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豚の飼養管理に関する指針(案) への意見

妊娠期間中のストール飼育を将来的になくすことが書かれていません。またほとんど不要になっている歯切りについても、昔ながらの知識で歯切りが必要化のように読める文章になっています。最低限、妊娠ストールの廃止と歯切りの廃止を示唆するように意見をしてください。

パブリックコメント全体についてはこちらへ

以下、参考にしてください。※長いので2回に分けて送信してください。2回めに送るときも冒頭に「(3)豚の飼養管理に関する指針(案) 」を記載してください。

アニマルライツセンターから提出する意見

(3)豚の飼養管理に関する指針(案) 

1 管理方法

1, 観察・記録 

「豚の健康等の悪化の徴候」に、OIE規約に沿って、突然の不動状態、逃走を試みること、横臥時間の変化、身の寄せ合い、高音での鳴き声と鳴く回数の増加、敵対的行動の増加(攻撃を含む)、常同症行動の増加、その他の異常な行動の増加を加えること。

「特に、新生子豚、離乳直後の子豚、分娩前後の雌豚、疾病や損傷を受けた豚等がいる場合」に、OIE規約に沿って、新たに混合された未経産雌豚及び成熟雌豚を加えること。

「観察する際には、豚の健康状態、損傷や跛行の発生状況、尾かじり等の発生が見られないか」に、OIE規約に沿って、異常行動、糞による過度な汚れを加えること。

「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に問題がないか等」に、OIE規約に沿って、床材、敷料、寝床の表面及び舎外の囲い地は、良好な衛生状態、快適さを確保されているか、過剰な糞の体積がないかを加えること。

 

「疾病・事故の発生の有無や発生した場合の状況については、死亡率及び淘汰率並びにその原因(判明している場合)を定期的に(毎日等)記録」に、淘汰の実施者と方法を加えること。

 

2, 豚の取扱い 

「手荒な取扱い」に、OIE規約に沿って、蹴られる、投げられる、落とされる、上を歩かれる、1本の前足や耳又は尾をつかまれる又は引っ張られるという具体的な行為を加えること。

 

電気突き棒の使用方法に、OIE規約に沿って、体の後部への使用に限定することを加えること。さらに、EUの規制と同じように、電撃は1秒以内にし、後肢の筋肉にのみ限定することを加えること。

 

3, 繁殖 

 妊娠中の母豚について、カロリーの低い飼料で量を食べさせたり時間のかかる飼料など工夫することで母豚の空腹への配慮をすることを加えること。

 

5, 新生子豚の管理 

「去勢、断尾、歯切り等は、飼養管理を円滑にし、人の安全又は豚のアニマルウェル フェアを守ることを目的として行われることがある」という書きぶりでは、OIE規約で意図している内容とズレが生じている。正確にすべき。

OIE規約に沿って、「去勢、断尾、歯切り等の外科的処置は訓練を積んだ人員のみが実施するものとし、飼養管理を円滑にするため、また市場又は環境の要件を満たすため、人の安全の向上又はアニマルウェルフェアを守るために必要な場合のみ行われるものとする。」とすべき。

 

OIE規約に沿って、「これらの処置は痛みを伴う、又は苦痛をもたらす可能性がある。これらの処置は、動物への痛み、苦痛及び苦しみを最低限にする方法で行われるものとする。」を加えること。

 

OIE規約に沿って以下を加えること。

「外科的去勢、断尾、切歯、牙切り、個体標識、鼻輪、蹄の処置等の痛みを伴う又は潜在的に苦痛な処置が豚に行われる。

ただし、これらの処置が適切に実施されない場合には、アニマルウェルフェア及び動物の健康が不必要に損なわれることもある。

これらの処置に関連する問題の指標には以下のものがある

  • 処置後の感染、腫脹
  • 処置後の跛行
  • 苦痛、恐怖、苦悩又は苦しみを示す行動
  • 罹病率、死亡率及び淘汰率の増加
  • 摂食量及び飲水量の減少
  • 処置後の体型及び体重減少」

ア 去勢 

「雄豚を去勢しないで肥育した場合は、肉に異臭(雄特有の臭い)が生ずる。」「このため、食肉に供する雄豚は外科的に去勢することが一般的である。 」は、OIE規約には掲載されておらず、またそもそもアニマルウェルフェアとは無関係の内容であるため、削除すること。性成熟に達する前に屠殺する場合は雄特有の臭いは生じないことと、去勢しないことのほうが自然の作用であるにも関わらず異臭と表現することは恣意的である。

