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EUディレクティブ:ブロイラー規制

EUのブロイラーの飼育の最低基準となるディレクティブ 2007/43/EC of 28 June 2007をアニマルライツセンターで翻訳しました。EUのディレクティブの基準は、あくまでも最小限のルールという位置づけです。このルールは日本の畜産業を基準に考えると非常に高いものですが、EUの養鶏農家はすべて守っていることが必須なのです。

英語の本文はこちら

このEUディレクティブは、動物保護団体が基準を作成して100以上のグローバル企業が採用しているベターチキンコミットメントの一つの項目にも使われており、どの国の企業であっても今後鶏肉を仕入れようと考えた場合は意識しなくてはならなくなる基準です。日本の低い法規制を守っていても、消費者、投資家は一切評価はしてくれないということを、知っておくべきでしょう。

欧州連合(EU)理事会ディレクティブ 2007/43/EC of 28 June 2007

食肉生産目的で飼育される鶏を保護するための最小限のルールの提示(EEA関連テキスト)

(第1条、第2条は定義等なので省略します)

第3条

鶏の飼育に対する要求事項

  1. メンバー国は以下の点を保証するものとする。
    1.   全ての鶏舎は付録文書Iに記載された要求事項に従う
    2.   必須の検査、および監査と追跡調査(付録文書 III で必要とされる項目を含む)は管轄当局、または正式な獣医が実行する
  1. メンバー国は、養鶏場内、あるいは養鶏場の鶏舎内の最大飼育密度が、常に33kg/m2を超えないことを保証するものとする。
  2. 第2項からの特例措置として、メンバー国は、所有者または飼育者が付録文書 I に記載された要求事項に加えて、さらに付録文書 II に記載された要求事項にも従うという条件を満たすならば、より高密度な環境で鶏を飼育することを規定してもよい。
  3. 第3項に従い特例措置が認められた場合、メンバー国は、養鶏場内、あるいは養鶏場の鶏舎内の最大飼育密度が、いかなるときも39kg/m2を超えないことを保証するものとする。
  4. 付録文書 V に記載された基準を満たす場合、メンバー国は、第4項で述べた最大飼育密度を最大3kg/m2まで増加することを許可してもよい。

第4条

鶏を飼育する人への訓練と指導

  1. メンバー国は、自然人である飼育者が自分の職務に関する訓練を十分に受講済みであることを保証し、かつ適切な訓練課程が受講可能であることを保証するものとする。
  2. 第1項で述べた訓練課程は、動物福利面を重点的に取り扱い、とりわけ付録文書 IV に列挙された事柄を取り扱っているものとする。
  3. メンバー国は、訓練課程の管理と認可のための制度を設けることを保証するものとする。鶏の飼育者は、該当するメンバー国の管轄当局に承認された許可証を保有し、それにより適切な訓練課程を修了したことを証明できるか、あるいはそのような訓練と等価な経験を有することを証明できるものとする。
  4. メンバー国は、2010年6月30日以前に獲得した経験を、上記のような訓練課程に参加することと同等であると認め、そのことを証明する証明書を発行してもよい。
  5. メンバー国は、第1項から第4項までの要求事項が所有者にも適用される、と規定してもよい。
  6. 所有者、または飼育者は、鶏の世話や、鶏の捕獲・荷積みを行うために自分が雇用、または依頼した人物に、適切な動物福利の要件(養鶏場内で実施される淘汰手段に関する要件も含む)について教育と指導を行うものとする。

第8条

正しい管理慣行のための手引書

メンバー国は、当ディレクティブに準拠した指導内容を含む正しい管理慣行に向けた手引書の作成を奨励するものとする。また、このような手引書の普及と利用を奨励するものとする。

