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カナダ:畜産動物のための緊急事態への備え 日本語訳

農林水産省も畜産動物の災害対策に関する通知やマニュアルを出しているが、よりわかりやすく詳細な情報を載せているカナダのガイドラインを翻訳した。ぜひ参考に、災害に備え、動物の犠牲、苦しみを減らしてほしい。

原文:https://www.getprepared.gc.ca/cnt/rsrcs/pblctns/frm-nmls/index-en.aspx
※NPO法人アニマルライツセンター翻訳

畜産動物のための緊急事態への備え

目次

  • はじめに
  • ステップ1:危険要素を学び、備える
    • 敷地内で保護するための計画
    • 安全な場所への避難計画
    • 農場外へ避難する際には
    • 備えよう
  • ステップ2:緊急事態計画を作成する
  • ステップ3:農場非常用キットを準備する

我々のパートナーについて

この小冊子は、Public Safety Canada が、 Agriculture and Agri-Food Canada, Environment Canada, the Canadian Food Inspection Agency, the Canadian Veterinary Medical Association、および各州・準州と共同作業に行って制作しました。この小冊子の電子版は GetPrepared.ca で入手可能です。発行物は通常の紙印刷の形式では入手できないことにご注意ください。

はじめに

 あなたは自分の飼育動物を、納屋の崩壊、極寒の気象、洪水、乾燥、感電といった自然災害による危険要素から守る方法を知っていますか?

 納屋の火事、有害物質の流出、そして自然災害などの緊急事態ではしばしば、農場のペット、家畜、家禽を保護したり、世話をしたり、あるいは輸送するために特別な手段が必要となります。

 あなたの住むエリアにどんな危険要素があるかに関わらず、今すぐに予防措置を講じてあなたの動物、土地・建物、そしてビジネスを守ってください。あなたの獣医から、さらなる情報と援助を得ることができます。

 この小冊子を作った目的は、自然の危険要素による緊急事態の影響により、通常業務が中断してしまうという問題に対処するためです。本冊子は、動物の病気による緊急事態は対象としていません。動物の病気による緊急事態への予防措置、備え、または対応に関する情報は、あなたの獣医に相談するか、州の農業委員会、または地元の Canadian Food Inspection Agency に相談してください。

ステップ1:危険要素を学び、備える

 緊急事態による影響はどこでも同様であることが多いですが、あなたが暮らす地域社会や地方に特有な危険要素を知ることは、より良く備えるのに役立ちます。あなたが家畜と家禽と共に農場内に住んでいる場合には、その地域にある危険要素をわかっていることがさらに重要になります。

所定の場所で保護するための計画

 緊急事態発生中に、あなたが自分の地所に留まる場合は、大きい動物たちを利用可能な避難場所に隔離するか、それとも野外に残したままにするかを判断する必要が生じるでしょう。

 あなたの地所を調査し、動物の避難に最適な場所を探しましょう。洪水の場合に備え、必ず動物が高台にアクセスできるようにしてください。同様に、動物が餌と清潔な水に必ずアクセスできるようにしてください。

 もしあなたの放牧地が次の基準を満たしているならば、あなたの家畜は他の場所へ退避させるよりも放牧地に留まるほうが賢明かもしれません。安全な放牧地とは、

  • その土地原生の樹木種のみ生えていること。外来の樹木は簡単に根こそぎ倒れます。
  • 電線や柱などが頭上を通っていないこと。
  • 瓦礫、または風で吹き飛ぶ瓦礫となる要因がないこと。
  • 有刺鉄線のフェンスがないこと。編み紐ワイヤーのフェンスが最適。
  • 少なくとも1エーカー(0.4ヘクタール)の開けたスペースがあること。それより狭いスペースでは、家畜は風で吹き飛ぶ瓦礫を避けることができない可能性があります。

 あなた自身とあなたの家族用に、少なくとも72時間分(3日分)の充分な食糧および必需品を必ず確保してください。

 もしあなたの地所がこれらの基準を満たさない場合は、あなたの獣医、または地元の緊急事態管理当局からアドバイスに従ってのみ、飼育動物を他の安全な場所へ避難させることを検討してください。

