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アキタフーズ、採卵鶏を殺すことで得た税金1.2億円

アキタフーズなどの大手鶏卵生産業者に有利な改正が行われた成鶏更新・空舎延長事業と言う名の、採卵鶏を殺して需給調整をするという命の大切さも鶏の苦しみもすべて無視した補助金事業、この事業から2020年度はアキタフーズが1.2億円の補助金を得ていたことがわかった。

2021年3月1日の衆議院予算委員会で、逢坂誠二議員(北海道)の質問に野上農林水産大臣が「アキタフーズに確認の上」としてアキタフーズに国庫から支払われた金額を回答した(国から出した費用なのに業者に確認を取る必要があるのは疑問だが)。

改正によって前年比3.3倍を受け取った!

この成鶏更新・空舎延長事業は、2020年度から、鶏を屠殺した業者への奨励金の額を増額したりするなど、大幅な変更が行われることになった。この記事の後半に詳しく解説している。さらには、大規模養鶏場がどれほどの利益をこの改正で得るのか具体的な試算を農林水産省が行った試算を参考にしてみると、改正前と比較するとじつに1.6倍多く補助金を得られるため、自分たちに有利な改正を行ったのではないかという疑惑はさらに深まった。

実際の補助金アップ額は、想像を遥かに上回った。

2019年度(改正前)に、アキタフーズは3600万円を成鶏更新・空舎延長事業で受け取った

2020年度(改正後)に、アキタフーズは1億2000万円を成鶏更新・空舎延長事業で受け取った

というのだ。3.3倍にも跳ね上がっているではないか・・・・!!!!!何度も言うが、この1億2千万円は、自分たちが利益(卵)を得るためにバタリーケージですべての自由を奪い苦しめた鶏たちを”殺す”事によって税金から支出されたもの。アキタフーズはあからさまに改正後にこの制度を使って殺す羽数を増やした。自社に有利に改正して早速その制度をフル活用した思惑が見えるきがしてならない。

何羽をこの補助金で殺したのか試算してみよう。

アキタフーズはこの補助金制度を使って、2019年度は45万7千羽を、2020年度は推定133万3千羽(*2020年度は半額を60日空舎、半額を90日と仮定して計算)の鶏たちをこの制度を利用して、計画を前倒して屠殺した。2020年度の業界全体での成鶏更新・空舎延長事業を利用した屠殺が約1017万1679羽*1であり、つまりは事業全体の13%をアキタフーズが占めたことを意味している。アキタフーズは700万羽を飼養*2しているとされているため、実に自分のところで飼育する鶏の19%をこの事業を利用して屠殺した計算だ。

野上大臣は「アキタフーズが空舎延長事業に積極的に取り組んだ」とまるで良いことのように表現したが、とんでもない話だ。ただ補助金をいいように変えていいように使っただけにしか見えない。

この成鶏更新・空舎延長事業採卵鶏の屠殺場での長時間放置という虐待を悪化させていることを忘れてはならない。屠殺計画を前倒しにし、さらにはこれだけ大規模な養鶏場が一気に屠殺用に採卵鶏を持ち込めば、屠殺場は処理しきれず、トラックや係留所で水も飲めず身動きも取れない状態で長時間放置されることになる。

動物への最低限の配慮すらも放り投げ、鶏たちの苦しみを全く無視するという選択をしたこの改正を求めたアキタフーズや養鶏業界。自分たちに卵という商品を提供し続けた鶏を、さらなる虐待状態に追い込み殺しているのに、なぜ改善どころか改悪するのか。農林水産省はなぜこの改正を正当なことだというように答弁するのか。私達にはまったく理解できない。

補填を見込んで商売をしているのではないか?

さらに疑問が湧くのは、国の負担金が引き下げられ、業者の負担金が引き上げられた価格差補填事業の方だ。国と業者の負担金割合は、改正前は1:3、改正後は1:7になった。なお、改正前は成鶏更新・空舎延長事業が発動した場合アキタフーズのような大規模業者はこの価格差補填は停止する仕組みだったが、それも緩和され停止はしないことになった。

アキタフーズは、2019年度(改正前)に9400万円、2020年度(改正後)に9000万円が価格が低下した際の補填として、補助金を得ている。大幅な制度改正があったにもかかわらず、ほぼ同額であるのは不思議だ。これに加えて飼育羽数の19%を補助金を利用して屠殺する行為、鶏たちは全て結局屠殺するのだから少し早まってもさして影響はない。

細かな運用方法は外からはわからないが、この補填金額や成鶏更新・空舎延長による補助金を、もとから当てにして経営しているように見える。これは産業として、企業として健全と言えるのだろうか。

卵が安いと一部の国民はおだてるが、鳥インフルエンザに使われる補助金なども考えると、卵はじつは安くはない。しかも、正当な価格を消費者が支払うのではなく、こっそりと全国民からの税金で支払われている。いいかげん、卵は価格の優等生だとおだてるのはやめないか。価値が下がりすぎて税金で支えてもらわないとならない産業のことを優等生なんて言わない。

*1 9月23日に終了した成鶏更新・空舎延長事業の通報書による10月23日までの事業参加見込み羽数 成鶏更新事業参加は約1000万羽超 鶏鳴新聞 
*2 https://job.mynavi.jp/21/pc/search/corp77566/outline.html グループ全体で飼育する鶏は700万羽。

 

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