卵 - たまご

鶏への暴力の廃止を 捕鳥作業

2017/02/18

動画は日本の養鶏場で行われている鶏の集荷作業の様子です。
ケージから運搬用ケースに移動され、トラックに積み込まれて鶏の屠殺場(食鳥処理場)へと運ばれます。

卵用に品種改変されてきた採卵用の鶏の「肉」としての価値はとても低くただ同然の値段で取引されます。そのことがこのような無造作で暴力的な扱いの要因の一つかもしれません。


採卵鶏の出荷-補鳥作業(日本)




作業者は羽といわず、足といわず、ところかまわずつかんで運搬ケースに放り込んでいますが、このような鶏の捕まえ方は正しいやり方ではありません。

最良のやり方は翼を閉じたまま体全体を持つというやり方です。この場合も力を入れすぎて捕まえると呼吸器系を圧迫して痛みや苦痛を引き起こすので注意が必要です。また足をつかむべきではありません。180度ほど回転させると骨盤から大腿骨が外れてしまい、痛みを引き起こすからです*。

6 welfare practices to raise poultry processing yields

 

関係機関への要望


養鶏場内で行われている、こういった暴力を防止するため、全国農業協同組合連合会(JA全農)、一般社団法人日本養鶏協会へ、この動画のDVDとともに、下記の協力をお願いしました。

1. 各採卵養鶏場の責任者が集荷作業の監督をするよう努めること
2. 鶏への暴力は、法令や基準などに反する行為であるという認識を深めていただくために、採卵養鶏業者内で下記の法令・基準などを共有すること。
動物の愛護及び管理に関する法律
産業動物も動物の愛護及び管理に関する法律の対象動物であり、みだりに傷つけたり暴力をふるうことは、法律に反する行為となります。例えば本文には下記のような記載があります。

第二条 
動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
第七条 
動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
第四十四条
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
産業動物の飼養及び保管に関する基準
下記のように飼養者の虐待防止義務が定められています。
第3の4項 
管理者及び飼養者は、産業動物の使役等の利用に当たっては、産業動物の安全の保持に努めるとともに、産業動物に対する虐待を防止すること。
OIE(世界動物保健機関)動物福祉基準-陸生動物規約第7.3章
日本はOIEのこの規約に批准しており、国内においても順守が求められています。
本文には「痛みや苦悩の原因となる毛、羽根、足部、首、耳、尾、頭、角、肢のみで動物をつかんだり持ち上げりする行為は、動物福祉や人の安全が損なわれる緊急事態以外は、許可されない。」などの記述があります。

 

OIE(世界動物保健機関)動物福祉基準-陸生動物規約第7.3

(「第7.3.8条 積み込み」の家きんに該当する部分のみ抜粋。翻訳はアニマルライツセンターが独自におこなったもの)
 
第7.3.8条 積み込み
 
1.管轄者による監督
  1. 積み込みは、輸送される動物の福祉を劣悪なものにするおそれがあることから、慎重に計画されるものとする。
  2. 積み込みは、家畜飼養管理者によって監督され、実行されるものとする。動物は、不必要な騒音、いやがらせや暴力を受けることなく、静かに積み込みされるべきである。訓練を受けていないアシスタントや見物人は、その作業を妨げないものとする。
 3.追い立て器具その他の補助器具 
  1. 痛みを伴う手順(鞭打ち、蹴る、尻尾捻り、鼻をつかんで引っ張る、目、耳又は外部生殖器の圧迫を含む)又は痛み及び苦痛を与える追い立て道具やその他の補助道具(大きい棒、先端が鋭利な棒、長い金属の配管、フェンシングワイヤー、重い皮ベルト等)の使用は、動物の移動に使わないこと。
  1. 動物は、痛みや苦悩や肉体的ダメージ(例えば、打ち身、骨折、脱臼)を避ける方法で、つかまれたり持ち上げられること。 四足動物の場合には、人による手動での持ち上げは、若い動物か小型種に限定されるものとし、その種にとって適切なやり方で行われること。痛みや苦悩の原因となる毛、羽根、足部、首、耳、尾、頭、角、肢のみで動物をつかんだり持ち上げりする行為は、動物福祉や人の安全が損なわれる緊急事態以外は、許可されない。 (それをしなければ、アニマルウェルフェア又は人の安全が損なわれる緊急事態の場合を除く)
  2. 意識のある動物は、投げられたり、引きずられたり、落とされたりしないこと。(それをしなければ、アニマルウェルフェア又は人の安全が損なわれる緊急事態の場合を除く)。
 