 

ウ 歯切り

歯切りは大中小養豚場を含め多くの農場が、歯切りをやめても影響がなかったとして歯切りを廃止している。事故の”防止”のために一律で行ってはならない。原則的に歯切りは行わないこと、問題が発生した場合にのみ、個別に歯切りを行うこととすべき。

 

【実施が推奨される事項】に、去勢・断尾等の外科的処置は麻酔をすることを加えること。

 

「歯切りを実施する場合は、子豚が歯肉炎等にならないよう、歯の先端のみを やすり(グラインダー)で研磨したりニッパーで切断する方法とするが、ニッパーで 切断する場合、歯が割れるリスクがあるので注意して行う」は、「歯切りは歯の先端のみにやすりを使うこととする。ニッパーは歯が割れるリスクが伴うため使用しない」とすること。

 

6, 離乳 

OIE規約に沿って、「離乳を 4 週齢又はそれ以上に遅らせることは、腸管免疫の向上、下痢の低減、及び抗菌剤の使用の低減等の利益をもたらす可能性がある。」を加えること。

 

8, 牙切り

OIE規約に沿って、「3つのR」の記述を加えること。

 

9, 疾病、事故等の措置

「隔離豚房には給餌器や給水器の他、豚が必要とするものを備える」に、OIE規約に沿って、たとえば、横臥している動物や歩行困難な動物、重大な傷を負った動物には、追加の敷料又は代替の床の表面が必要な場合がある。また、水と飼料が手の届く場所にあるものとすることを加えること。

 

「疾病に罹患した豚又は損傷を受けた豚に対しては、可能な限り隔離豚房等に分離」は、OIE規約に沿って、異常な行動をする豚を追加し、また「可能な限り」を削除し、必ず分離するものとすること。

 

「自力で動けない場合は、必要な場合を除き、なるべく動かさないようにし、動かす必要がある場合には、細心の注意を払い、損傷等が悪化しないよう注意する。」に、OIE規約(と畜)に沿って、意識のある動物は、投げられたり、引きずられたり、落とされたりしないことを加えること。

 

「農場内において豚を殺処分することが決定した場合(家畜伝染病予防法に基づき殺処分を行う場合を除く。)には、「家畜の農場内における殺処分に関する指針」を参照し、適切に実施する。」に、日本で行われていた事例のあるやってはいけない方法を明記し、「首吊りや餓死など不適切な方法での殺処分方法は絶対にしてはならない。また処置後には必ず死亡確認を行うこととする。」を加えること。

 

「排せつ物は適切に取り除き、豚にとって快適な環境を提供する」は曖昧であるため、OIE規約に沿って、屋内生産システムの床管理は、豚のウェルフェアに大きな影響を与える可能性がある。床材、敷料、寝床の表面及び舎外の囲い地は、良好な衛生状態、快適さを確保し、疾病と損傷リスクを最小限に抑えるため、このような確証が得られる状況に清掃されるものとすることを加えること。

 

12, 管理者等のアニマルウェルフェアへの理解の促進

「豚の基本的な行動様式や行動欲求、尾かじり等の異常行動、柵かじり・偽咀嚼等の常同行動、豚の快適性を高めるための飼養管理方式、疾病の発生予防等に関する知識、輸送の適合性を評価する知識及びボディコンディションスコア に関する知識を習得する」に、OIE規約に沿って、栄養、繁殖管理技術、バイオセキュリティ、ストレス、痛み、不快等のアニマルウェルフェアの低さの指標及びその緩和を加えること。またOIE規約に沿って、知識だけでなく技術の習得を加えること。

 

経営者、従業員、外部作業者が十分なアニマルウェルフェアの手技や指針の内容の習得についてトレーニングを受けることとともに、理解が不足している場合には現場に関わらせないことを加えること。

 

2 栄養

1, 必要栄養量・飲水量 

 

OIE規約に沿って、以下を加えること。

「すべての豚は、以下の目的のために、適切な量及び質の飼料及び栄養を毎日提供されるものとする。

1.健康を維持すること

2.その生理的要求を満たすこと

3.飼料探索と採餌行動の要求を満たすこと」

 

3, 給餌・給水方法

【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、飼料探索の行動の推奨を加えること。

 

3 豚舎 

OIE規約に沿って、すべての豚がお互いに見え、周りを視覚的に調べ、その他の正常な行動パターンを示し、職員が豚の適切な観察のために必要な十分な光のレベルとする。照明管理は、健康及び行動の問題を防ぐようにするものとし、24時間周期とし、十分に連続した暗い時間と明るい時間(それぞれ6時間以上が好ましい)を含むものとし、人工的な照明源は豚にとって不快にならないような場所に置くものとすることを加えること。