付録文書 Ⅰ

養鶏場に適用される要求事項

地域社会の法規中の関連する条項に加えて、以下の要求事項が適用されるものとする。

給水器

  1. 給水器を設置し、水の流出が最小限になるようにメンテナンスされるものとする。

給餌

  1. 餌は常に採餌可能とするか、あるいは1食単位で与えるものとし、予定された屠殺の時間まで、12時間以上鶏から餌を剥奪してはならない。

敷き藁

  1. 全ての鶏は、表面が乾燥して砕けやすくなっている敷き藁へ常時アクセスできるものとする。

換気と暖房

  1. 過熱状態を避けるため、換気は十分行うものとし、必要な場合には、過剰な湿気を取り除くため、暖房システムと組み合わせるものとする。

騒音

  1. 音量は最小限に抑えるものとする。換気用扇風機、給餌機、その他の設備は、騒音が最も小さくなるように、組み立て・設置・運営・メンテナスされるものとする。

照明

  1. 全ての鶏舎は、点灯時間中、鳥の目線の高さで計測して20ルクスの明るさの照明があり、鶏が利用可能なエリアの少なくとも80%が明るくなるものとする。必要な場合には、獣医の助言に従って、照明光度を一時的に削減してもよい。
  2. 鶏が鶏舎に入れられてから7日以内から屠殺予測時間の3日前まで、照明操作は24時間のリズムに従うものとする。暗闇が最小でも合計で6時間含まれる(減光期間は除外するものとする)ものとし、このうち最小でも4時間は暗闇が間断なく続くものとする。

検査

  1. 養鶏場で飼育される全ての鶏は、少なくとも1日2回は検査を受けなければならない。動物福利の水準、および/または鶏の健康が低下していることを示す兆候には、特に注意を払うものとする。
  2. 深刻な怪我を負った鶏、あるいは歩行困難、激しい腹水症、または重度の先天性形成異常といった明白な健康障害の兆候を示す鶏、あるいはそれらを被りそうな鶏は、適切な治療を受けるか、あるいはすみやかに淘汰されるものとする。必要なときにはいつでも、獣医に相談するものとする。

清掃

  1. 鶏舎、設備、用具など、鶏と接触するものは全て、頭数の激減が発生し、新たな群が鶏舎に導入される前に毎回、徹底的に清掃・消毒されるものとする。鶏舎内の頭数の激減発生後は、全ての敷き藁は取り除かれ、清潔な敷き藁が提供されなければならない。

記録

  1. 所有者、または飼育者は、養鶏場内の全ての鶏舎について以下を記録するものとする。
    1. 導入された鶏の頭数
    2. 鶏がアクセス可能なエリア
    3. もし判明していれば、鶏の交配種、または品種
    4. 群の制御を行うたびに、死亡していた鶏の数ともし分かれば示唆される死亡原因、および淘汰された鶏の数とその原因
    5. 販売、または屠殺のために鶏を除去した場合には、群に残った鶏の頭数

これらの記録は、少なくとも3年以上の一定期間、保持されるものとし、管轄当局が検査を実施する場合や、その他の要請があった場合には、当局へ提供されるものとする。

  1. 治療、または診断目的以外で、体の敏感な部位の損傷や削除、あるいは骨格の変形を伴うような外科的処置を行うことは、全て禁止されるものとする。

ただし、くちばしの除去については、羽つつきと尻つつきを防止するための他の手段を全て講じ尽くした上で、メンバー国が認可してもよい。許可された場合、必ず事前に獣医と相談し、かつ獣医の忠告に従ってくちばし除去が行われるものとし、また資格をもつスタッフが、生後10日未満の鶏のみを対象に実施するものとする。さらに、メンバー国は、鶏の去勢を認可してもよい。去勢は、獣医の監督のもとで、専門のトレーニングを受けた職員が行うものとする。

付録文書 II

より高い密度で飼育する場合の要求事項

通知と文書記録

以下の要求事項が適用されるものとする。

  1. 所有者、または飼育者は、33kg/m2よりも高い密度で飼育する意図について、管轄当局へ通知するものとする。

所有者、または飼育者は、正確な飼育密度の数値を知らせるものとし、さらに、全ての飼育密度の変更について、遅くとも実施の15日前までに管轄当局に通知するものとする。

もし管轄当局に要請された場合には、上記の通知には、下記2で規定する文書記録で要求される情報を要約した文書を添付するものとする。

  1. 所有者、または飼育者は、各鶏舎の中に、その生産システムに関する詳細を記した文書記録を維持・利用可能とするものとする。特に、その文書記録は、以下に挙げるような鶏舎の技術的詳細と設備に関する情報を含むものとする。
    1. 鶏が居住する平面の寸法を含む鶏舎の設計図
    2. 換気システム、およびもし該当する場合には冷却・暖房システムの情報(全ての設置場所、換気計画、気流、風力、温度といった詳細な目標空気品質数値を含む)
    3. 給餌システム、および給水システムとそれらの設置場所
    4. 動物の健康と福利に必須である自動運転設備、または機械駆動設備が故障した場合に備えた警報システム、および予備システムの情報
    5. 床面の形式と通常利用される敷き藁の情報