JA全農、日本養鶏協会からの回答

JA全農 
2016年11月 回答を求めて連絡をしたところ、組合員にこういった内容を指導できる立場ではないため、協力は難しいとのことでした。

日本養鶏協会 
2016年11月 回答を求め連絡をしたところ、「回答を検討中です」とのことで、その後12月に回答をいただきました。
平成28年11月8日付にて、貴センターより頂きましたご要望に関し、紹介のあった映像を見せていただいたところ、「動物の愛護及び管理に関する法律」の第2条第1項、第7条第1項及び第4項、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」の第3の4、OIEのアニマルウェルフェアの基準等も踏まえつつ策定された「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」の第2の1の②の鶏の取扱いに照らせば問題がないとはいえない行為と考えております。
当協会は、アニマルウェルフェアは大変重要で、また慎重な議論を有する事柄であると認識しており、これまで公益社団法人 畜産技術協会において検討が行われた「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の検討にも参加してきたところです。
これまで、養鶏場内で適切に採卵鶏が取り扱われるよう、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」の規定については、従来から関係者への周知に努めているところですが、より一層周知を図っていきたいと考えています。


問題を認識し、畜産技術協会において策定された「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」のより一層の周知を図っていただけるとのことです。
こういった回答をいただけたことをとても心強く思います。しかし「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」はガイドラインに過ぎません。
いっぽうで、「動物の愛護及び管理に関する法律」は、法的な拘束力を持ちます。
日本の畜産動物福祉の向上のために、日本の法律の条文において、明確に、畜産動物も虐待的な扱いから保護される対象になっていることを現場の方たちに認識していただくことは重要です。
「農場内における鶏の殺処分・補鳥作業時の留意事項」資料発送
「平成28年11月8日付にて、貴センターより頂きましたご要望に関し、紹介のあった映像を見せていただいたところ、「動物の愛護及び管理に関する法律」の第2条第1項、第7条第1項及び第4項、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」の第3の4、OIEのアニマルウェルフェアの基準等も踏まえつつ策定された「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」の第2の1の②の鶏の取扱いに照らせば問題がないとはいえない行為と考えております。

当協会は、アニマルウェルフェアは大変重要で、また慎重な議論を有する事柄であると認識しており、これまで公益社団法人 畜産技術協会において検討が行われた「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の検討にも参加してきたところです。
これまで、養鶏場内で適切に採卵鶏が取り扱われるよう、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針」の規定については、従来から関係者への周知に努めているところですが、より一層周知を図っていきたいと考えています。」

問題を認識し、畜産技術協会において策定された「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」のより一層の周知を図るという回答を心強く思います。しかし同飼養管理指針」はガイドラインに過ぎません。

いっぽうで、「動物の愛護及び管理に関する法律」は、法的な拘束力を持ちます。
日本の畜産動物福祉を向上させるためには、日本の法律の条文において、明確に、畜産動物も虐待的な扱いから保護される対象になっていることを現場の方たちに周知することも、とても重要です。

「農場内における鶏の殺処分・補鳥作業時の留意事項」資料発送

2017年2月18日、畜産動物にかかわる法律や国内外の基準、殺処分方法についての科学的知見等を中心にまとめた資料を、日本養鶏協会に提出しました。
この資料では捕鳥だけでなく殺処分の問題についても取り上げました。
2015年から2017年にかけて、農場内で鶏を殺処分する際に、一部で焼却死、溺死、窒息死などの方法が行われていることが、養鶏関係者から当法人への通報で明らかになったためです。

同協会には、会員内で配布するなどの方法で、この資料を共有していただけるようとお願いしています。
追記
その後、一般社団法人日本養鶏協会に面会し、ケージから運搬ケースへ鶏を移動させる際の叩きつけるような暴力的な方法だけでなく、運搬ケースの乱雑な扱いにより鶏の足がちぎれたり首が挟まって死亡したりしている例を示し、出荷から食鳥処理場へ到着するまでの鶏の扱いについて問題提起しました。
日本養鶏協会からは当協会の会員である出荷業者と、話合う旨を約束していただきました。




採卵用の鶏は集荷の時だけではなく、食鳥処理場(鶏の屠殺場)についてからも苦しみます。

採卵鶏の最期 - 喉が渇いても水をもらえない。
http://www.hopeforanimals.org/animals/slaughter/00/id=368



 

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