アニマルウェルフェアの実現のためには自然光が必要であることを加えること。

 

4 飼養方式、構造、飼養空間 

1, 飼養方式 

【実施が推奨される事項】 に、「繁殖雌豚は、他の豚と同様に社会的な動物であり、群で生活することを好むことか ら、妊娠した雌豚や未経産雌豚はなるべく群で飼うよう努める」を移動すること。

 

【将来的な実施が推奨される事項】 に、「妊娠ストールを廃止し群飼する」を加えること。

 

ア 単飼(ストール、囲い・おり)方式 

妊娠期間中のストール飼育ではアニマルウェルフェアを達成することは不可能であることを明記の上、分娩時のストールに限ってのみ詳細を記載するべき。

 

「・豚の能力や状態に合わせた個体管理(飼料給与量の調整、発情確認、人工授 精、分娩管理、環境改善等)を行いやすい。」の環境改善は拘束飼育下では難しく削除すること。

「・行動が制約されることにより、運動不足となり、脚弱となる危険性がある。 」に異常行動なども起こす可能性が高く、精神的苦痛が大きいことを加えること。

 

【実施が推奨される事項】の中の「個別のエリアを確保する」を、OIE規約に沿って、「十分な空間が提供されるものとする」に変更すること。

 

【実施が推奨される事項】の中の「適切な大きさのストールを用いる」を、OIE規約に沿って、「体の側面を下にして快適に横臥できる適切な大きさのストールを用いる」に変更すること。

 

【将来的な実施が推奨される事項】に、「拘束飼育とアニマルウェルフェアは相反するものであるため群飼への切り替えの検討を早急に始めることを加えること。

イ 群飼方式 

「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステ ム)の開発、研究等が各国で行われている」は、事実に沿って、「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステ ム)の開発、研究を経てすでに日本を含め各国で実用されている」に変更すること。

 

ウ 放牧方式

「・飼料の摂取量等のきめ細やかな個体管理を行うことが難しい」は事実に沿って「・飼料の摂取量等の個体管理を行うために屋外用の「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステム)が開発されている」に変更すること。

 

2, 床構造等

OIE規約に沿って、「熱ストレスを防ぐためにスプリンクラー又はミスターが使用される可能性がある状況を除き、すべての生産方式において、豚には、水はけが良く、乾燥した、快適な休息場所が必要である」を加えること。

 

【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、糞による過度な汚れが無いよう床の管理をすることを加えること。

3, 飼養空間

OIE規約に沿って、第7.13.13条 空間的ゆとりの内容を加えること。

 

イ 繁殖雌豚(分娩後や泌乳中の母豚を含む) 

単飼の場合での「生体重 200kgで1頭当たり 1.15 m2」だと、OIE規約の

  • 隣の豚を邪魔することや他の豚によって損傷されることなく、体の側面を下にして快適に横臥する。ただし、給餌のみを目的としたストールの場合はこの限りではない。

に反する。単飼の場合でもより広い面積が必要である。ゆえに、「群飼方式の場合 は、闘争等が生じることからより広い空間の確保に努める。 」を「単飼方式の場合は豚が隣の豚を邪魔することや他の豚によって損傷されることなく、体の側面を下にして快適に横臥できる空間の確保に務める。また群飼方式の場合 は、闘争等が生じることからより広い空間の確保に努める。 」とすること。

 

「群飼方式で飼養する場合は、次の点を考慮する。 」に、OIE規約に沿って、良好な衛生状態、快適さを確保できる敷料管理を加えること。

 

5 豚舎の環境

不足しているため追加

OIE規約に沿って、第7.13.10条 環境改良を加えること。

「動物に提供される環境には、正常な行動(たとえば、探索行動、鼻で地面を掘るといった飼料探索、飼料以外のものをかじったり噛むこと、社交的交流)を促進し、異常な行動(たとえば、尾、耳、肢、脇腹へのかみつき、偽咀嚼、鉄柵へのかみつき、無気力な行動)を減らし、身体的・精神的状態を向上させるために、複雑性、操作可能性、認知作用への刺激物が提供されるものとする。

