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採卵鶏の飼養管理に関する指針(案) への意見

バタリーケージにもアニマルウェルフェアの利点があるという恣意的なミスリードがされています。ケージ飼育は廃止されるべきで、アニマルウェルフェア上デメリットしかないことを強く意見してください。

パブリックコメント全体についてはこちらへ

以下、参考にしてください。※長いので2回に分けて送信してください。2回めに送るときも冒頭に(4)採卵鶏の飼養管理に関する指針(案) を記載してください。

アニマルライツセンターから提出する意見

(4)採卵鶏の飼養管理に関する指針(案) 

1 管理方法

1, 観察・記録 

 

「歩様、接触性皮膚炎、羽毛の状態、恐れを示す行動、寄生虫感染、空間的分布、羽翼を広げる行動、羽根つつきと共食い、損傷、目の状態、鶏鳴」を加えること。

 

「倦怠状態、速く不規則な呼吸、持続的な咳や喘ぎ、 震え、食欲不振等」に、「死亡率、淘汰及び罹患率の増加、接触性皮膚炎、跛行あるいは歩行異常、羽根の汚れ、疾病、代謝疾患及び寄生虫感染の発生率、恐れを示す行動、 空間的分布、浅速呼吸と羽翼を広げる行動、砂浴び行動の減少、採餌や飲水行動の減少、羽根つつきと共食いが見られないか」を加えること。

 

「記録する項目として」、「淘汰及び罹患率、跛行あるいは起立異常や歩行異常の割合、骨折、脱臼、疾病、代謝疾患及び寄生虫感染の発生率、恐れを示す行動、 浅速呼吸と羽翼を広げる行動、砂浴び行動の減少、採餌や飲水行動の減少、羽根つつきと共食いの割合」を加えること。

 

「観察は、少なくとも1日に1回」は、「観察は、少なくとも1日2回」に変えること。ケージへの挟まりや、鶏舎に入れられている鶏の数が多いため、特にケージだと弱った個体を発見できないことが度々発生するため、観察の回数を増やすべき。

 

「観察する際には、鶏の健康状態、損傷の有無、羽つつきの発生等が見られないか等を観察」に、「脚などがケージに挟まっていないか、爪がひかかっていないか、ワクモの発生や個体への寄生、総排泄口脱、腹部膨満、趾瘤症、歩様、行動の変化、羽毛が汚れていないか、糞の状態」を加えること。

 

「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に問題がないか等」に、平飼いや放牧のケースを考え「敷料の状態が悪化していないか」を加えること。

 

「死亡した鶏がいる 場合は可能な限り迅速に分離する」に、「死亡した鶏を発見するために飼育密度を低く保つとともに、鶏が動くことができるスペースを確保する」を加えること。

 

2, 鶏の取扱い 

【実施が推奨される事項】に、「鶏の羽を羽交い締めにしてはならない」を加えること。

 

「治療や移動等のためにケージから鶏を取り出す場合」の対策に、OIE規約に沿うとともにブロイラーの指針に合わせ、「捕鳥の際は、強い衝撃を与えないよう注意するとともに、暗くなるとおとなしくなる習性を利用して、鶏舎内の照度を下げる等の対応をとる。鶏の首または翼、片翼を持って持ち上げてはならないものとする。捕獲は熟練した動物取扱者が実施し、捕獲時に肉用鶏が怪我をした場合には、安楽死させる。捕獲は数万羽を一度に捕獲するが、時間的ゆとりをもたせ丁寧に扱うものとする。」を加えること。

 

3, 羽つつき防止(ビークトリミング) 

「羽つつきの発生を防止するための管理方法」に、具体的な方法「突きの素材の提供、広いスペースの提供、隠れる場所の提供、適切な照度の安定、給餌時間を長くするための餌の工夫、強制給餌を行わないこと」を加えること。

 

4, 誘導換羽(休産) 

「鶏は強制換羽の間、非常に苦しみを被る。それは死亡、ストレス、羽つつき、または常同行動を大幅に発生させる」を加えること。

 

「適切な光線管理を行う。」に、「適切な光線管理を行い日中に完全な暗闇にしてはならなず、24時間のリズムを継続する」に変更する。適切な光線管理の意味するところが不明である。

 

