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検察審査会に署名と意見を提出:愛媛県 豚の餓死事件

2022年7月28日、豚の餓死事件に起訴猶予で不起訴処分とした西条検察の審査会である西条検察審査会に署名、識者からの意見書、陳情書を送付しました。事件の詳細はこちらからご覧いただけます。

提出当時の署名人数は27,406名でした。なお、この署名自体は継続し、今後検察庁にも提出します。

識者からの意見

※一部抜粋のものもあります ※五十音順

署名の提出にあたり、各分野の識者からの意見もいただきました。

  • 参議院議員 串田 誠一
  • 公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 代表理事 杉本 彩
  • ルポライター・元酪農家 滝川 康治
  • 養豚農家・母なる地球を守ろう研究所理事長 長谷川 浩
  • 獣医師・オールペットクリニック院長 平林 雅和
  • 明治大学名誉教授 福田 邦夫
  • 日本女子大学家政学部教授 法学博士 細川幸一
  • 元衆議院議員 堀越 啓仁
  • 横浜国立大学准教授 安野 舞子

参議院議員 串田誠一

日本は畜産動物の扱いに対する世界的評価は最低レベルです。
これは畜産動物をモノとしてしかみておらず何をしても構わないという畜産業者が存在しているからに他なりません。
過酷な現場で飼育されている畜産動物を看過してしまえば優良な企業の努力が報われません。
その原因はどこにあるのか。
それは問題のある飼育環境に司法があまりに無関心で法律が求める処罰を行わないためではないかと思います。

畜産動物を大切に思わない国であることを国民は望んでいません。

劣悪な環境で飼育した業者は処罰する。

当たり前のことを検察当局はしっかり行って頂きたいと思います。


公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 代表理事 杉本彩

(抜粋)動物を利用することを認めながらも、動物を非道に扱うことを許容すべきではない、動物に必要以上の苦痛を与え、虐待の末に殺すことは『犯罪』だと、健全な精神と知性があれば、当然誰もが共有できる善悪の判断です。


ルポライター・元酪農家 滝川 康治

本件は、「動物愛護管理法」第44条2項などに違反する、きわめて悪質なものである。アニマルウェルフェア(動物福祉)の国際原則の一つ、「飢えと渇きからの自由」にも明らかに反するものだ。

たとえ屠殺され、食肉などに供される運命であっても、農場主は動物を最後まで飼養する責務がある。現代にあって、このような飼育放棄に等しい養豚場があること自体が驚きだ。検察当局は、同法に則って当該業者を起訴していただきたい。


養豚農家・母なる地球を守ろう研究所理事長 長谷川 浩

現在、輸入飼料価格が高騰しています。一方で、国産の精肉価格は停滞しています。自分が仔豚を分けてもらっている同じ市内の繁殖農家、Tさんは仔豚価格も低迷していて200万ぐらい売り上げが落ちたと笑っていました。Tさんは年間1000頭レベルの仔豚出荷なので、ごく小規模でしょうか。大規模になればなるほど、キャッシュフローが大きくなり、毎日の資金繰りが頭痛の種となります。政府は、補助金で農家支援をすると表明していますが、一般論として、補助額は7割、入金は来年になるそうです。飼料価格の高騰に農家の過失は一切ありませんが、なぜ3割負担なのか、入金があるまでどうやって資金繰りするのか、役所仕事はひどいです。農家は追い込まれています。大規模になればなるほど、です。だからといって、家畜を虐待していいことにはなりません。動物虐待は違法行為です。それをなれ合いでお咎めなしで済ますことは看過できません。犯罪として、それにふさわしい罰則の適用と、虐待者が二度と家畜を飼うことに従事しないように監視措置を強く希望するものであります。


獣医師・オールペットクリニック院長 平林 雅和

令和2年6月1日の動愛法改正によって、獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、遅滞なく、都道府県知事その他の関係機関に通報しなければならないということが義務化されました。

獣医師 平林雅和は、今回の養豚場の映像で明確なネグレクトが存在すると判断しております。

不起訴処分のよしあしを審査して頂きたく存じます。


明治大学名誉教授 福田邦夫

豚たちが、長期間、餌を与えられず、飢えと渇きで苦しんで死ぬのを放置した

この事件に心を痛めています。本件に限らず、犬や猫をはじめとする愛護動物(豚や牛も含まれる)に対する残酷極まりない仕打ちが多発しています。

豚は、人間と同じように喜怒哀楽の感情豊かな生き物です。

今後このような無慈悲で残酷な事件が起こらないようにするためにも、検察当局は残酷な養豚業者を厳しく処罰すべきだと思います。


日本女子大学家政学部教授 法学博士 細川幸一

動物愛護管理法は「愛護」の文言があるため、ペット愛護のみを目的とした法律かのように考えられがちですが、同法44条4項で「牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」を愛護動物に含めており、同条が処罰する愛護動物殺傷罪、愛護動物虐待罪、愛護動物遺棄罪の対象です。

今回のネグレクトによる豚の餓死事件は悲惨なものであり、また経営破綻等の情状酌量できる余地も見いだせないかなり悪質な事件であり、動物虐待罪に該当することは明白です。

愛媛県農林水産部畜産課が適切な対応を行わず、所轄警察署も捜査を行わず、地検も不起訴にした事実は、愛媛県は野蛮な地域であるとの印象を与えています。悲惨な餓死現場の動画が撮られており、私も現代ビジネスオンラインで紹介し、批判的なコメントが全国から多数寄せられています。

この事件が不起訴で終わった場合の影響は計り知れず、これが愛媛県内の養豚の常識なのだと認めることになります。適切な判断を求めます。


元衆議院議員 堀越啓仁

養豚の場であきらかなネグレクトによって惨状が発生していたにも関わらず不起訴処分となった。
豚は非常に知能が高い。
社会性のある動物であり、仲間を作り、コミュニケーションも豊か。