豚は、物理的及び社会的環境の向上を通じて、豚のウェルフェア向上を目的とした環境改良を提供するものとする。例としては以下のものをあげることができる。

  • 豚が、飼料(食べられる物質)を探して発見でき、噛みつくことができ(噛める物質)、鼻で地面を掘ることができ(探索可能な物質)、物質をいじることができるような、十分な量の適切な物質。目新しさもまた、提供された物質への興味を保つ上で重要な点である。
  • 豚をグループ飼いするか、あるいは個飼いの場合は、他の豚と視覚的・嗅覚的・聴覚的に接触できるようにする、といった社会的な環境改良。
  • 良好な人間との接触(たとえば、機会があるときに、定期的かつ直接の物理的接触を行う。この接触行為は肯定的な出来事を連想させる行為であり、給餌する、なでる、さする、掻く、話しかける、が含まれ得る)。

動物の状態に基づく基準(又は測定指標):外観(損傷)、行動(常同性、尾のかみつき)、体重及び体型の変化、取扱時の反応、繁殖効率、跛行及び罹病、死亡率及び淘汰率」

 

不足しているため追加

OIE規約に沿って、第7.13.11条 異常行動の防止を加えること。

豚生産においては、適切な管理手順によって防ぐ又は軽減できる異常行動が多くある。

これらの問題の多くは多要因によるものであり、発生を軽減するには環境全体やいくつかの管理要因の検査が必要である。これらのいくつかの行動の問題の発生を軽減しうる管理手順には以下のものをあげることができる。

1) 口を使う常同症(たとえば、棒かじり、偽咀嚼、過剰な飲水)は、環境改良の提供、給餌時間の延長、飼料中の繊維含有量又は飼料探索用の繊維質飼料の増加によって、軽減することができることがある。

2) 尾の噛みつきは、適切な改良物質及び適切な飼料(ミネラル又は必須アミノ酸の不足を避ける)を提供すること、密飼いや飼料・水の競争を避けることによって軽減できることがある。他の考慮すべき要因には、動物の特性(品種、遺伝、性別)や社会的環境(群の大きさ、混合した動物)、全般的な健康、温度の快適さ及び空気の性状がある。

3) ベリーノージング(訳注)及び耳なめは、離乳時期を遅らせること、飼料の急激な変化を避けるために離乳前に子豚に飼料を給与することによって軽減できることがある。(訳注):子豚を母豚から早期に離乳することにより発現する問題行動の1つであり、鼻を使い他の子豚の腹部を持ち上げ母豚の乳房を探すような行動。

4) 外陰部の噛みつきは、飼料及び水を含むリソースの競争を低減し、群れの頭数を減らすことによって軽減できることがある。

動物の状態に基づく基準(又は測定指標):外観(損傷)、行動(異常行動)、罹病率、死亡率及び淘汰率、繁殖効率、体重及び体型の変化

 

1, 熱環境

 

「特に新生子豚は、体温調節機能が未発達なため十分な保温対策が必要であり、保温箱、加温器、保温マット等を利用して適切に保温する。」に、OIE規約に沿って、敷料の追加、ランプを加えること。

 

「湿度、風速、換気方法、床の構造等の影響も受ける」に、OIE規約に沿って、日射、飼育密度、屋外型システムでの日陰や水たまりの利用可能性等の環境側の要因、品種、週齢、体型等の動物側の要因を加えること。

 

【実施が推奨される事項】に高い飼育密度は熱ストレスや湿気によるストレスを受けやすくなるため、空間的ゆとりを持たせることを加えること。

 

2, 換気 

OIE規約に沿って、「空気の良好な性状及び換気は、呼吸器の不快、疾病及び異常な行動のリスクを低減するため、豚のウェルフェア及び衛生上重要である。塵、毒素、微生物、有毒ガス(たとえば、動物のふん尿の腐敗によって生ずるアンモニア、硫化水素、メタン)は、屋内型システムでは問題となる」「空気の性状は、舎飼型の管理及び畜舎設計に強く影響される。空気の組成は、動物の飼養密度、豚の体格、床、敷料、ふん尿の管理、畜舎設計及び換気システムに影響される」「特に若齢の豚にとって、乾燥しすぎない適切な換気は、豚の効果的な放熱、ふん尿の貯留システムからのものを含む畜舎内の流出ガス(たとえば、アンモニア及び硫化水素)及び塵芥の抑制のために重要である」を加えること。

 

4, 騒音 

「換気扇や給餌機をはじめとする豚舎内外の設備等による騒音は、可能な限り小さ くする。 」は、OIE規約に沿って、「換気扇や給餌機をはじめとする豚舎内外の設備等による騒音は、可能な限り小さ くするため建設、設置、操作及び維持する。」に変更すること。