【将来的な実施が推奨される事項】に「誘導換羽はどのような方法であれアニマルウェルフェアの問題となるので行ってはならない」を加えること。

 

5, 疾病、事故等の措置 

「毎日のように鶏がケージに挟まる状態が発生する場合は、ケージの形状を改善する」ことを加えること。

 

「 死亡した鶏がいる場合は、疾病等の感染を防ぐため、」は、疾病等の感染を防ぐためだけではなく死亡鶏の隣で飼養されることがアニマルウェルフェア上問題であることが含まれる。「死亡鶏の隣で飼養されることはアニマルウェルフェア上の問題を発生させるため、」を加えること。

2 栄養

1, 必要栄養量・飲水量 

「餌または水が摂れない採卵鶏は、速やかに安楽死させるものとする」を加えること。

 

3 鶏舎

「鶏舎を新たに建設又は改修する際」の考慮事項に、「アニマルウェルフェアの5つの自由のすべてを満たすこと」を加えること。

 

ア 開放型鶏舎 

開放型鶏舎の特徴として、自然光が入ることはアニマルウェルフェアに寄与することを加えること。

ウィンドウレス鶏舎 

特徴に、「自然光から完全に遮断する事自体が動物の習性に反しており、アニマルウェルフェアを損なうものであることを認識する」ことを加えること。

 

【実施が推奨される事項】に自然光を入れることを加えること。

 

4 飼養方式、構造、飼養スペース、付帯設備 

1, 飼養方式 

「採卵鶏の飼養方式には、ケージ方式、平飼い方式、放し飼い方式等、多くの選択肢があり、それぞれ特徴を持っている。」に、「放し飼い方式、平飼い方式の順により高いアニマルウェルフェアと評価される。」を加えること。価格差から考えても、一般人の社会通念から考えても、ケージ方式はアニマルウェルフェアに対応しているとはいえない。またとくにバタリーケージ方式は死亡率が高くアニマルウェルフェア上の課題を払拭することは不可能。

 

ア ケージ方式 

「「苦痛、傷害及び 疾病からの自由」の点では優れているが、」を削除すること。ケージ内では羽つつきは同じように起きる。またケージに挟まったり金網に足や爪が絡んで怪我をしたり、羽を広げきれずに負傷することが非常に多い。死亡率の高さからも、苦痛や障害及び疾病からの自由がないことは明確であり、一方で優れていることについての根拠がない。あまりに恣意的。



「・鶏の行動や運動が制約される。」に、「運動ができず骨や筋肉が弱くなる」を加えること。

 

「・健康状態の点検、産卵状況の確認等の個体管理を行いやすい。 」を削除すること。実際には鶏がもともと動けないため動けない鶏を見つけにくいことと、数万羽の鶏が高密度に飼育されているため個体管理を行うことができず、疾病も見逃しやすい。

 

「・社会的順位の確立等による闘争行動が軽減されるため、それによる事故の発生や、飼料摂取の不足が生じにくい。 」を、「・ケージ内にはつつく素材や砂浴び場などがないため、餌を食べるか水を飲む以外にやることがないため、飼料摂取の不足が生じにくい。 」に変更すること。

 

「・鶏と排せつ物が分離されることにより、衛生的な管理が可能であることから、 コクシジウム症等の疾病予防上有効である。」を、「・鶏と排せつ物が分離されることにより、排泄物の管理が簡便である。」に変更すること。ケージ方式でもコクシジウムは発生しており、根拠がない。

 

「死亡鶏の見落としによる長時間の死体との接触などのアニマルウェルフェア上の問題が発生しやすい。」を加えること。

 

「鶏1羽当たりの望ましい飼養スペースは、死亡率等との関連を調べた国内外の 知見等からは、飼養密度について鶏1羽当たり 430~555 cm2とされている。 」の1話あたりの面積は「 750 cm2以上 」に変更すること。430~555cm2は日本の平均飼育密度であり、国内外の知見をもとにしていない。根拠のない情報を記載するべきではない。海外ではケージの場合でも一般的に750cm2以上が求められる。なお、今どき430cm2の飼育密度での研究は世界的にはほとんどなく、異常な値であることがわかる。研究によると(The effect of cage density on laying hen performance, egg quality, and excreta minerals Author links open overlay panel , A.Asghar Saki , 2012)500cm2ではより広い飼育密度と比較すると体重、卵重、産卵日数、卵量すべてが低く、この研究では1羽あたり1000~2000cm2を与えるべきだと結論付けている。

