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農林水産省は事実を正確に伝えているのか?

2020年12月21日、吉川貴盛元農林水産大臣が議員を辞職するむねを公表し、22日には大島理森衆院議長に辞職願を提出し受理されたと報じられました。折しも大島理森衆院議長も文春にアキタフーズとの関わりがあったと名指しされた議員であり、きれいな政治というのはないのかもしれないと感じてしまう一幕です。

不正な金を受け取った政治家が糾弾される一方で、不正な金を渡した代表者が所属していた法人は個人のやったことだということで逃げられるのかとおもうと、不思議な社会だと感じます。アニマルウェルフェアの向上を阻むということは、わたしたち社会の持続可能性に係る課題であり、人々の命にも関わってくる課題です。また日本の経済にも関わるでしょう。もちろん生産者自身の将来性にも関わります。直接的で短期的なものの見方しかしなければ、彼らが阻害しようと躍起になっていたことの悪質さは見逃されるでしょう。

農林水産省はどうでしょうか。野党議員からの追求の矢面に立っているのは農林水産省の職員です。政治が国民の信頼から離れてしまっている以上に、農林水産省職員の信頼はこの数週間で失われていったのではないでしょうか。

しかしそれでも、アニマルウェルフェアという多くの人がその深淵を知らない中では、農林水産省の言い訳はある程度成り立ってしまっています。わたしたちから見ると、おかしなことも、ゆるりとかわされてしまっているようです。このような場、立場では、小さな嘘や誤りであっても、ダメなのではないでしょうか。

わたしたちはひとつの嘘が気になりました。

直接の利害関係者がこれまでも臨時委員になった は嘘

OIE連絡協議会には常任の委員と、その時時で加わる臨時委員がいます。そこにこの採卵鶏のアニマルウェルフェアコード2次案検討の際に2つの養鶏場の代表者と1つの養鶏コンサルティング企業が入りました。1次案の検討時にはいなかったメンバーです。

いずれもアニマルウェルフェアに精通しているとされる人ではなく、アニマルウェルフェアを抑え込む立場で発言をする現状維持派です。アニマルウェルフェアに精通していればなんらか改善をしていかなくてはならないことがわかっているはずですし、科学ベースで出されたOIEのドラフト案にまっこうから対立する立場を取ることは考えにくいのです。

農林水産省はアキタフーズが入ったことを「日本養鶏協会の推薦で入れた」と説明しました。もしそれが本当なら、日本養鶏協会は秋田氏を代表させるほどアニマルウェルフェアに後ろ向きで平飼いを否定する立場であるということなのでしょう。

農林水産省は過去のブロイラーのアニマルウェルフェアの検討時には、「ブロイラーの会社の社長」が臨時委員になったと述べました。しかし、株式会社イシイの社長は国内のアニマルウェルフェアの牽引者であり、過去には農林水産省職員とともに海外にアニマルウェルフェア視察をしたりもしています。アニマルウェルフェアについて講演されることも多い人物です。さらに、ブロイラーの会社というのは正確ではない「ブロイラー雛の生産・販売」の企業であり、肉用鶏ではなく、種鶏と孵卵の企業です。アキタフーズのような現状維持を目的に入ってくる直接の利害関係者とは異なる立場であることは、アニマルウェルフェアに詳しい日本に住む人であれば誰もがわかることです。アニマルライツセンターとて、株式会社イシイ社長が臨時委員であることになんら違和感を感じません。アニマルウェルフェアの知識をもって、その意義もわかっている人物であることは、彼の長期に渡るブログを見ればわかることです。多少の肉用鶏飼育もしているようですが、ビジネスの中心ではないでしょう。サイトには動物福祉のために「動物実験をしていません」とも書かれている動物福祉への意識が高い企業です。

株式会社イシイの社長が出席している回にはブロイラーのアニマルウェルフェアが議題に上がっていない回も2回もあります。逆にブロイラーのアニマルウェルフェアが議題になった回に出席していなかったこともあります。

農水省の答弁は、国会議員方がこのイシイを知らないことを知った上でか、アキタと同じような利害関係者のように思わせていて、卑怯でした。

小さなズレかもしれませんが、こういったひとつひとつが、政府の信頼を損ねているのだと、認識して欲しいと思います。

アニマルウェルフェアをしっかり理解して・・・

アキタフーズは、世界に日本のアニマルウェルフェアが低い畜産を容認させることを目的に議論に加わっています。日本が対応できないことを述べることはヒアリング対象として誤りではないと思いますが(誰もが知っているので必要はありませんが)、間違ってはいけないのはOIEは世界のアニマルウェルフェアを上げていこうとしているということです。
ワンヘルスのために。防疫のために。人の健康や安全のために、持続可能性のために、です。

日本の畜産は遅れていて、日本はアニマルウェルフェアについて、他国に教えてもらう立場にあります。研究自体も遅れていますし、大規模なケージフリー養鶏の事例も科学的な研究ができるほど事例がありません。また取り組み始めた養鶏場は、コンサルタントを入れてもなお、トレーニングや知識を得ながら試行錯誤している段階にあり、意見できるほどの知見が溜まっていない段階にある養鶏場が多いのです。

一方で小規模なケージフリー養鶏は”自然養鶏”などのワードで知見が溜まっています。

アニマルウェルフェア は科学であり科学は地域で変わるものではありません。日本で主に飼育される鶏はほぼ外国の鳥であり、ほんの少し別の血を加えたところで同じ動物種です。習性や必要とする行動、ましてや太陽の光や運動が必要なことなどは変わるはずもないし、鶏にはケージではなく地面やとまり木が必要なことも変わらないのです。
こんなに当たり前で自然なことを欧米は真面目に一つ一つ証明してきたのです。これを覆すことはできません。

政府は、このような日本の現状、そしてアニマルウェルフェアについてを、正確に把握しておくべきです。

そして公正に発言ができる人を委員として任命すべきです。

なお、追求を受けている課長職にある方々は、不正が行われたとされる当時は別の仕事をしていた方々です。養鶏協会のイベントなどにも出席されている当時の責任者にも、ちゃんと前に出てきてもらいたいものです。

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