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日EUの経済連携協定に含まれた「動物の福祉」、日本は大丈夫?

2019年2月1日に発行した日本とEU間の経済連携協定(以下EPA)の第十八章 規制に関する良い慣行及び規制に関する協力の中の第B節は、「動物の福祉」が規定されました。
これまでEUが各国と結んだEPAに動物の福祉を入れており、EUにとって必須の事項でした。交渉の記録や報道、委員会での質問でも度々動物の福祉が登場しています。関税が下がっていくことだけでなく、動物の福祉は日本の畜産は大きく遅れているため不利に働くことでしょう。

この日EUEPAの「動物の福祉」について、2019年5月22日、衆議院農林水産委員会で堀越けいにん議員(群馬)が質問を行いました。

動物の福祉に関する法令は何を指すのか

まず17条第1項について質問されました。

堀越議員
「協定本体の第18章 規制に関する良い慣行および 規制に関する協力」の第B節に動物の福祉があります。その条文17条第1項には、両締約国はそれぞれの法令に関する相互理解の向上を目的として、飼養された動物に焦点を当てた動物の福祉に関する事項につき相互の利益のために協力するとなっております。 このことを担保するために該当する法令はやはり環境省所管、そして議員立法であり今まさに議論されている動物愛護管理法以外にないと考えておりますが、現在残念ながらこのアニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針は国のものではなく、一般社団法人畜産技術協会のものでありまして、実施させるための強制力を持っておらず実効性はないという認識をしております。そこで、念のための確認になりますけれども、EPA協定の中で規定されている国内の動物の福祉に関する法令というのは、いったいわが国で何を示しているのか外務省の見解を伺いたいと思います

つまり「両締約国は、それぞれの法令に関する相互理解の向上を目的として」と規定されている「法令」は何を指しているのか、ということです。

これまで特に厚生労働省はアニマルウェルフェアは動物愛護管理法、アニマルウェルフェアは環境省と繰り返し答弁してきたため、当然ながら動物愛護管理法であるはずのとことですが、この質問に応えた外務省はそうは答えず、曖昧にしました。

外務省 飯島大臣官房審議官
対象となります法令等含め、日EU間の具体的な協力の詳細に関しましては、今後EU側と 協議をして参ることになりますのでその中で決められることになるという風に承知しております。

EU側であれば、明確に答えられる点であろうと思います。具体的に、畜産動物であれば動物種ごと、または分野ごとにディレクティブ等があり、強制力を持っています。日本で強制力を持つ動物の福祉に関連する法規制は、動物愛護管理法以外にはありませんが、EUと協議してみたら実は別の法規制が存在していましたということがありえるのでしょうか。

作業部会は進んでいるのか

次に堀越議員は第2項で設置が規定されている作業部会についてその進捗を質問しました。

堀越議員
この国内で設置しなければいけないこの技術作業部会、設置することができる、これあの進めていかなくてはいけない喫緊の課題だという風に思っております。その先ほどご答弁いただいたこの設置準備、進んでいるのか伺いたいと思いますが、やはり世界のアニマルウェルフェアの変革の速さ考えるとですね、一刻も早く設置して、日本も世界で通用する専門知識、および経験、これを吸収したほうが良いと考えております。この設備準備進んでいるのかということについて一件伺いたいのと、またいつごろを目途に設置される予定か、そして第二項の進捗状況、見通しについて外務省の見解を引き続き伺いたいと思います。

外務省の答えは技術作業部会の設置は進んでいないという回答でした。

これに対して堀越議員は、

やはりですね、このEPAに対して私たち(立憲民主党)は反対の立場を取らせていただきました。しかしこうして締結、締約国となったからにはですね、日本の産業、農業、畜産業を守るためにも世界のアニマルウェルフェアの加速度合いにまず追いついていくこと、そして追いついていった先に日本の畜産業を外に売り出していくためにはそれを飛び越えないといけないという、非常にハードルが高い課題がたくさん残されていると思いますので、ぜひこのへん、さらに加速して進めていっていただければという風に思っております。

とし、世界に通用するアニマルウェルフェアの推進を強く求めました。

2011年7月にすでにEUは韓国とのEPAを結んでいますが、その韓国の畜産動物のアニマルウェルフェアは近年日本を大きく引き離し、EUの状況に近づいていっています。鶏の最低飼養面積の基準はEUと同じ面積にまで拡大されています。日本にはそういった規制は一切ありません。

日EUEPAが動き出せば改善に向かうのか、それとも、世界スタンダードに全く届かない「日本流アニマルウェルフェア」を押し通し続けどこまでも取り残されていくのか。私達はEPAが日本のアニマルウェルフェアを世界スタンダードのアニマルウェルフェアに押し上げてくれることを願います。

(質問を行う堀越議員)

(参考)日EU EPA

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page6_000042.html

第十八章規制に関する良い慣行及び規制に関する協力
第B節 動物の福祉
第十八・十七条
動物の福祉

1両締約国は、それぞれの法令に関する相互理解の向上を目的として、飼養された動物に焦点を当てた動物の福祉に関する事項につき、相互の利益のために協力する。

2このため、両締約国は、この条の規定に従って取り扱う動物の優先順位及び区分を定める作業計画を相互の同意によって採用することができるものとし、また、動物の福祉の分野における情報、専門知識及び経験を交換するため、並びに一層の協力を促進する可能性を探求するため、動物の福祉に関する技術作業部会を設置することができる。

CHAPTER 18 GOOD REGULATORY PRACTICES AND REGULATORY COOPERATION
SECTION B
Animal welfare
ARTICLE 18.17
Animal welfare

1.The Parties will cooperate for their mutual benefit on matters of animal welfare with a focus on farmed animals with a view to improving the mutual understanding of their respective laws and regulations.

2.For that purpose, the Parties may adopt by mutual consent a working plan defining the priorities and categories of animals to be dealt with under this Article, and establish an Animal Welfare Technical Working Group to exchange information, expertise and experiences in the field of animal welfare and to explore the possibility of promoting further cooperation.

 

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