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ケージで飼育される鶏はそうでない鶏より5倍骨折しやすい

アニマルライツセンターが保護した日本国内の採卵鶏も、診断の結果すべて複数箇所骨折していました。
採卵鶏の骨の弱さの主たる原因は骨粗鬆症で、これが元となり鶏は骨折しやすくなっています。

鶏卵の大量生産を目的として行われた近代の品種改変が、骨粗鬆症悪化の原因となっています。現代の鶏の野生の祖先であるセキショクヤケイ(Red junglefowl)は年間20個ほどしか卵を産みません。しかし家畜化された採卵鶏は300個以上産むように品種改変されています。採卵鶏が卵を産むために必要とするカルシウムの量は、採卵鶏が体内に蓄えるカルシウムの量の約30倍を上回ります。
骨粗鬆症はケージシステムによる活動制限、運動不足でさらに悪化します。

狭いケージの中で仲間の上に折り重なり不自然な動きを強いられたり、物音に驚いて羽ばたくと羽は金網にぶち当たるなどの他に、屠殺場へ出荷される際の作業員の乱暴な扱いで骨折することもあります。

当然、骨折には激しい痛みを伴います。
私達が保護した鶏たちも新しい骨折の周辺は内出血が広がっていました。人間と変わらないのです。

エビデンス

バタリーケージで飼育される鶏はその他のシステムで飼育される鶏より5倍骨折している

オーストラリア ビクトリア州が2017年10月13日に発表したレポート1(ブリストル大学の国際的な専門家によって執筆)によると、

骨は、その構造的強度を維持するために体重を負う必要があります。運動が制限されることが特に深刻である従来のケージ(バタリーケージ)では、骨強度が著しく低下し、特に屠殺時には鳥が脚と翼の骨折を受けやすい(Sherwin et al。、2010)。実際、屠殺時の骨折は、従来型(バタリー)ケージの鶏では他のシステムよりも5倍近く起きることを示した。

骨折率の高さは容認できないレベル

2010年のイギリス政府の報告では、採卵鶏の骨折率の高さは容認できないレベルに達しています。
イギリス政府の諮問委員会の報告書2には

  • 採卵鶏の屠殺後、ほとんどの鶏で骨折が検出され、それらは「飼養期間中」に生じた古い骨折と、「輸送」や「屠殺時」に生じた新しい骨折に分けられる。
  • 産卵鶏における骨の弱さは、主に骨粗鬆症に起因する。
  • 骨の脆弱化は、卵の殻を形成するためにカルシウムが使用されることで増加し、運動することで減少する。採卵鶏はあるいたり飛んだり羽ばたいたりなどの運動をすることで利益を得るのだ。骨の脆弱化や骨折の発生は、遺伝的系統や飼育環境が影響し、産卵数の高い鶏において悪化する。
  • かなりの数の採卵鶏が骨折の痛みにさらされている。

と書かれています。

1 http://agriculture.vic.gov.au/__data/assets/pdf_file/0019/370126/Farmed-Bird-Welfare-Science-Review-Oct-2017.pdf

2 *1 Opinion on Osteoporosis and Bone Fractures in Laying Hens
December 2010 Farm Animal Welfare Council
http://edepot.wur.nl/161696
Anna Shipov, Amnon Sharir, Elazar Zelzer, Joshua Milgram, Efrat Monsonego‐Ornan, and Ron Shahar. 2010. The influence of severe prolonged exercise restriction on the mechanical and structural properties of bone in an avian model. The Veterinary Journal 183:153–160

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