP 注1または GLOBAL G.A.P.による認証を受けて生産された畜産物とする。」とすることJGAPまたは GLOBAL G.A.P.ともに、農家が守ってあたりまえのことが規定されているプロセスの管理であり、これを取得していることが上記2の「食材の安全の確保」「環境保全」「快適性に配慮した家畜の飼養管理」が高められるものではない。さらにJGAPはまだアンスラ公開されておらず、GLOBAL G.A.P.も採卵鶏や牛のアニマルウェルフェアのチェックリストは未整備である等の不備がある。
6畜産物4「上記2の①~④を満たし、上記3に示す認証を受けて生産された畜産物以外を必要とする場合は、上記2の①~④を満たすものとして、「GAP 取得チャレンジシステム」注2に則って生産され、第三者により確認を受けていることが示されなければならない。」とすること3の改変に伴い修正
7畜産物6「サプライヤーは、上記2を満たす畜産物を選択する上で、国内畜産業の振興とそれを通じた農村の多面的機能の発揮や、輸送距離の短縮による温室効果ガス排出の抑制等への貢献を考慮し、国産飼料を使った国産畜産物を優先的に選択すべきである。」とすること日本の飼料自給率は27%、特に濃厚飼料は9%と非常に低く、国産飼料への転換は農林水産省も取り組むところである。飼料が海外からの輸送であれば、消費量が多い分、海外畜産物を利用するほうが輸送による温室効果ガス排出量は抑制される。この項目の目的を達成するためには国産飼料を使った国産畜産物でなければならない。

関連記事:レガシーは作れない?東京オリンピック、アニマルウェルフェアのレベル下がるのか?
関連記事:リオ・オリンピック、パラリンピックでの動物福祉
関連情報:「食で支える東京五輪」(くらし☆解説)※NHKのサイト

水産物の調達基準(案)への意見

8水産物2「漁獲又は生産が、漁業関係法令等およびOIEアニマルウェルフェアコードに照らして、適切に行われていること。」とすること海外では魚のアニマルウェルフェアについても大きな関心事であり、日本には関連する法令がないため、最低限の施策としてOIEコードを採用するのが適切と考える。
9水産物2絶滅危惧種に指定されている種の提供は禁止すること水資源の保全は世界的な課題であり、国際的な大会において絶滅危惧種に指定された動物が食材として提供されてはならないと考える。
10水産物2「③養殖水産物にあっては、科学的な情報を踏まえ、計画的な漁場環境の維持・改善により生態系の保全に配慮するとともに、食材の安全を確保するための抗菌剤の成長促進および予防目的での使用を行わず、適切な措置が講じられている養殖業によって生産されていること。」とすること抗菌剤による耐性菌により2050年には死者が年間1000万人と予測されており、農林水産省を含め世界中が取り組みを強めており、欧米では成長促進目的は禁止の流れにあり、水産物の養殖においても、使用は医療行為を行う際のみに限定されるべきである。

「持続可能性に配慮した調達コード(案)」への意見

番号該当部分該当項目ご意見の内容理由等
11.趣旨4段落目この「持続可能性に配慮した調達コード」においては、上記基本原則の下、持続可能性に関わる各分野の国際的な合意や行動規範(「持続可能な開発目標」、「パリ協定」、「世界人権宣言」、「ILO 中核的労働基準」、「国連グローバル・コンパクト」、「OECD 多国籍企業行動指針」「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「OIE 動物福祉基準」など)を尊重し、法令遵守を始め、地球温暖化や資源の枯渇などの環境問題や人権・労働問題の防止、公正な事業慣行の推進、動物福祉への配慮、地域経済の活性化等への貢献を考慮に入れた調達を実現するための基準や運用方法等を定める。」 と、これまでの大会でも言及されていた「動物福祉への配慮」を含めること。ロンドン大会、リオ大会でも含まれていた動物福祉(アニマルウェルフェア)が抜け落ちている。
農水省も出席した2016年10月の世界食料安全保障委員会では「家畜の役割を含む食糧安全保障と栄養のための持続可能な農業開発に関る勧告」が採択されており、その中には「能力開発プログラムを含めて、動物福祉を向上させるために畜産部門で自主的な行動を支持し、『5つの自由』と関連するOIE基準や原則を実現する動物福祉を向上させる」との項目が含まれている。また、2016年12月の第4回OIE会議では冒頭で事務局長が「環境問題が重要になってきている今、動物福祉は、持続可能な畜産発展と一致しているという認識が高まっている」との発言するなど、持続可能性を語る際に動物福祉はもはや欠かせないものと考える。
23.調達における持続可能性の原則また、組織委員会は、調達物品等が、選手、大会スタッフ、観客など全ての関係者にとって、安全かつ衛生的であり、また、関係者の宗教的・文化的多様性に十分配慮され、差別・ハラスメントのないものとなるよう留意する。下線部分を「動物福祉、関係者の宗教的・文化的多様性に十分配慮され、」とする。同上の理由による。
34.持続可能性に関する基準(2)環境 ③その他の方法による温室効果ガスの削減食品、特に畜産物の廃棄を抑え、同時に必要以上の原料調達をしないことを盛り込むべき。日本の食品廃棄量は、食料消費全体の3割に当たる約2800万トン(2013年農水省)と言われており、その廃棄食料の焼却、並びに廃棄食料を生産・輸送する過程で生じるCO2は膨大な数値となっている。
特に畜産物については、国連食糧農業機関(FAO)が2006年に報告書「Livestock’s long shadow」 の中で「畜産業はもっとも深刻な環境問題の上位2.3番以内に入る」と発表して以来、その生産過程における環境負荷は大きな問題となっている。また、米国のワールドウォッチ研究所が2009年に発表した論文では、畜産業からの二酸化炭素排出量は少なくとも年間326億トンで、世界の年間排出量の51%に上るとしており、温室効果ガスの削減のためには、必要以上の畜産物を調達しないことも重要な取り組みになると考えられる。

 

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