この文書記録は、管轄当局に要請された際には提供されるものとし、常に更新されるものをする。特に、換気システムと警報システムの技術的検査結果を記録するものとする。

所有者、または飼育者は、鶏の福利に影響する可能性のある全ての鶏舎、設備、手続きへの変更について、過度の遅れがないように管轄当局に通達するものとする。

養鶏場に対する要求事項 ー 環境を表す数値の制御

  1. 所有者、または飼育者は、以下の点を実現できるように設計・構築・操縦された換気装置(必要な場合には冷暖房システムも)を、鶏場内の全ての鶏舎に配備することを保証するものとする。
    1. 鶏の頭の高さの計測値で、アンモニア(NH3)の濃度は20ppmを超えてはならず、二酸化炭素(CO2)の濃度は3000ppm を超えてはならない
    2. 日陰で計測した外気温が30℃を超える場合、室内気温はこの外気温値を3℃以上上回ってはいけない
    3. 外気温が10℃以下の場合、鶏舎内で計測した48時間の平均相対湿度が70%を超えてはならない

付録文書 III

屠殺場における監査と追跡調査(第3条(1)で参照された内容)

  1. 死亡率

  1.1. 33kg/m2以上の飼育密度の場合、その群れに付随する文書記録に、1日あたりの死亡率、および1日あたりの死亡率の累積値を所有者、または飼育者が算出して記録するものとし、さらに鶏の交配種、または品種を記録するものとする。

  1.2. 正式な獣医の監視のもとで、1.1.で述べたデータ、およびブロイラー鶏の到着時死亡数を、養鶏場、および養鶏場内の鶏舎を指し示しながら記録するものとする。そのデータの妥当性、および1日あたりの死亡率の累積値の妥当性は、屠殺されたブロイラー鶏の数、および屠殺場でのブロイラー鶏の到着時死亡数を考慮にしながら確認するものとする。

  1. 死後検査

 EC規則 No.854/2004に基づいて実施される管理に照らし合わせ、正式な獣医が死後検査の結果を評価し、出自となる養鶏場、または養鶏場内の鶏舎単位で、粗悪な福利状態の兆候(異常な接触皮膚炎、寄生虫感染、全身性の病気など)となり得るものが他にないかを確認するものとする。

  1. 結果の通知

  もし第1項で述べた死亡率、あるいは第2項で述べた死後検査の結果が、粗悪な動物福利を示す状態と一致する場合には、正式な獣医はそのデータをその動物の所有者、または飼育者に通知し、かつ管轄当局にも通知するものとする。その動物の所有者、または飼育者、および管轄当局により、適切な措置が取られるものとする。

付録文書 IV

訓練

 第4条(2)で述べた訓練課程は、少なくとも地域社会の法規の鶏の保護に関するもの、および下記に挙げる点に関するものを全て取り扱うものとする。

    1. 付録文書 I および II
    2. 生理学、とりわけ給水と給餌の必要性、動物の習性、ストレスの概念
    3. 鶏の注意深い取り扱い、捕獲、荷積み、輸送に関する実質的な側面
    4. 非常時の鶏の世話、非常時の殺処分、および淘汰
    5. 予防的バイオセキュリティー対策

付録文書 V

飼育密度増加を適用するための基準(第3条(5)で参照した内容)

  1. 基準
    1. 管轄当局が実施する監査により、過去2年間、当ディレクティブの要求事項についていかなる不足も見つかっていないこと。および
    2. 第8条で述べた正しい管理慣行のための手引書に従って、養鶏場の所有者、または飼育者による監査が実施されていること。および
    3. 同じ鶏舎で、少なくとも7回連続で事後検査をした群れの1日あたりの死亡率の累積値が、1%+0.06% × 群れの屠殺時の日数年齢を下回っていること

もし過去2年間、管轄当局による養鶏場の監査が実施されていない場合には、要求事項(a)を満たしているかを確認するため、少なくとも1回は監査を行わなければならない。

  1. 例外的な状況

 1 (c) の特例措置として、所有者、または飼育者が、1日あたりの死亡率の累積値が要求よりも高いことに対する例外的状況の説明を十分に提供した場合、あるいはその原因が彼らの制御の範囲外であることを証明した場合には、管轄当局は飼育密度の増加を決断してもよい。

※当翻訳はアニマルライツセンターが独自に行なったものです。
※翻訳:アニマルライツセンターボランティアチーム(Ikuro Oshima)

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