 

「望ましいケージの高さは、鶏の行動発現を調査した海外の知見からは、成鶏の 場合、40cm以上とされている」の高さに根拠がない。「望ましいケージの高さは、EUでは最低45cmとされている。ただし、鶏は高さに制約がなければ、56cmまで活動するという研究がある」と変更すること。(Dawkins, M. S., 1985.  Cage height preference and use in battery‐kept hens.,)

 

「実施が推奨される事項」に、「ケージ方式はアニマルウェルフェアに反する使用形態であることが世界的に確定付けられている。ケージ方式は世界的に廃止の方向に向かっており、新しい鶏舎を検討する際には、ケージ方式以外の使用形態を取り入れる取り組みを進める」ことを加えること。

 

イ 平飼い方式 

「「恐怖及び苦悩からの自由」や「苦痛、傷害及び疾病からの自由」などの点ではデメリットがある。 」を削除すること。平飼いでも内容次第であり、これらはケージ方式でも同じくデメリットとなっている。

 

「・社会的順位の確立等による闘争行動が生じやすい」を「社会的順位の確立等による闘争行動はケージ方式などの他の飼養方式でも起こり、これらは事故の発生や、飼料摂取の不足に影響する」に変更すること。

 

「 ・鶏と排せつ物が分離されずに飼養されるため、コクシジウム症、寄生虫症等 が発生しやすい。 」を「飼育密度と敷料管理への配慮が必要であり、適切に管理できなければ、コクシジウム症、寄生虫症等が発生しやすい」に変更すること。

 

「・敷料床の面積が大きく床面に糞が残存することから、粉塵やアンモニア濃度 が増加し、空気環境が悪化しやすい。」を削除。空気環境の悪化は、ウィンドレス鶏舎で発生しやすいものであることと、敷料の管理状態に左右されるものであり、平飼い方式の一律の特徴とはいえない。

 

「・汚卵、破卵が生じやすい。」は、すでに様々な解決策が開発されており、平飼い方式の一律の特徴とはいえない。

 

闘争行動を防止するための対策に、「闘争が発生しにくい品種の選定、突きの素材の提供、広いスペースの提供、隠れる場所の提供、適切な照度の安定、給餌時間を長くするための餌の工夫、強制給餌を行わないこと」を加えること。

 

2, 構造・床・敷料 

「鶏を収容する施設は、鶏が突起物等により損傷したりすることのない構造」に、「鶏の足の構造を考慮し、金網ではない構造とし、とまり木や十分な敷料を提供すること」を加えること。

 

「鶏の足および爪の損傷は、ケージ飼育でより頻繁で、足は病変、亀裂および角質増殖し、爪は過度に成長し、捻れ、または破損する。足の裏の損傷は、ケージ床の金網による局所的圧力によって引き起こされる」を加えること。(Tauson, R. 1980. Cages: how could they be improved? . Appleby M. 1991. Do hens suffer in battery cages?  )

 

「床をスラット構造とする場合は、鶏が常時縦横2本以上の線をつかめる幅とする。」を「床をスラット構造とする場合は、1本のスラットの幅を2.5cm以上とし、局所的に圧力がかからないようにする」を加えること。

 

3, 飼養スペース 

 

「逆に、余分なスペースの追加も羽つつきが発生する原因となることが知られている」に根拠がなく、またアニマルウェルフェアに反する記述である。十分なスペースとつつきの素材や止まり木、巣箱、砂浴びエリアなど設置が必要であるため、削除すること。

 

「良好な筋骨格の健康及び羽の状態に貢献する運動及び快適な行動の発現のために は、十分な空間を提供することが望ましい。」に、「運動及び快適な行動の発現のためには、ケージ方式から平飼い方式への転換を検討することが望ましい」を加えること。

4, 付帯設備 

【実施が推奨される事項】に、「砂浴びのエリア、ついばみのエリア、営巣のエリア及び止まり木 を設置する」「止まり木は、1羽につき、15センチを与え、高い位置に設置する」を加えること。

 

