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GOOD NEWS! 箱根湯本温泉の宿 ホテル仙景は2030年までにケージフリー!

2022年3月18日、ホテル仙景は、アニマルウェルフェアとSDGsの双方を重視し、当館で使用する卵を、2030年までに100%ケージフリー、つまり平飼い又は放牧の卵に切り替えることを発表しました。アニマルライツセンターとの話し合いの結果、この決断に至りました。

ホテル仙景はアニマルウェルフェアの課題を知ってすぐに、朝ごはんの卵の切り替えを決断し、同じ神奈川県の平飼い養鶏場の卵の提供を始めました。その後、使用するすべての卵を切り替えることを検討し、ケージフリーに向かうことを決断しました。ホテル仙景のSDGsの取り組みには、下記のケージフリーポリシーが掲載されています。

ホテル仙景、若おかみ 津田かおりさんは今回のケージフリーの取り組みについてこのように述べています。

昨年に2030SDGs公認ファシリテーターの資格を取得し、弊社でもSDGsに関したプランを始めました。それをご覧いただいたアニマルライツセンターさんからのご連絡でアニマルウェルフェアを知るに至り、微力ながら私たちにできることは何か考えました。

一方的な寄付や支援ではなくお客様にも周知し喜んでいただける「喜の循環」でなくてはと思い、地産地消の観点からも井上養鶏場さんの「さがみっこ」を使わせていただくことにしました。多くのお客様に味わっていただけたらと思っております。

津田さんは、お会いした数日後には朝食用の卵を地元の平飼い卵に変えただけでなく、アニマルウェルフェアを推進するチラシを客室に置くなど、熱意を持って対応してくれました。その後、SDGsの取り組みを深める一環として、すべての鶏がケージに閉じ込められていない未来を選択してくださいました。アニマルウェルフェアはSDGsの目標2,3,6,8,12,13,15,16と深い関わりがあります。

ホテル仙景の朝食
客室にはアニマルウェルフェアについてのチラシが置かれている

ケージフリーを目指す意義

ケージ飼育の養鶏場では、狭くぎゅうぎゅう詰めで、鶏たちは自然で重要な行動が一切とれません。日本の平均飼育面積は一羽あたりたったB5サイズだけであり、これは世界の中でも最低レイベルです。バタリーケージの飼育はケージフリーの飼育と比べると、死亡率が高いことがわかっており、またケージフリーの飼育の場合は改善の余地がありますが、バタリーケージには有りません。ケージフリーに切り替えることで、サプライチェーンに組み込まれた鶏たちの福祉は、劇的に改善されます。需要があって初めて、生産者が飼育を切り替えることができます。その穏やかな移行を支援する今回の発表は採卵鶏にとっても日本の畜産にとっても重要な一歩です。

畜産動物のアニマルウェルフェアはSDGsとも関係しています。ターゲット12の”つくる責任・つかう責任”はもちろんのこと、効率ばかりを重視してきた集約的畜産が新たな疾病を生み出すリスクが指摘されています。これはターゲット3”すべての人に健康と福祉を”を大きく後退させうるものです。ワンヘルスの概念が重要性を増していますが、人の健康も、動物の健康も、環境の健康も全てつながっています。動物たちが、密ではなく、運動ができ、自然な行動ができ、ストレスが低い状態を維持することは、動物たちへの思いやりであるとともに、人の社会の持続可能性にもつながっています

ウィンドレス鶏舎のバタリーケージでボロボロになっている採卵鶏たち

ホテルのアニマルウェルフェア動向

実はホテル業界はもっともケージフリーが進んでいる業界の一つです。ANAホテルやインターコンチネンタルホテルなどを持つIGHグループ、ヒルトン、マリオットなど多くが日本を含めてケージフリーへの移行を約束しています。国内企業ではまだ多くはありませんが、複数のホテルが移行を約束しています。ホテル仙景はこれらのホテルの仲間入りを果たしました。
その他の業界を含めると、日本でも160以上の企業やお店がこの恐ろしい飼育方法から遠ざかっています。

この度、箱根という日本を代表する温泉地で、アニマルウェルフェアの取り組みが始まったことは大きな出来事です。アニマルウェルフェアが進む海外からのお客様が来たときに、安心して泊まることができる温泉地に発展していくその足がかりとなるでしょう。その先陣を切ってくれたホテル仙景さんの決断を歓迎します。

アニマルウェルフェア・ケージフリーのお取り組みを始めたい企業様はこちら

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