安全な場所への避難計画

  • 地元の緊急事態管理当局と連絡を取り合い、少なくとも2つの避難経路候補に精通してください。あなたの避難計画を、家族と従業員に習熟させてください。
  • あなたの飼育動物を避難させる場所をあらかじめ手配してください。事前に計画を立て、地元共同体と連携し、飼育動物の安全な避難場所(催事会場、他の農場、競技場、展示会会場など)を確立してください。
  • その避難場所にて、十分な飼料と医薬品が必ず利用可能な状態にしてください。
  • 避難勧告が発令されたらすぐに退避できるように備えてください。台風のようにゆっくりと発達する災害の場合、予測される台風上陸時間の少なくとも72時間前には退避するように計画してください。特に、馬運車のような車高の高いトレーラーをけん引する予定の場合は特に注意してください。風が強い場合には、積載重量の重いものを安全に退避させることができない可能性もあります。また、緊急事態の発生後は、道路は救急車両のみに制限され、輸送用途には利用不可となる可能性もあります。
  • 安全な輸送手段を用意してください。各種の動物の輸送には、それに適したトラック、トレーラー、その他の車両が必要になるかもしれません。またそれとともに経験を積んだ飼育者と運転手も必要になるかもしれません。動物の車両への積み上げ、積み下ろしには、携帯用の傾斜台が必要になるかもしれません。
  • 動物の避難場所としての退避先が、催事会場のように一箇所に集まる場所であり、健康状態が不明なよその動物と混じり合う場合、以下のことを試みてください。
    • よその動物とあなたの動物を見分けられるようにするため、必ずあなたの動物に充分な識別手段(例えば、耳タグや焼印)をつけてください。
    • よその地所からの動物とのあなたの動物との接触を最小限にしてください。
    • 餌と水を野生の動物および鳥から守ってください。あなたの動物と混じり合わざるを得ない動物の健康状態とワクチン接種状況を確かめてください。
    • 死亡した動物を取り扱う際には、伝染性の病気の蔓延の可能性を最小限にするようにしてください。
    • 敷地内に避難する場合も、他の場所へ退避する場合も、一日単位で動物の健康状態と福利状態をチェックしてください。動物の病気の疑いが一つでも見つかった場合には、適切な獣医の医療アドバイスとサービスを求めてください。
    • 収容施設には、乳牛のための搾乳設備を備える必要があるかもしれません(場合に応じて)。絞った牛乳は、他の群れの乳牛の牛乳とは別に保管する必要があるかもしれません。牛乳集配会社に、どこで牛乳を受け取れるかを通知しておくべきでしょう。

 他所へ退避する場合も、敷地内に避難する場合も、必ず適切で安全なフェンス、またはおりを使って動物を適切にグループ分けしてください。

農場外へ避難する場合

  • 必ず、農場に供給される電力(通常は農場に入ってくる電柱から供給されます)を停止するようにしてください。

備えよう

  • 全ての動物に、持続性がありかつ視認可能な識別手段を必ずつけ、全ての動物の所有権を確実に証明できるようにしてください。
  • ハリケーンストラップ(訳注:建築物強化用の金属部品)および他の手段で、あなたの家、納屋、野外建築物を強化してください。農場にある全ての道具、建物、設備を定期的に安全点検してください。
  • 可能であれば、有刺鉄線を除去してください。また、動物が洪水の際には高台に移動でき、強風の場合には低地に移動できるように、常設フェンスを新たなルートに作り直すことを考慮してください。
  • 代替となる水源および電力源を見つけてください。発電機、および安全に備蓄された燃料は必需品かもしれません。とりわけ、あなたが搾乳設備、またはそれ以外の電動式の器具を持っており、それが動物の福利に必要な場合には特に必要となります。発電機は、必要なときに必ず動くように、定期的に検査すべきです。
  • 少なくとも1週間はあなたの動物に水を供給できるように、手動式ポンプを備え付け、かつ充分に大きな容器を確保してください。緊急事態の間は、自治体の水供給、および井戸の水が汚染されている可能性があることに注意してください。
  • 地所内の放棄された井戸を正しいやり方でふさいでください。井戸のふさぎ方の正確な手順は、州・準州ごとの規制により様々に異なります。しかし手順に関わらず、意図することは、汚染した井戸水が地下水に入り込むのを防止することです。採収井も、洪水の水から安全であるかどうかチェックすべきです。洪水のあとは、井戸の汚染除去が必要になるかもしれません。
  • 風に吹き飛ぶ瓦礫となり得る全てのものをしっかり固定するか、取り除いてください。トレーラー、プロパンガスのタンク、その他の大きな物体をしっかり固定することを習慣化してください。もし餌用の飼い葉桶、あるいは他の大きな容器を持っているならば、あらゆる強風の事態の前に、それらに水を張ってください。これにより、吹き飛ぶことを防止でき、同時に追加の水資源にもなります。
  • もし赤外線ランプ、あるいは他の電気式機械を使っている場合は、電源コードが安全な状態であり、また全ての熱源のそばに燃えやすい物質がないことを確認してください。
  • 有害な物質にはラベルを貼り、安全な場所に保管してください。地元の火災・救助・緊急事態対策当局に、あなたの地所にある全ての有害物質の保管場所に関する情報を提供してください。
  • 過去に地中に埋めたゴミを除去してください。洪水の際に、有害物質の原因となる可能性があり、穀物、餌の蓄え、水源、そして放牧地を枯渇させてしまう可能性があります。
  • もし洪水が発生する恐れがある場合は、地中に掘った肥溜めや貯水池を、少なくとも半分の量の水あるいは別の液体で満たしておき、上昇する地下水によってそれらの地中の穴が損害が受けたり、”浮き上がってしまう”ことがないようにしてください。
  • 化学物質は、安全な場所、できれば高台の上かつ/または地面から離れた棚の上に保管すべきです。化学物質がこぼれたときにそれが地面に吸収されずに流れ出たり、外部にしみ出たりしないように、このような保管場所は安全保護されるべきです。