 

(参考)豚の測定指標

(参考)豚の測定指標は、実施事情として重要であり、参考とすべきではなく、本文に組み込むべき。

1 コメント

  1. 森田優美 2022/06/08

    豚の飼養管理に関する指針(案)

    1 管理方法

    1, 観察・記録

    「豚の健康等の悪化の徴候」に、OIE規約に沿って、突然の不動状態、逃走を試みること、横臥時間の変化、身の寄せ合い、高音での鳴き声と鳴く回数の増加、敵対的行動の増加(攻撃を含む)、常同症行動の増加、その他の異常な行動の増加を加えること。

    「特に、新生子豚、離乳直後の子豚、分娩前後の雌豚、疾病や損傷を受けた豚等がいる場合」に、OIE規約に沿って、新たに混合された未経産雌豚及び成熟雌豚を加えること。

    「観察する際には、豚の健康状態、損傷や跛行の発生状況、尾かじり等の発生が見られないか」に、OIE規約に沿って、異常行動、糞による過度な汚れを加えること。

    「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に問題がないか等」に、OIE規約に沿って、床材、敷料、寝床の表面及び舎外の囲い地は、良好な衛生状態、快適さを確保されているか、過剰な糞の体積がないかを加えること。

    「疾病・事故の発生の有無や発生した場合の状況については、死亡率及び淘汰率並びにその原因(判明している場合)を定期的に(毎日等)記録」に、淘汰の実施者と方法を加えること。

    2, 豚の取扱い

    「手荒な取扱い」に、OIE規約に沿って、蹴られる、投げられる、落とされる、上を歩かれる、1本の前足や耳又は尾をつかまれる又は引っ張られるという具体的な行為を加えること。

    電気突き棒の使用方法に、OIE規約に沿って、体の後部への使用に限定することを加えること。さらに、EUの規制と同じように、電撃は1秒以内にし、後肢の筋肉にのみ限定することを加えること。

    3, 繁殖

    妊娠中の母豚について、カロリーの低い飼料で量を食べさせたり時間のかかる飼料など工夫することで母豚の空腹への配慮をすることを加えること。

    5, 新生子豚の管理

    「去勢、断尾、歯切り等は、飼養管理を円滑にし、人の安全又は豚のアニマルウェル フェアを守ることを目的として行われることがある」という書きぶりでは、OIE規約で意図している内容とズレが生じている。正確にすべき。

    OIE規約に沿って、「去勢、断尾、歯切り等の外科的処置は訓練を積んだ人員のみが実施するものとし、飼養管理を円滑にするため、また市場又は環境の要件を満たすため、人の安全の向上又はアニマルウェルフェアを守るために必要な場合のみ行われるものとする。」とすべき。

    OIE規約に沿って、「これらの処置は痛みを伴う、又は苦痛をもたらす可能性がある。これらの処置は、動物への痛み、苦痛及び苦しみを最低限にする方法で行われるものとする。」を加えること。

    OIE規約に沿って以下を加えること。

    「外科的去勢、断尾、切歯、牙切り、個体標識、鼻輪、蹄の処置等の痛みを伴う又は潜在的に苦痛な処置が豚に行われる。

    ただし、これらの処置が適切に実施されない場合には、アニマルウェルフェア及び動物の健康が不必要に損なわれることもある。

    これらの処置に関連する問題の指標には以下のものがある

    処置後の感染、腫脹
    処置後の跛行
    苦痛、恐怖、苦悩又は苦しみを示す行動
    罹病率、死亡率及び淘汰率の増加
    摂食量及び飲水量の減少
    処置後の体型及び体重減少」
    ア 去勢

    「雄豚を去勢しないで肥育した場合は、肉に異臭(雄特有の臭い)が生ずる。」「このため、食肉に供する雄豚は外科的に去勢することが一般的である。 」は、OIE規約には掲載されておらず、またそもそもアニマルウェルフェアとは無関係の内容であるため、削除すること。性成熟に達する前に屠殺する場合は雄特有の臭いは生じないことと、去勢しないことのほうが自然の作用であるにも関わらず異臭と表現することは恣意的である。

    ウ 歯切り

    歯切りは大中小養豚場を含め多くの農場が、歯切りをやめても影響がなかったとして歯切りを廃止している。事故の”防止”のために一律で行ってはならない。原則的に歯切りは行わないこと、問題が発生した場合にのみ、個別に歯切りを行うこととすべき。