5 鶏舎の環境

1, 熱環境 

「鶏にとって快適な温度域(最小限の恒常性維持機能で体温を維持できる環境温度 域)は、20~30℃とされている。」に、「成長した採卵鶏にとって適切な温度は、21℃から22℃の間である」を加えること。

 

「鶏の快適性は、温度だけでなく、湿度、風速、換気 方法、床の構造等の影響も受ける」に、「飼育密度、飼育形式、床の状態、エンリッチメントの有無」を加えること。

 

「暑熱ストレスを防止するため」の対策に、「飼育密度の低減」を加えること。

 

2, 換気

「25ppm を超える状態」は鶏にとっての極限値であり、15ppmが推奨されることを加えること。

 

3, 照明 

「10ルクス未満の暗い環境に継続的に置かれると、眼炎等の目の異常や行動障害を引き起こすことがある。様々な福祉保証制度で、鶏舎内の「活動」エリアでは20ルクス以上の明るさを必要である。」を加えること。

 

「給餌場、水飲み場や敷料を敷いた場所で、最低でも20ルクスの明るさ(自然照明か人工照明かにかかわらず)を保つものとする。」を加えること。

「鳥が夜間の休息の準備をできるように、調光時間帯を設ける」を加えること。

 

「迅速な照明の調整が必要となる誘導換羽が行われている場 合を除き、」を削除。誘導換羽時の照明の調整による日中の暗さは鶏の目の負担を増強してしまう。

 

「各 24 時間の間に継続した暗期」を、「各 24 時間の間に継続した8時間以上の暗期」に変更すること。

 

6 その他 

3, 緊急時の対応 

「計画には、機能異常を検出するための安全警報装置、予備発電設備、維持管理業者の確保、代替暖房又は冷却装備、農場の貯水能力、水の運搬業者の確保、農場での飼料の適切な備蓄と代替飼料の供給先の確保並びに換気の非常事態への対応策といった事項を含むものとする」を加えること。

 

不足しているので追加

孵化場での雛の扱いが抜けている。丁寧な取り扱い、餌と水にできるだけ早くアクセスできるようにすること、雄の雛を産まれる前に性別鑑定する技術への代替を推進すること、鶏の卵は産卵後7日目以降苦痛を感じ始めることを認識させること。さらに、雛の殺処分を行う場合は、コンテナに入れて積み上げて言うことでの圧死や窒息死、ゴミ箱に生きたまま入れる行為や生きたまま冷蔵庫や冷凍庫に入れるなどして凍え死にさせる行為を禁じること。

 

(参考)採卵鶏の測定指標

(参考)採卵鶏の測定指標は、実施事情として重要であり、参考とすべきではなく、本文に組み込むべき。

1 コメント

  1. 森田優美 2022/06/08

    採卵鶏の飼養管理に関する指針(案)

    1 管理方法

    1, 観察・記録

    「歩様、接触性皮膚炎、羽毛の状態、恐れを示す行動、寄生虫感染、空間的分布、羽翼を広げる行動、羽根つつきと共食い、損傷、目の状態、鶏鳴」を加えること。

    「倦怠状態、速く不規則な呼吸、持続的な咳や喘ぎ、 震え、食欲不振等」に、「死亡率、淘汰及び罹患率の増加、接触性皮膚炎、跛行あるいは歩行異常、羽根の汚れ、疾病、代謝疾患及び寄生虫感染の発生率、恐れを示す行動、 空間的分布、浅速呼吸と羽翼を広げる行動、砂浴び行動の減少、採餌や飲水行動の減少、羽根つつきと共食いが見られないか」を加えること。

    「記録する項目として」、「淘汰及び罹患率、跛行あるいは起立異常や歩行異常の割合、骨折、脱臼、疾病、代謝疾患及び寄生虫感染の発生率、恐れを示す行動、 浅速呼吸と羽翼を広げる行動、砂浴び行動の減少、採餌や飲水行動の減少、羽根つつきと共食いの割合」を加えること。

    「観察は、少なくとも1日に1回」は、「観察は、少なくとも1日2回」に変えること。ケージへの挟まりや、鶏舎に入れられている鶏の数が多いため、特にケージだと弱った個体を発見できないことが度々発生するため、観察の回数を増やすべき。

