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豚舎を作る金は出す? 農水大臣、お金で解決はできません

2020年6月9日、衆議院農林水産委員会で堀越啓仁議員が、飼養衛生管理基準案に突如加えられた「放牧中止」について質問した。

堀越議員は、まず、科学的根拠はあるのかと質問。

これは事前に生方幸夫議員、石川香織議員、堀越啓仁議員が合同で行ったヒアリングで確認済みであった内容であり、その際に農林水産省は「定量的な根拠はない」と延べ、疫学調査でリスクの1つに野鳥などが含まれていることを説明していた。9日の答弁で新井政府参考人は、これら内容だけでなく質問外の基準案の意図も含め、冗長に煙に巻くように話し続けた。だが疫学データなどの状況を含めて把握しているこちらからすれば、話をしている内容はつまり【科学的根拠はないが、舎飼の豚を移動する際に外を歩かせたからかもしれないというアドバイスがあった】という程度の話をしている。

疫学的な調査を行ってきておりその内容も公開されているが、感染経路として推察されている要因は、別の農家の感染した豚やイノシシと接触があったか、肉由来の飼料か、または間接感染として人か、車両か、野生動物や愛玩動物か、結局結論はついていない。

一方で、世界でこれまで相当の地域で豚熱が発生してきたが、イノシシ以外の野生動物や節足動物から感染したという明確な根拠のある事例や科学的データはない。一方でヒューマンエラーは明確な根拠として発生している。沖縄に豚熱が飛んだのも間違いなくヒューマンエラーだ。イノシシやカラスではない。

豚熱を収束させてきたのはワクチンと、農家の意識向上のための農家向けの教育だ。

堀越議員は、アニマルウェルフェアの重要性、消費者意識の向上、何十年もかけて作り上げた完全放牧の重要性や、農家を追い詰めないでほしいということを説明し、その上で江藤大臣の意見を仰いだ。江藤大臣が2018年にスペインに視察旅行に行った祭のイベリコ豚の完全放牧場での体験にも触れた。

それに対する江藤大臣の答弁が、謎に満ちていた・・・

述べたのは以下の内容だ、要点となる発言を「」内にまとめる。

「柵と豚舎につきましても、簡易なものでいい」

飼養衛生管理基準には屋根をつけろと書いてあるのだ。簡易なものになろうと放牧が中止されることには変わりがないことに気がついていないのだろうか。25000平米で180頭を飼育することで運動量を確保し動物の福祉と健康を保ちたい農家だ、地方に行けばより広い。25000平米の簡易な屋根付きの豚舎を建てろということか。

「北海道にそもそもイノシシはおりませんので、放牧は続けていただいて全く構わない」

24都府県ではだめだけどということの裏返しでしかない。引っ越せばいい、ということか?
なるほど、イノシシがいない地域であればこの条項は適用されないのか。しかし沖縄のようにヒューマンエラーで養豚場に発生したらどうなるのだろうか。農水省は野鳥が運ぶと主張しているのだ。

「正式なお話はできません。自分の気持ちを申し上げますけれども、簡易な豚舎を整備していただくということであれば、二分の一見ようと思っています。それで、その残った二分の一について当該の都道府県が見ていただければ、特交措置等で裏の負担もさせていただいて、飼育されている養豚農家の皆さん方にとっては負担がゼロ」

新型コロナウイルスで10万円公布が決まってから、とにかく金で解決するのが日本政府の方針にでもなったのだろうか。そしてこれは金の問題ではまったくなく、アニマルウェルフェアを広めたいと必死で思い伝え続ける市民を踏みつけにしている。いや、踏みつけにされていると感じる。そしてこんなにも簡単に税金が消えていくことに驚く。

繰り返すが、科学的根拠がないのだ。にもかかわらず、税金から金を出すから放牧なくすために豚舎建ててあげるねと言っている。そのお金、私達の税金だ。そこまで簡単に、根拠なく、決めないでいただきたい。アニマルウェルフェアを推進するものであるならいざしらず、後退させるものだ。世界中がアニマルウェルフェアに配慮し動物により多くの自由と行動範囲を与える環境を作っている中、逆行しようというのだ。そこに税金を大臣の個人的気持ちで決めてしまうなんて言うことは、とんでもない話だし、無用な出費だ。なぜなら、屋内に閉じ込めても豚熱もアフリカ豚熱も防げるなんて言う根拠はないのだから・・・。

かつて、同じ考え方で科学的根拠もなく、鳥インフルエンザ防止にはウィンドレス鶏舎がいいかもしれないと言って何十~何百億の税金が使われた。簡単なものだ。さすが畜産、補助金だらけの産業なだけはある。

「二重のフェンスのような形になるかもしれませんが」

それはすでにやっている・・・、もはや問題を把握してくれているようにすら思えない。

「ストレスフリーな豚をつくるということは大事なことです。」

この言葉が入ったことがせめてもの救いだ。

「例えば鶏でも、地鶏もいますし、いろいろな、ブロイラーもいれば、地べたで飼っていることについて付加価値があって、足も太くて、飼育の期間も長くて、そして耐性も強い、健康な鶏だということで高く売れるということもあります」

本題からそれるが、地鶏の話だと思うが足が太いのはブロイラーも同じだ。異常に太い。異常に太らされているためだ。

「みんなで力を合わせて日本の養豚業を、放牧だから、施設だからという飼養の形態にかかわらず、日本の養豚を守っていきたいという気持ちでございます」

その放牧の方だけ追い詰めようとしているのは、なぜなのか、撤回する気があるのかないのかを、ぜひ聞きたかった・・・

どういう意図を持って話をされたのか明確ではないが、私達には

税金で金は払うから豚を豚舎に閉じ込めてね

と言っているように聞こえるわけである。

答弁の内容はこちらから聞くことができる。 
※議事録は公式なものが公開され次第こちらにもアップする予定

 

2020/6/12 追記:放牧中止が撤回されました。
https://www.hopeforanimals.org/pig/good-news-save-houboku/

 

2 Comments

  1. 宮子雅子 2020/06/11

    畜産動物は狭く運動不足であるから病気に対する免疫力も下がるのだと思います。 
    将来的には肉の生産を減らし、動物福祉の意識の高い国にならねければ決して豊かな国にはなりません。放牧禁止など、もってのほかです。 
    根本的な、問題をより悪化させるだけです。 
    苦しむ動物に無知な国であるのは羞恥の極みです。

    返信

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