    【実施が推奨される事項】に、去勢・断尾等の外科的処置は麻酔をすることを加えること。

    「歯切りを実施する場合は、子豚が歯肉炎等にならないよう、歯の先端のみを やすり(グラインダー)で研磨したりニッパーで切断する方法とするが、ニッパーで 切断する場合、歯が割れるリスクがあるので注意して行う」は、「歯切りは歯の先端のみにやすりを使うこととする。ニッパーは歯が割れるリスクが伴うため使用しない」とすること。

    6, 離乳

    OIE規約に沿って、「離乳を 4 週齢又はそれ以上に遅らせることは、腸管免疫の向上、下痢の低減、及び抗菌剤の使用の低減等の利益をもたらす可能性がある。」を加えること。

    8, 牙切り

    OIE規約に沿って、「3つのR」の記述を加えること。

    9, 疾病、事故等の措置

    「隔離豚房には給餌器や給水器の他、豚が必要とするものを備える」に、OIE規約に沿って、たとえば、横臥している動物や歩行困難な動物、重大な傷を負った動物には、追加の敷料又は代替の床の表面が必要な場合がある。また、水と飼料が手の届く場所にあるものとすることを加えること。

    「疾病に罹患した豚又は損傷を受けた豚に対しては、可能な限り隔離豚房等に分離」は、OIE規約に沿って、異常な行動をする豚を追加し、また「可能な限り」を削除し、必ず分離するものとすること。

    「自力で動けない場合は、必要な場合を除き、なるべく動かさないようにし、動かす必要がある場合には、細心の注意を払い、損傷等が悪化しないよう注意する。」に、OIE規約(と畜)に沿って、意識のある動物は、投げられたり、引きずられたり、落とされたりしないことを加えること。

    「農場内において豚を殺処分することが決定した場合(家畜伝染病予防法に基づき殺処分を行う場合を除く。)には、「家畜の農場内における殺処分に関する指針」を参照し、適切に実施する。」に、日本で行われていた事例のあるやってはいけない方法を明記し、「首吊りや餓死など不適切な方法での殺処分方法は絶対にしてはならない。また処置後には必ず死亡確認を行うこととする。」を加えること。

    「排せつ物は適切に取り除き、豚にとって快適な環境を提供する」は曖昧であるため、OIE規約に沿って、屋内生産システムの床管理は、豚のウェルフェアに大きな影響を与える可能性がある。床材、敷料、寝床の表面及び舎外の囲い地は、良好な衛生状態、快適さを確保し、疾病と損傷リスクを最小限に抑えるため、このような確証が得られる状況に清掃されるものとすることを加えること。

    12, 管理者等のアニマルウェルフェアへの理解の促進

    「豚の基本的な行動様式や行動欲求、尾かじり等の異常行動、柵かじり・偽咀嚼等の常同行動、豚の快適性を高めるための飼養管理方式、疾病の発生予防等に関する知識、輸送の適合性を評価する知識及びボディコンディションスコア に関する知識を習得する」に、OIE規約に沿って、栄養、繁殖管理技術、バイオセキュリティ、ストレス、痛み、不快等のアニマルウェルフェアの低さの指標及びその緩和を加えること。またOIE規約に沿って、知識だけでなく技術の習得を加えること。

    経営者、従業員、外部作業者が十分なアニマルウェルフェアの手技や指針の内容の習得についてトレーニングを受けることとともに、理解が不足している場合には現場に関わらせないことを加えること。

    2 栄養

    1, 必要栄養量・飲水量

    OIE規約に沿って、以下を加えること。

    「すべての豚は、以下の目的のために、適切な量及び質の飼料及び栄養を毎日提供されるものとする。

    1.健康を維持すること

    2.その生理的要求を満たすこと

    3.飼料探索と採餌行動の要求を満たすこと」

    3, 給餌・給水方法

    【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、飼料探索の行動の推奨を加えること。

    3 豚舎

    OIE規約に沿って、すべての豚がお互いに見え、周りを視覚的に調べ、その他の正常な行動パターンを示し、職員が豚の適切な観察のために必要な十分な光のレベルとする。照明管理は、健康及び行動の問題を防ぐようにするものとし、24時間周期とし、十分に連続した暗い時間と明るい時間(それぞれ6時間以上が好ましい)を含むものとし、人工的な照明源は豚にとって不快にならないような場所に置くものとすることを加えること。

