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動物のための現実的な運動をするために

アニマルウェルフェア運動には2つの視点があります。ひとつは、どうしたら動物の苦しみを減らせるか、もうひとつはどうしたら問題を知らせることができるか。

動物の問題というと、畜産や衣類、実験動物、イベントや神事、娯楽に利用されるもの、魚や野生動物など幅広い分野がありますが、どの分野にアニマルウェルフェアで取り組むべきかの判断基準は「一般的な理解が得られるか否か」が大きいとおもわれます。

例えば毛皮問題は必要性の低さと生産過程の残酷さから一般市民からの理解を得てきました。もちろん毛皮問題もすぐに解決できるものではありませんが、毛皮は啓発すればするほど効果的に削減ができる分野だとは言えます。だとすると、活動の力の配分としては、今はそれほど重点をおかなくてもよいということに判断できるのです。

また、カエルを串刺しにするなど、一般常識からかけ離れた神事が、いかにアニマルウェルフェアを実現しようとも容認できるものではありません。意味のない悪い慣習と食用動物の問題を同じ観点から批判することも不見当で、これに膨大な時間を費やすことはできません。
社会運動の世界では、限られた時間とお金と労力をどこにどう使うかのセンスが求められるといいます。その観点から毛皮や神事の動物犠牲よりも、畜産問題を活動の中心にとらえることは必要な判断なのです。目の前にいる動物の苦しみを今すぐになくしたい気持ちがあっても、動物問題が単純ではない事実も受け止めなくてはなりません。

運動は本質を踏まえて考えることも重要です。本質にも2つの視点があるとおもいます。ひとつは人間が動物を利用しなければそもそも苦しみは発生しないという動物目線のものの見方。もうひとつはそもそも社会が道徳的に成熟していないことを問題視する人間目線の捉え方です。

動物のための運動における理想と現実を踏まえた、長期的視点から今何に力を入れるべきなのかを冷静に判断しなくては、動物の苦しみをなくしていくことはできません。
この社会は動物の苦しみにとても鈍感なので、まずは最低限耳を傾けてもらうこと、そして動物が苦しんでいることを知ってもらうこと。

アニマルウェルフェア運動は本質的な運動へのの「きっかけづくり」「雰囲気づくり」「道づくり」であり、動物問題に向き合ってもらうための「姿勢を整える運動」とも言えます。その意味で、きわめて現実的な運動だといえるのです。

あなたも一緒に、動物たちの苦しみを効果的に無くしていく社会運動に加わりませんか?

あなたにしかできないこと

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