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動物性食品を食べないほうが健康効果が高い

私たちの食卓に並ぶ畜産物がどのように生産されているかを知って畜産物を食べたくないと考える人が増えてきていますが、実際に肉食をやめると栄養が不足するのではないかという不安で、肉食を続けている人もいるようです。

日本では肉は必須栄養素という考えが残っていますが、実はそのような考えに科学的根拠はなく、実際にはむしろ食べないほうが健康効果が高いのとされています。

医学博士である蒲原聖可氏の「ベジタリアンの医学」には、栄養学上、肉を食べないでも大丈夫なのかどうかがわかりやすく書かれています。

2003年、アメリカとカナダの栄養士会がベジタリアンについてのガイドラインを作成 「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」(37ページ)

「野菜だけだとたんぱく質不足になりますよね?」というまったくの知識不足に基づく疑問を聞くこともあります。 現在専門家の間では「多種類の植物性食品をバランスよく摂取すれば、植物性たんぱく質は、たんぱく質の所要量および必要なエネルギー量を満たす」というコンセンサスが得られています。しかしいまだに一般書の中には「菜食主義者の食事では必須アミノ酸が足らない」「ベジタリアンはたんぱく質不足になる」という誤った記載が認められます。(106ページ)

近年、医科学研究者の間において、ベジタリアニズムへの関心が高まってきました。25年以上前に論文の主要なテーマは「ベジタリアンは栄養学的に適切かどうか」と疑問でしたが、現在は「疾病の予防や治療におけるベジタリアン食の利用」というテーマになっています。(185ページ)

「ベジタリアンの医学」より抜粋

 

「ベジタリアンの医学」には、他にも、糖尿病、ガン、心臓病、痴呆予防と治療にいかにベジタリアンが有効であるか、子供がベジタリアンで大丈夫なのかどうか(大丈夫です)など、さまざまな角度からベジタリアンについて書かれてあります。

「ベジタリアンの医学」
著者 蒲原聖可氏
購入はこちらから
http://www.arcj.org/animalrights/book/chikusan/

 

肉を食べないと命に関わると考えていた人にとっては信じられないような話かもしれませんが、肉を食べないほうが健康的に長生きできる、という調査報告が近年増えています。

赤肉食べると若死にするリスク高まる

米ハーバード大学で男性3万7698人、女性8万3644人を、それぞれ22年と28年間にわたって追跡調査したデータを分析。トランプ1箱ほどの量の赤肉(牛や豚肉など)をほぼ毎日食べていた人は、あまり肉を食べていなかった人よりも平均で13%死亡リスクが高かった。さらにソーセージやベーコンなど、加工された肉を食べていた人の死亡リスクは20%に跳ね上がった。
赤肉食べると若死にするリスク高まる、米研究 2012年3月13日 10:59 発信地:ワシントンD.C./米国

肉食多いと結腸がんリスク高まることが明らかに

肉食と大腸ガン発症率に相関があるというのは、すでに広く認知されていますが、結腸がんについても、日本で同様の研究結果が出ています。
“牛肉・豚肉、鶏肉などを毎日100グラム以上食べる男性は、それ未満の男性に比べて大腸がんの一つの結腸がんの発症リスクが44%増える。女性では牛肉・豚肉を同80グラム以上食べる人で結腸がんリスクが48%高まった。”
肉食多いと結腸がんリスク高く 男性発症44%増 国立がんセンター2011/11/28付

「プラントベース(植物性食品中心)でホールフード(未精製・未加工)の食事をすべきである」

40年以上第一線で活躍した栄養学の世界的権威、コリン・キャンベル氏(コーネル大学の栄養生化学部名誉教授)は、6500人に対して20年以上行った疫学調査(チャイナ・プロジェクト)の結果、「摂取する動物性食品の割合が少なければ少ないほど、健康効果が高い」と発表しています。
彼は「プラントベース(植物性食品中心)でホールフード(未精製・未加工)の食事をすべきであり精製食品をとったり、塩や脂肪を加えるときは最低限の量にすべき」だといい「すべての動物性食品を避けるよう努めること」とアドバイスしています。彼自身、妻と子どもも完全菜食者になっています。

ベジタリアンは長生きで、病気のリスクが低い

ベジタリアンの食事は、米国保健省と農務省が95年に発表した栄養ガイドラインに沿っていると是認されました。
さらに、数百の論文によると、ベジタリアンの寿命は肉食者に比べ3~7年長く、各死因すべてで死亡率が低いのです。
4万7000人のベジタリアンを追跡した米国の研究でも、ベジタリアンはそうでない人より男性で7.3年、女性で4.4年長生きしました。イギリスのベジタリアン4000人を7年追跡した調査の結果でも、総死亡率は肉食者の半分でした。
日本のベジタリアングループでも、倉恒元九州大学医学部教授が長年追跡した調査があります。結果は平均的な日本人に比べて総死亡率は25%減、がんリスクは半分、脳卒中のリスクも4割でした。
(2014.7月「食べもの通信」より引用)

ベジタリアンダイエットに関する前向き研究では、ビーガン、ベジタリアン、ペスカタリアン(魚介類の肉は食べる人)、セミベジタリアン(ほとんど肉を食べない人)の人々の総死亡リスクは肉を食べる人より12%低かった。
Orlich MJ ingh PN Sabaté J et al. Vegetarian dietary patterns and mortality in Adventist Health Study 2.JAMA Intern Med. 2013; 173: 1230-1238

動物性たんぱく質は死亡リスクとも関連

2020年7月に発表された論文は、16年間で416,104人のアメリカ人を対象としたコホート研究の結果、動物性タンパク質を、わずか3%を植物性タンパク質におきかえるだけで、死亡リスクが男女とも10%減少。(心血管疾患は男性で11%、女性で12%減少)、特に卵を植物性タンパク質に置き換えると、男性では24%、女性では21%、死亡リスクが低いことがわかりました22
 

平均して、肉を定期的に(週に3回以上)摂取したと報告した参加者は、肉をあまり定期的に摂取しなかった参加者よりも健康上の有害な影響が多い

2021年3月に発表された研究は、474,985人の中年の英国人の健康記録の分析に基づいています。研究者らは、入院に関する医療記録からの情報と、平均8年間の死亡率データを使用して、食事について提供された詳細を調べました。この研究は次のように結論付けています。「未加工の赤肉と加工肉を組み合わせた摂取量が多いと、虚血性心疾患、肺炎、憩室症、結腸ポリープ、糖尿病のリスクが高くなります。家禽肉の摂取量が多いと、胃食道逆流症、胃炎と十二指腸炎、憩室症、胆嚢疾患、糖尿病のリスクが高くなります。」
Eating meat ‘raises risk of heart disease, diabetes and pneumonia’ UK researchers find link between regular meat intake and nine non-cancerous illnesses


都市伝説 という言葉は、「口承される噂話のうち現代発祥のもので、根拠が曖昧・不明であるもの」です。
「肉を食べないと栄養不足になる」というのはまさに都市伝説のたぐいで、根拠のあるものではないようです。

まずは週一日から、ミートフリーマンデー、試してみませんか?

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