    アニマルウェルフェアの実現のためには自然光が必要であることを加えること。

    4 飼養方式、構造、飼養空間

    1, 飼養方式

    【実施が推奨される事項】 に、「繁殖雌豚は、他の豚と同様に社会的な動物であり、群で生活することを好むことか ら、妊娠した雌豚や未経産雌豚はなるべく群で飼うよう努める」を移動すること。

    【将来的な実施が推奨される事項】 に、「妊娠ストールを廃止し群飼する」を加えること。

    ア 単飼(ストール、囲い・おり)方式

    妊娠期間中のストール飼育ではアニマルウェルフェアを達成することは不可能であることを明記の上、分娩時のストールに限ってのみ詳細を記載するべき。

    「・豚の能力や状態に合わせた個体管理(飼料給与量の調整、発情確認、人工授 精、分娩管理、環境改善等)を行いやすい。」の環境改善は拘束飼育下では難しく削除すること。

    「・行動が制約されることにより、運動不足となり、脚弱となる危険性がある。 」に異常行動なども起こす可能性が高く、精神的苦痛が大きいことを加えること。

    【実施が推奨される事項】の中の「個別のエリアを確保する」を、OIE規約に沿って、「十分な空間が提供されるものとする」に変更すること。

    【実施が推奨される事項】の中の「適切な大きさのストールを用いる」を、OIE規約に沿って、「体の側面を下にして快適に横臥できる適切な大きさのストールを用いる」に変更すること。

    【将来的な実施が推奨される事項】に、「拘束飼育とアニマルウェルフェアは相反するものであるため群飼への切り替えの検討を早急に始めることを加えること。

    イ 群飼方式

    「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステ ム)の開発、研究等が各国で行われている」は、事実に沿って、「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステ ム)の開発、研究を経てすでに日本を含め各国で実用されている」に変更すること。

    ウ 放牧方式

    「・飼料の摂取量等のきめ細やかな個体管理を行うことが難しい」は事実に沿って「・飼料の摂取量等の個体管理を行うために屋外用の「エレクトリックサウフィーディ ングシステム(電子的な識別により、個体ごとに必要な飼料量を給与するシステム)が開発されている」に変更すること。

    2, 床構造等

    OIE規約に沿って、「熱ストレスを防ぐためにスプリンクラー又はミスターが使用される可能性がある状況を除き、すべての生産方式において、豚には、水はけが良く、乾燥した、快適な休息場所が必要である」を加えること。

    【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、糞による過度な汚れが無いよう床の管理をすることを加えること。

    3, 飼養空間

    OIE規約に沿って、第7.13.13条 空間的ゆとりの内容を加えること。

    イ 繁殖雌豚(分娩後や泌乳中の母豚を含む)

    単飼の場合での「生体重 200 ㎏で1頭当たり 1.15 ㎡」だと、OIE規約の

    隣の豚を邪魔することや他の豚によって損傷されることなく、体の側面を下にして快適に横臥する。ただし、給餌のみを目的としたストールの場合はこの限りではない。
    に反する。単飼の場合でもより広い面積が必要である。ゆえに、「群飼方式の場合 は、闘争等が生じることからより広い空間の確保に努める。 」を「単飼方式の場合は豚が隣の豚を邪魔することや他の豚によって損傷されることなく、体の側面を下にして快適に横臥できる空間の確保に務める。また群飼方式の場合 は、闘争等が生じることからより広い空間の確保に努める。 」とすること。

    「群飼方式で飼養する場合は、次の点を考慮する。 」に、OIE規約に沿って、良好な衛生状態、快適さを確保できる敷料管理を加えること。

    5 豚舎の環境

    不足しているため追加

    OIE規約に沿って、第7.13.10条 環境改良を加えること。

    「動物に提供される環境には、正常な行動(たとえば、探索行動、鼻で地面を掘るといった飼料探索、飼料以外のものをかじったり噛むこと、社交的交流)を促進し、異常な行動(たとえば、尾、耳、肢、脇腹へのかみつき、偽咀嚼、鉄柵へのかみつき、無気力な行動)を減らし、身体的・精神的状態を向上させるために、複雑性、操作可能性、認知作用への刺激物が提供されるものとする。