    「観察する際には、鶏の健康状態、損傷の有無、羽つつきの発生等が見られないか等を観察」に、「脚などがケージに挟まっていないか、爪がひかかっていないか、ワクモの発生や個体への寄生、総排泄口脱、腹部膨満、趾瘤症、歩様、行動の変化、羽毛が汚れていないか、糞の状態」を加えること。

    「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に問題がないか等」に、平飼いや放牧のケースを考え「敷料の状態が悪化していないか」を加えること。

    「死亡した鶏がいる 場合は可能な限り迅速に分離する」に、「死亡した鶏を発見するために飼育密度を低く保つとともに、鶏が動くことができるスペースを確保する」を加えること。

    2, 鶏の取扱い

    【実施が推奨される事項】に、「鶏の羽を羽交い締めにしてはならない」を加えること。

    「治療や移動等のためにケージから鶏を取り出す場合」の対策に、OIE規約に沿うとともにブロイラーの指針に合わせ、「捕鳥の際は、強い衝撃を与えないよう注意するとともに、暗くなるとおとなしくなる習性を利用して、鶏舎内の照度を下げる等の対応をとる。鶏の首または翼、片翼を持って持ち上げてはならないものとする。捕獲は熟練した動物取扱者が実施し、捕獲時に肉用鶏が怪我をした場合には、安楽死させる。捕獲は数万羽を一度に捕獲するが、時間的ゆとりをもたせ丁寧に扱うものとする。」を加えること。

    3, 羽つつき防止(ビークトリミング)

    「羽つつきの発生を防止するための管理方法」に、具体的な方法「突きの素材の提供、広いスペースの提供、隠れる場所の提供、適切な照度の安定、給餌時間を長くするための餌の工夫、強制給餌を行わないこと」を加えること。

    4, 誘導換羽(休産)

    「鶏は強制換羽の間、非常に苦しみを被る。それは死亡、ストレス、羽つつき、または常同行動を大幅に発生させる」を加えること。

    「適切な光線管理を行う。」に、「適切な光線管理を行い日中に完全な暗闇にしてはならなず、24時間のリズムを継続する」に変更する。適切な光線管理の意味するところが不明である。

    【将来的な実施が推奨される事項】に「誘導換羽はどのような方法であれアニマルウェルフェアの問題となるので行ってはならない」を加えること。

    5, 疾病、事故等の措置

    「毎日のように鶏がケージに挟まる状態が発生する場合は、ケージの形状を改善する」ことを加えること。

    「 死亡した鶏がいる場合は、疾病等の感染を防ぐため、」は、疾病等の感染を防ぐためだけではなく死亡鶏の隣で飼養されることがアニマルウェルフェア上問題であることが含まれる。「死亡鶏の隣で飼養されることはアニマルウェルフェア上の問題を発生させるため、」を加えること。

    2 栄養

    1, 必要栄養量・飲水量

    「餌または水が摂れない採卵鶏は、速やかに安楽死させるものとする」を加えること。

    3 鶏舎

    「鶏舎を新たに建設又は改修する際」の考慮事項に、「アニマルウェルフェアの5つの自由のすべてを満たすこと」を加えること。

    ア 開放型鶏舎

    開放型鶏舎の特徴として、自然光が入ることはアニマルウェルフェアに寄与することを加えること。

    イ ウィンドウレス鶏舎

    特徴に、「自然光から完全に遮断する事自体が動物の習性に反しており、アニマルウェルフェアを損なうものであることを認識する」ことを加えること。

    【実施が推奨される事項】に自然光を入れることを加えること。

    4 飼養方式、構造、飼養スペース、付帯設備

    1, 飼養方式

    「採卵鶏の飼養方式には、ケージ方式、平飼い方式、放し飼い方式等、多くの選択肢があり、それぞれ特徴を持っている。」に、「放し飼い方式、平飼い方式の順により高いアニマルウェルフェアと評価される。」を加えること。価格差から考えても、一般人の社会通念から考えても、ケージ方式はアニマルウェルフェアに対応しているとはいえない。またとくにバタリーケージ方式は死亡率が高くアニマルウェルフェア上の課題を払拭することは不可能。

