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飢餓で苦しむ人たち

この地球上で、食糧が足りず飢餓状態にある人口は、8億7千万人です。実に、8人に一人が餓えている。

日本では実感しにくいこの現状だが、例えば小学校の一クラス20人に置き換えれば、20人のうち2~3人は飢え死にしそうな状態と言うわけだ。

爆発的な人口増加によって、人口は50年前の25億人から、現在は70億人まで増加しました。1年に6千万人が死亡し、1億4千万人が産まれている。そして国連の予測によれば、2050年には91億人に増加する(中位予測)と予測されている。

水や土地などの地球の資源には限りがあるため、人口の増加予測が低くなるのか高くなるのかはさまざまな意見がある。また、社会が発展するにつれ、人口増加率は下がる傾向もある。
けれども、現在の日本やイタリアのように飽食で教育もいきわたっていることで少子化傾向に向かうのではなく、食糧が足りなかったり教育がいきわたっていないにもかかわらず、人口増加率が下がりつつある国もある。その悲劇的な理由は、HIV感染や食糧不足による死亡率の増加による減少なのだ。

飢餓とは?

慢性的な飢餓はなかなか大きく取り上げられることはない。しかし、8億7千万人が飢えと病気に苦しんでいる。

現在、貧困がもっとも多い地域はサブサハラ・アフリカである。

1980年代はじめは、中国の貧困問題が深刻で、中国の貧困人口は6億4800万人であったが、現在は大幅に改善しておよそ2億人にまで減少した。
(とはいえ、中国では国内の穀物生産が人口に追いつかなくなっており、2004年には初めて穀物を輸入国に転じた。このことから考えると、ここまで減少した貧困人口は、逆に今後増加する可能性がある。)

飢餓状態とは、ヨウ素欠乏症などの状態に陥った状態。

飢餓の要因

飢餓とは「食糧不足」によるものだけではない。
では、原因はなにか。
原因は食糧の配分の不公平によるところが大きいのです。食料の絶対的不足が原因ではなく、原因は人間であったり、社会システムであったり、不平等な文化にある。

飢餓状態にある子供の80%は、余剰食糧を生産している国の子供たちだそうだ。輸出用(つまり日本などの先進食糧輸入国)の食糧(たとえば牛などの家畜)を生産している隣で、飢えでものを食べることがままならないという状態で過ごさなくてはならない子供たちが大勢いる。

つまり、食糧支援を行うだけでは、根本的な解決には全く繋がらない。

犠牲になる人々

このような社会システムのひずみの犠牲者は、女性に偏っている。
インドでは、栄養不良の女児は、男児の4倍にもなります。また、発展途上国では25%の男性が貧血症にかかっているが、女性は45%にものぼる。
これは、文化的に男女差別が横行している結果と言えます。日本では男性のほうが労働時間が多いケースが多いのですが、多くの発展途上国では、女性の方が男性より労働時間が圧倒的に多い。女性が農作業・家庭の仕事をこなし、その上男性が先に食糧を手にするという文化である場合が多い。さらには女性は土地を所有する権利がなく、また学校にも行けず、識字率が下がる。
女性をターゲットに援助を行うことで、その子供の栄養状態も向上し、女児が就学できる機会も増加する。

 

女性を援助するメリット

貧困をなくすためには、女性をターゲットに支援を行う必要がある。
1970年から1995年までの栄養不良改善が実現した要因は、女性を教育と地位の向上によるものが半分以上であるとされる。

例えば、収入を女性の手に渡せば、その大部分が家族のため(おもに食糧)に使われるが、男性に渡すと(残念なことに)その一部はタバコや酒といった嗜好品に使われることが往々にある。

女性の貧困問題と教育を特に改善することで得られるメリットは、子供の栄養改善・健康・人口増加の抑制である。
(教育を受けた女性は、多く子供を産むのではなく少ない子供でその子供に十分な教育を受けさせたいと望むという。一方で教育を受けられなかった女性は、働き手となる子供を多く生むことが使命であると考える傾向がある。)

 

食糧は増えるのか

今後、穀物生産量の増加は難しいといわれている。理由は、農地の4割が既に劣化しており、また画期的な食糧増産の研究開発もなかなか見られないからだ。
さらに、穀物作付面積は一時7億3200万haまで増大したものの、2000年には6億5600万haに減少した。それでも世界人口は毎年7600万人(2004年)(1億3300万人が誕生、5700万人が死亡)増加しています。その結果、ここ数年で世界の穀物在庫日数(約65日)が大きく減少し始めている。

穀物生産量は1950年から2000年までに約3倍に伸びた。全体の生産量が3倍にもなっているにもかかわらず、一人当たりの食料生産量は、なんと穀物は11%減少、食肉は15%減少となっている。
この食糧不足に拍車をかけるのが、食肉消費(生産)量の著しい増加です。食肉の消費量は過去50年で2400万トンから6500万トンと約3倍になっています。食肉消費は、穀物の間接消費(人に供給されるべき穀物が牛や豚や鶏などの動物に供給され、その動物を人が食べる)であり、非効率的だ。

アメリカの平均的食生活を基準にすると、この地球は26億人分の食糧しかまかなうことができないといわれています。アメリカ人の穀物消費量の平均は年間800キログラムで、その5分の4以上が間接消費(穀物を一度動物に食べさせ、その動物を食べるという消費方法)である。一方、貧困層の人々の穀物消費量は年間200キログラムに満たない。

 

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