    豚は、物理的及び社会的環境の向上を通じて、豚のウェルフェア向上を目的とした環境改良を提供するものとする。例としては以下のものをあげることができる。

    豚が、飼料(食べられる物質)を探して発見でき、噛みつくことができ(噛める物質)、鼻で地面を掘ることができ(探索可能な物質)、物質をいじることができるような、十分な量の適切な物質。目新しさもまた、提供された物質への興味を保つ上で重要な点である。
    豚をグループ飼いするか、あるいは個飼いの場合は、他の豚と視覚的・嗅覚的・聴覚的に接触できるようにする、といった社会的な環境改良。
    良好な人間との接触(たとえば、機会があるときに、定期的かつ直接の物理的接触を行う。この接触行為は肯定的な出来事を連想させる行為であり、給餌する、なでる、さする、掻く、話しかける、が含まれ得る)。
    動物の状態に基づく基準(又は測定指標):外観(損傷)、行動(常同性、尾のかみつき)、体重及び体型の変化、取扱時の反応、繁殖効率、跛行及び罹病、死亡率及び淘汰率」

    不足しているため追加

    OIE規約に沿って、第7.13.11条 異常行動の防止を加えること。

    豚生産においては、適切な管理手順によって防ぐ又は軽減できる異常行動が多くある。

    これらの問題の多くは多要因によるものであり、発生を軽減するには環境全体やいくつかの管理要因の検査が必要である。これらのいくつかの行動の問題の発生を軽減しうる管理手順には以下のものをあげることができる。

    1) 口を使う常同症(たとえば、棒かじり、偽咀嚼、過剰な飲水)は、環境改良の提供、給餌時間の延長、飼料中の繊維含有量又は飼料探索用の繊維質飼料の増加によって、軽減することができることがある。

    2) 尾の噛みつきは、適切な改良物質及び適切な飼料(ミネラル又は必須アミノ酸の不足を避ける)を提供すること、密飼いや飼料・水の競争を避けることによって軽減できることがある。他の考慮すべき要因には、動物の特性(品種、遺伝、性別)や社会的環境(群の大きさ、混合した動物)、全般的な健康、温度の快適さ及び空気の性状がある。

    3) ベリーノージング(訳注)及び耳なめは、離乳時期を遅らせること、飼料の急激な変化を避けるために離乳前に子豚に飼料を給与することによって軽減できることがある。(訳注):子豚を母豚から早期に離乳することにより発現する問題行動の1つであり、鼻を使い他の子豚の腹部を持ち上げ母豚の乳房を探すような行動。

    4) 外陰部の噛みつきは、飼料及び水を含むリソースの競争を低減し、群れの頭数を減らすことによって軽減できることがある。

    動物の状態に基づく基準(又は測定指標):外観(損傷)、行動(異常行動)、罹病率、死亡率及び淘汰率、繁殖効率、体重及び体型の変化

    1, 熱環境

    「特に新生子豚は、体温調節機能が未発達なため十分な保温対策が必要であり、保温箱、加温器、保温マット等を利用して適切に保温する。」に、OIE規約に沿って、敷料の追加、ランプを加えること。

    「湿度、風速、換気方法、床の構造等の影響も受ける」に、OIE規約に沿って、日射、飼育密度、屋外型システムでの日陰や水たまりの利用可能性等の環境側の要因、品種、週齢、体型等の動物側の要因を加えること。

    【実施が推奨される事項】に高い飼育密度は熱ストレスや湿気によるストレスを受けやすくなるため、空間的ゆとりを持たせることを加えること。

    2, 換気

    OIE規約に沿って、「空気の良好な性状及び換気は、呼吸器の不快、疾病及び異常な行動のリスクを低減するため、豚のウェルフェア及び衛生上重要である。塵、毒素、微生物、有毒ガス(たとえば、動物のふん尿の腐敗によって生ずるアンモニア、硫化水素、メタン)は、屋内型システムでは問題となる」「空気の性状は、舎飼型の管理及び畜舎設計に強く影響される。空気の組成は、動物の飼養密度、豚の体格、床、敷料、ふん尿の管理、畜舎設計及び換気システムに影響される」「特に若齢の豚にとって、乾燥しすぎない適切な換気は、豚の効果的な放熱、ふん尿の貯留システムからのものを含む畜舎内の流出ガス(たとえば、アンモニア及び硫化水素)及び塵芥の抑制のために重要である」を加えること。

    4, 騒音

    「換気扇や給餌機をはじめとする豚舎内外の設備等による騒音は、可能な限り小さ くする。 」は、OIE規約に沿って、「換気扇や給餌機をはじめとする豚舎内外の設備等による騒音は、可能な限り小さ くするため建設、設置、操作及び維持する。」に変更すること。

    (参考)豚の測定指標

    (参考)豚の測定指標は、実施事情として重要であり、参考とすべきではなく、本文に組み込むべき。

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