    ア ケージ方式

    「「苦痛、傷害及び 疾病からの自由」の点では優れているが、」を削除すること。ケージ内では羽つつきは同じように起きる。またケージに挟まったり金網に足や爪が絡んで怪我をしたり、羽を広げきれずに負傷することが非常に多い。死亡率の高さからも、苦痛や障害及び疾病からの自由がないことは明確であり、一方で優れていることについての根拠がない。あまりに恣意的。

    「・鶏の行動や運動が制約される。」に、「運動ができず骨や筋肉が弱くなる」を加えること。

    「・健康状態の点検、産卵状況の確認等の個体管理を行いやすい。 」を削除すること。実際には鶏がもともと動けないため動けない鶏を見つけにくいことと、数万羽の鶏が高密度に飼育されているため個体管理を行うことができず、疾病も見逃しやすい。

    「・社会的順位の確立等による闘争行動が軽減されるため、それによる事故の発生や、飼料摂取の不足が生じにくい。 」を、「・ケージ内にはつつく素材や砂浴び場などがないため、餌を食べるか水を飲む以外にやることがないため、飼料摂取の不足が生じにくい。 」に変更すること。

    「・鶏と排せつ物が分離されることにより、衛生的な管理が可能であることから、 コクシジウム症等の疾病予防上有効である。」を、「・鶏と排せつ物が分離されることにより、排泄物の管理が簡便である。」に変更すること。ケージ方式でもコクシジウムは発生しており、根拠がない。

    「死亡鶏の見落としによる長時間の死体との接触などのアニマルウェルフェア上の問題が発生しやすい。」を加えること。

    「鶏1羽当たりの望ましい飼養スペースは、死亡率等との関連を調べた国内外の 知見等からは、飼養密度について鶏1羽当たり 430~555 cm2とされている。 」の1話あたりの面積は「 750 cm2以上 」に変更すること。430~555cm2は日本の平均飼育密度であり、国内外の知見をもとにしていない。根拠のない情報を記載するべきではない。海外ではケージの場合でも一般的に750cm2以上が求められる。なお、今どき430cm2の飼育密度での研究は世界的にはほとんどなく、異常な値であることがわかる。研究によると(The effect of cage density on laying hen performance, egg quality, and excreta minerals Author links open overlay panel , A.Asghar Saki , 2012)500cm2ではより広い飼育密度と比較すると体重、卵重、産卵日数、卵量すべてが低く、この研究では1羽あたり1000~2000cm2を与えるべきだと結論付けている。

    「望ましいケージの高さは、鶏の行動発現を調査した海外の知見からは、成鶏の 場合、40cm以上とされている」の高さに根拠がない。「望ましいケージの高さは、EUでは最低45cmとされている。ただし、鶏は高さに制約がなければ、56cmまで活動するという研究がある」と変更すること。(Dawkins, M. S., 1985. Cage height preference and use in battery‐kept hens.,)

    「実施が推奨される事項」に、「ケージ方式はアニマルウェルフェアに反する使用形態であることが世界的に確定付けられている。ケージ方式は世界的に廃止の方向に向かっており、新しい鶏舎を検討する際には、ケージ方式以外の使用形態を取り入れる取り組みを進める」ことを加えること。

    イ 平飼い方式

    「「恐怖及び苦悩からの自由」や「苦痛、傷害及び疾病からの自由」などの点ではデメリットがある。 」を削除すること。平飼いでも内容次第であり、これらはケージ方式でも同じくデメリットとなっている。

    「・社会的順位の確立等による闘争行動が生じやすい」を「社会的順位の確立等による闘争行動はケージ方式などの他の飼養方式でも起こり、これらは事故の発生や、飼料摂取の不足に影響する」に変更すること。

    「 ・鶏と排せつ物が分離されずに飼養されるため、コクシジウム症、寄生虫症等 が発生しやすい。 」を「飼育密度と敷料管理への配慮が必要であり、適切に管理できなければ、コクシジウム症、寄生虫症等が発生しやすい」に変更すること。

    「・敷料床の面積が大きく床面に糞が残存することから、粉塵やアンモニア濃度 が増加し、空気環境が悪化しやすい。」を削除。空気環境の悪化は、ウィンドレス鶏舎で発生しやすいものであることと、敷料の管理状態に左右されるものであり、平飼い方式の一律の特徴とはいえない。

