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豚の屠殺方法 電気スタニングか、ガススタニングか・・・

現在日本の屠殺場の多くは、ブタを輸送し、係留所に留め置いた後、一群づつ屠殺に追い込んでいき、電気スタニングで失神させ、胸のあたりに切込みを入れ、足を釣り上げて逆さ吊りにして失血死させる方法を取っている。

しかし、EUなどではガススタニングが多く、また日本でも東京品川にある屠殺場(東京都中央卸売市場食肉市場)が二酸化炭素によって失神させ、その後釣り上げて胸に切込みを入れ失血死させる方法を取っている。

どちらがベターな屠殺方法と言えるのか・・・

鶏の場合、ガススタニングのほうが鶏にとってより安楽であることが研究によって裏付けられており、世界中が移行を進めているところである(日本を除いて)。2018年5月にはEUが低気圧耐性による方法を公式に規制に書き込んだところだ*1。

しかし豚はどうか。

OIE(世界保健機関)も「高濃度の二酸化炭素の吸入は嫌悪刺激があり、動物を苦しませるおそれがある。」OIE陸生動物衛生法(第7.5.7.4条)としており、ガススタニングを研究中にとどめている。英国政府の動物福祉に関する諮問機関であるthe Farm Animal Welfare Committeeは2003年に二酸化炭素充填によるスタニングは5年以内に段階的に廃止されるべきだという推奨を出している。EFSA(欧州食品安全委員会)も、2004年に、豚の二酸化炭素によるスタニングを苦痛や恐怖を伴うものとし、嫌悪を伴わない人道ガス混合物の研究が優先課題であることを示している*3。2017年にはEFSAとHuman Slughter Associationがこの研究に補助金を出しているところだ*4。

つまり、二酸化炭素によるガススタニング、または二酸化炭素による屠殺は、人道的と言える段階ではないということだ。

チャンバーの中で何が起きるのか

追い込まれ、数頭~10頭程度が二酸化炭素を暴露するためのチャンバーに入れられる。

扉が閉まり、チャンバーが動き、二酸化炭素が充填されるが、すぐには失神しない。

研究では、80-90%の二酸化炭素の中に降ろされた、豚が意識を失うために吸入開始後30〜60秒かかる*5。

二酸化炭素は、豚にとても強く嫌悪感をもたらす。二酸化炭素を吸入すると、粘液膜の刺激により急性呼吸困難が起こり*6 *7、呼吸困難は、過呼吸、息切れ、喘ぎ、窒息を引き起こす*8 *9 。デンマークとスペインの共同研究者らは、以下のように結論づけている。

「動物が意識がある中でこれらの行動が起こるという事実は、二酸化炭素麻酔への誘導が即時ではないという証拠である。豚は恐怖、痛み、および/またはガスに暴露された際のストレスに苦しんでいる」*10

外から見ているだけの人間にとって、チャンバーに追い込むだけという作業は気持ちが楽だ。しかし、中を見てみるのと理解は早いだろう。

2015年 フランス

2015年 オーストラリア

Pig Truth from Animal Rights on Vimeo. ※この調査の後、オーストラリア ヴィクトリア州の屠殺場が屠殺を一時中止した。*11

 

鶏の屠殺方法を、ガスに変えることをアニマルライツセンターは求めている。しかし、豚はまだだ。

このような議論は「安楽な屠殺はない」という一言で終わらせることも可能だ。アニマルライツセンターも「安楽な屠殺はない」という主張をしている。しかし、それで終わらせることは、「明日、苦しむ動物を見捨てる」、そう宣言しているに過ぎず、動物はただ苦しみ続けることになる。

冷静で、客観的な議論を望む。

 

写真:L214
参照:
*1 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32018R0723&from=EN
*2 https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/325241/FAWC_report_on_the_welfare_of_farmed_animals_at_slaughter_or_killing_part_one_red_meat_animals.pdf
*3 https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/45
*4 http://www.npa-uk.org.uk/Defra_and_HSA_to_fund_research_into_pig_stunning_methods.html
*5 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22436284 Stunning pigs with nitrogen and carbon dioxide mixtures: effects on animal welfare and meat quality. Llonch P1, Rodríguez P, Gispert M, Dalmau A, Manteca X, Velarde A.
*6  http://lwcc.instantbusiness.co.za/Portals/306/News/Articles/WELFARE%20IMPLICATIONS%20OF%20THE%20GAS%20STUNNING.pdf Raj ABM and Gregory NG. 1996. Welfare implications of the gas stunning of pigs 2. Stress of induction of anesthesia. Animal
Welfare 5:71-78.
*7  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8120581 Peppel P and Anton F. 1993. Responses of rat medullary dorsal horn neurons following intranasal noxious chemical stimulation:
effects of stimulus, intensity, duration, and interstimulus interval. Journal of neurophysiology 70
*8 https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/45 Opinion of the Scientific Panel on Animal Health and Welfare on a request from the Commission related to welfare aspects of the main systems of stunning and killing the main commercial species of animals. 2004. The EFSA Journal 45
*9 https://www.ingentaconnect.com/contentone/ufaw/aw/2008/00000017/00000004/art00002 Rodriquez P, Dalmau A, Ruiz-de-la-Torre JL, Manteca X, Jensen EW, Rodriguez B, Litvan H, and Velarde A. 2008. Assessment of unconsciousness during carbon dioxide stunning in pigs. Animal Welfare 17
*10  https://www.researchgate.net/publication/230701076_Assessment_of_unconsciousness_during_carbon_dioxide_stunning_in_pigs Rodríguez P, Dalmau A, Ruiz-de-la-Torre JL, et al. 2008. Assessment of unconsciousness during carbon dioxide stunning in pigs.
Animal Welfare 17
*11 https://www.theaustralian.com.au/news/latest-news/activists-removed-from-victorian-abattoir/news-story/2a40e6dd322998ee510c63097ab4ec61

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