目の前で仲間が餓死していく様を閉じ込められた環境の中で過ごすのはどれだけの苦痛かはもう想像することも苦しいほどだ。

不起訴だというのだからあり得ない。

これが法律によって裁かれない現状は、そもそも何の為に法があるのか、ということにもつながる根本的な問題だ。

動物愛護管理法の改正に携わった者として、動物虐待、遺棄に関する罰則の強化が図られたとはいえ、畜産動物に対する罰則の実効性が保たれていない現状は非常に悲しく、苦しい想いだ。


横浜国立大学 准教授 安野舞子

この度の、検察当局が下した不起訴処分には、大いなる遺憾と疑義の念を抱かざるを得ません。2019年の動物愛護管理法の改正により、同法第44条の「動物虐待」の罰則が強化されたその意義と重みを今一度想起いただき、我が国が法治国家であるならば、司法はその原則に従って、粛々と業務を執行されることを強く望みます。

 とりわけ、今回は、違法性は認めているものの、「諸事情を考慮して」起訴を猶予したと聞きます。その「諸事情が」何であるか、明らかにされていないため憶測でしか語ることはできませんが、それが万が一にも「前例がないから」ということであるならば、今こそ、その悪しき日本の“前例主義”を断ち切って、法に基づく適切かつ公正な事例を生み出していただきたく思います。

 かのウィンストン・チャーチルは、かつて次のように言ったそうです。

「猫は人を見下し、犬は人を尊敬する。しかし、豚は自分と同等のものとして人の目を見つめる。」

このチャーチルの言葉は、動物行動学者 ライアル・ワトソンの著書『思考する豚』で紹介されている一節ですが、ワトソン博士自身も、数々の豚に関する研究を紐解きながら、「豚は心を痛め、泣き、感じ、誰かと意思疎通し、複雑な社会問題を解決し、こういったこと全部を頭の中で考えるようにできているのだ。豚は自分たちの文化を持っている。」と述べています。さらに、この『思考する豚』の翻訳者である分子生物学者の福岡伸一は、「ヒトが蔑んできた豚は、ヒト以上に繊細で、知的で、上品な生き物であるかもしれない。彼らはそれゆえに、ヒトの蛮行と非寛容に対して寛容でありつづけたにすぎない。」と語っています。この豊かな生き物を家畜化し、食すことを決めた我々人間は、「せめてその命を奪うまでの間は、そのいのちの尊厳を守る」という動物福祉の考えに立脚し、行動すべきであり、それこそが我々の責務であり、人間を人間たらしめる倫理的な生き方である、と考えます。公正で思いやりのある検察審査会の決断を、心より望みます。

アニマルライツセンターからの改めての意見

※一部個人情報に当たるため割愛しています

養豚場が崩壊状態になり、豚たちが餓死し、また子豚が肥育舎の檻で生まれて踏み潰されるといった状態は、明らかな動物虐待です。

これは誰に聞いても、そう述べます。

一体なぜこれが不起訴なのか、全員が首を傾げます。

対象が産業動物であることは不起訴の理由にはなりません。生業にしている場合、みだりな虐待に該当しないケースもあると思いますが、この農家のケースはみだりな虐待にあたっています。産業として考えるにはあまりにもいい加減で、この方法での畜産はありえないからです。

また、法がそうであるように、動物種によって虐待がゆるされるということも社会通念上ありえません。動物愛護管理法の目的にある内容の全てに反しています。

(目的)
第一条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。
動物虐待は人への虐待と非常に密接であることは証明されていることです。このようなネグレクトを行い、またそれが反省されない環境を司法や行政が作り出すことは、次の犠牲を生み出すことに繋がります。例えば将来親の介護をするステージになった際には、介護対象者が飢餓に苦しんでいても気にしないかもしれないと危惧します。

動物虐待は人への虐待と非常に密接であることは証明されていることです。このようなネグレクトを行い、またそれが反省されない環境を司法や行政が作り出すことは、次の犠牲を生み出すことに繋がります。例えば将来親の介護をするステージになった際には、介護対象者が飢餓に苦しんでいても気にしないかもしれないと危惧します。

M氏は今でも豚たちに関わりを持っていると聞いており、自身が動物飼育に適性がないことを把握できていません。

さらに、このような事件を起こしたことを反省する環境にもないものと考えられます。通常の養豚業者であれば、動物を虐待して餓死させてきたことや、ここまでひどい養豚の現場を作り出したことを考えれば、通常はこのような人を養豚に関わらせることはしないでしょう。しかし、M氏に仕事を任せ続けていることを考えると、この事件をオーナーが把握できていないものと考えられます。

M氏は、残念ながら不起訴によって、反省する機会を与えてもらえなかったのです。

私たちは起訴猶予になった理由を教えてはもらっていませんが、精神障害を持っているからではないかという推測をする人もいました。しかし、M氏は責任が果たせないほどの精神障害をもっているわけではありません。M氏は今でも養豚に関わり、他の養豚業で仕事を受けることができています。動物の苦しみを放置できる精神を持ち合わせているという点では、非常にモラルの低い人間なのだろうとは思いますが、責任が負えないわけではありません。

通報者は一貫して、豚たちの苦しみと、正しい養豚ではなくなっている点に着目していました。「こんなことやっちゃいけない」「おかしいことなのに誰も聞いてくれない」というのが当初の通報者の一番に抱えていた課題でした。貫かれた主張は、公正であってほしいという内容でした。

この動物虐待を、裁判で明らかにできる機会がもたらされるよう、公正にご判断されることを切に願います。

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