    「・汚卵、破卵が生じやすい。」は、すでに様々な解決策が開発されており、平飼い方式の一律の特徴とはいえない。

    闘争行動を防止するための対策に、「逃走が発生しにくい品種の選定、突きの素材の提供、広いスペースの提供、隠れる場所の提供、適切な照度の安定、給餌時間を長くするための餌の工夫、強制給餌を行わないこと」を加えること。

    2, 構造・床・敷料

    「鶏を収容する施設は、鶏が突起物等により損傷したりすることのない構造」に、「鶏の足の構造を考慮し、金網ではない構造とし、とまり木や十分な敷料を提供すること」を加えること。

    「鶏の足および爪の損傷は、ケージ飼育でより頻繁で、足は病変、亀裂および角質増殖し、爪は過度に成長し、捻れ、または破損する。足の裏の損傷は、ケージ床の金網による局所的圧力によって引き起こされる」を加えること。

    (Tauson, R. 1980. Cages: how could they be improved? .

    Appleby M. 1991. Do hens suffer in battery cages? )

    「床をスラット構造とする場合は、鶏が常時縦横2本以上の線をつかめる幅とする。」を「床をスラット構造とする場合は、1本のスラットの幅を2.5cm以上とし、局所的に圧力がかからないようにする」を加えること。

    3, 飼養スペース

    「逆に、余分なスペースの追加も羽つつきが発生する原因となることが知られている」に根拠がなく、またアニマルウェルフェアに反する記述である。十分なスペースとつつきの素材や止まり木、巣箱、砂浴びエリアなど設置が必要であるため、削除すること。

    「良好な筋骨格の健康及び羽の状態に貢献する運動及び快適な行動の発現のために は、十分な空間を提供することが望ましい。」に、「運動及び快適な行動の発現のためには、ケージ方式から平飼い方式への転換を検討することが望ましい」を加えること。

    4, 付帯設備

    【実施が推奨される事項】に、「砂浴びのエリア、ついばみのエリア、営巣のエリア及び止まり木 を設置する」「止まり木は、1羽につき、15センチを与え、高い位置に設置する」を加えること。

    5 鶏舎の環境

    1, 熱環境

    「鶏にとって快適な温度域(最小限の恒常性維持機能で体温を維持できる環境温度 域)は、20~30℃とされている。」に、「成長した採卵鶏にとって適切な温度は、21℃から22℃の間である」を加えること。

    「鶏の快適性は、温度だけでなく、湿度、風速、換気 方法、床の構造等の影響も受ける」に、「飼育密度、飼育形式、床の状態、エンリッチメントの有無」を加えること。

    「暑熱ストレスを防止するため」の対策に、「飼育密度の低減」を加えること。

    2, 換気

    「25ppm を超える状態」は鶏にとっての極限値であり、15ppmが推奨されることを加えること。

    3, 照明

    「10ルクス未満の暗い環境に継続的に置かれると、眼炎等の目の異常や行動障害を引き起こすことがある。様々な福祉保証制度で、鶏舎内の「活動」エリアでは20ルクス以上の明るさを必要である。」を加えること。

    「給餌場、水飲み場や敷料を敷いた場所で、最低でも20ルクスの明るさ(自然照明か人工照明かにかかわらず)を保つものとする。」を加えること。

    「鳥が夜間の休息の準備をできるように、調光時間帯を設ける」を加えること。

    「迅速な照明の調整が必要となる誘導換羽が行われている場 合を除き、」を削除。誘導換羽時の照明の調整による日中の暗さは鶏の目の負担を増強してしまう。

    「各 24 時間の間に継続した暗期」を、「各 24 時間の間に継続した8時間以上の暗期」に変更すること。

    6 その他

    3, 緊急時の対応

    「計画には、機能異常を検出するための安全警報装置、予備発電設備、維持管理業者の確保、代替暖房又は冷却装備、農場の貯水能力、水の運搬業者の確保、農場での飼料の適切な備蓄と代替飼料の供給先の確保並びに換気の非常事態への対応策といった事項を含むものとする」を加えること。

    (参考)採卵鶏の測定指標

    (参考)採卵鶏の測定指標は、実施事情として重要であり、参考とすべきではなく、本文に組み込むべき。

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