ステップ2:緊急事態計画を作成する

  • あなたの地所、家族、動物を守るための緊急事態計画を作成してください。緊急事の連絡先電話番号リストを作成し、従業員、近隣の人々、獣医、中毒事故管理センター、地元の動物保護施設、動物保護管理センター、輸送手段、そして地元のボランティア組織の番号を含めるようにしてください。
  • 自分と同じ緊急事態に影響を受ける見込みのなさそうな地元以外の連絡可能な人物を連絡先リストに含めてください。必ずこのような情報を全て書き留めておき、そして農場にいる全員、およびあなたが連絡可能な人物が、必ずそのコピーを持つようにしてください。
  • あなたが作成した緊急事態計画、備品、情報を定期的に見直し、点検し、そして更新してください。

ステップ3:農場非常用キットを準備する

 農場非常用キットを準備し、非常用品を一箇所で確保できるようにしましょう。そして全員にその場所を知らせましょう。定期的にその内容物を点検し更新してください。キットは、次にあげる品目を含むようにし、必要に応じて独自に変更を加えてください。

  • 現在の全ての飼育動物のリスト。それぞれの動物の所在地、そして給餌、ワクチン接種状況、検査に関する記録を含めてください。農場の様々な場所でこの情報を閲覧可能にしてください。
  • あなたの飼育動物を識別するための臨時の備品。例えば、プラスチック製の首帯と油性マジックなど、あなたの名前、住所、電話番号をあなたの動物にラベル付けできるもの。
  • 基本的な応急手当用品。
  • 動物取扱器具。例えば、端綱、おり、毛布、および各動物に適切な道具類といったもの。緊急時に動物を素早く解放できるように、ボルトクリッパも含めてください。
  • 水、餌、バケツ類。浄化に必要な器具と備品。
  • 緊急事態用品。例えば、携帯電話、懐中電灯、小型ラジオ(ウェザーラジオの周波数受信可能なもの)、および/またはウェザラジオ、そして乾電池といったものです(訳注:ウェザーラジオ=気象情報専門の政府運営ラジオ番組、ウェザラジオ=カナダの気象専門ラジオ番組)。ウェザーラジオの周波数、および地元の気象情報電話の番号を調べておいてください。
  • あなたの車とトレーラー用の安全点検器具、緊急用器具。
  • あなたの家族のための食料、水、非常用品。

 

 緊急事態への備えについてのさらなる情報については、GetPrepared.ca (http://getprepared.ca)を訪問するか、1 800 0-Canada へ電話するか、あるいはツイッター @Get_Prepared で私たちをフォローしてください。

 自然災害、あるいは人為的災害が動物に影響を及ぼす場合の緊急時の対応に関するさらなる情報については、Canadian Veterinary Medical Association のウェブサイト www.canadianveterinarians.net (http://www.canadianveterinarians.net) を訪問してください。

 この小冊子は、Public Safety Canada が、 Agriculture and Agri-Food Canada, Environment Canada, the Canadian Food Inspection Agency, the Canadian Veterinary Medical Association、および各州・準州と共同作業に行って制作しました。

改定日:2015-01-15

 

※アニマルライツセンターが翻訳したものであり、正式な訳では有りません。

※翻訳:アニマルライツセンターボランティアチーム(Ikuro Oshima)

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