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国連環境計画「温室効果ガス削減目標(NDC)には、持続可能な食品システムへの移行が重要」

2020年9月1日、国連環境計画(UNEP)、WWFEATClimate Focusはレポート「意思決定者のための食品システムでNDCを強化する( ENHANCING NDCS FOR FOOD SYSTEMS RECOMMENDATIONS FOR DECISION-MAKERS 」を発表しました。

このレポートは、持続可能な食料システムへの移行をすることで、2015年のパリ協定に基づく国別対策貢献(NDC)を高めるよう、政策立案者にガイダンスを提供することを目的とされたものです。

NDC

2020年以降の温室効果ガス(GHG)排出削減等のための新たな国際枠組みであるパリ協定は、協定第2条(目的)に世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することを明記しています。その目的を達成するために、協定はその第4条(緩和)にて国内措置(削減目標・行動)をとることを各国に求めています。
NDCとは、協定第4条に基づく自国が決定するGHG削減目標と、目標達成の為の緩和努力のことを指します。

引用元:小泉進次郎氏ブログ「パリ協定NDC(国が決定する貢献)の提出について」

レポートには、食品システムにおいて温室効果ガスを削減できるものとして、土地利用の変更を減少させる、肥料の改善、食品および農業廃棄物の削減など多くの項目があげられていますが、それらの中に次の記載があります。

*Gt=10億トン e=二酸化炭素換算

排出量の多い食品の消費を減らす

健康的な食事に移行することで、土地からの排出量を年間0.7〜8 Gt CO2e削減できます。

健康的な食生活に移行することで、土地部門からの排出量を世界的に年間0.7〜8 Gt CO2e削減できます。
全世界の人口の半分が、1日あたりの肉たんぱく質を60gに制限されれば、GHG排出量を毎年2.2 Gt CO2e削減することができます。

より健康な社会は、保健システムへの圧力を減らします。研究を支援することで、代替肉の開発を加速することができます。

健康的で持続可能な食品の消費を増やす

健康的な食生活に移行することで、世界の陸上部門からの排出量を年間0.7〜8 Gt CO2e削減できます。
その食事は、粗粒、豆類、果物、野菜、ナッツ類、種子を多く含み、エネルギー消費型の動物由来食品を少なくする必要があります。

健康的な食事への移行は、医療システムへの圧力が低下するにつれて、経済的および社会的に大きなメリットをもたらします。
食生活の変化による年間の経済的利益は、2030年までに1兆2,85兆ドル、2050年までに1兆9,200兆ドルになると推定されています。

レポートは「食糧生産レベルの対策により、全体の排出量を年間7.2Gt CO2e削減できます。また、食物の損失と廃棄物の削減、持続可能で健康的な食事への移行などの措置により、排出量を年間1.8Gt CO2e削減でき、2050年に1.5°Cの目標を達成するために必要な地球規模の緩和の約20%に貢献します。」「ほとんどの国では、食料システムの変化を通じて気候変動の緩和と適応に貢献する大きな可能性があります。」としています。

食品システムを改善すると、大きな効果が見込めることがわかります。

しかしながら多くの国のNDCは、全体的で広範囲の目標をかかげてはいるものの具体性に欠けているとレポートは言います。
「先進国は農業をGHG排出源として認識していますが、持続可能な(農業)生産、食糧の損失と廃棄物の削減、持続可能な食生活への移行など、個々について排出量緩和の機会を提供していません」

日本も同じです。

2020年3月30日に、日本のNDCが国連気候変動枠組条約事務局に提出されましたが、食品システムにおける排出量緩和については言及されていません。

環境省 令和2年3月30日「日本のNDC(国が決定する貢献)」の地球温暖化対策推進本部決定について

日本の提出したNDC Submission of Japan’s Nationally Determined Contribution(NDC)

しかしこのレポートは食品システムにおける排出量緩和の取り組みが、とても重要であることが示されています。

EATの創設者であり、エグゼクティブチェアであるGunhild Stordalen博士はこう言っています。

「再生可能で炭素を吸収する生産への移行と、手頃な価格で利用可能な健康な主に植物ベースの食事の採用、および食品の廃棄物と損失を半減することは、国のNDCに含めて統合する必要がある重要なアクションです」

国連環境計画(UNEP)の事務局長であるInger Andersen氏はこう言っています。

「パンデミックは、複雑なバリューチェーンから生態系への影響まで、食料供給システムの脆弱性を露呈しています。 しかし、それはまた、企業や人々がより良い復興の準備ができていることを示しています。 この危機は、食料の生産と消費の方法を根本的に再考する機会を私たちに提供します。 たとえば、食品廃棄物を半減し、より植物に富んだ食事へのシフトを促進することにより、消費の方向を変えることも、活用する強力な気候緩和ツールです。 この機会をつかみ、持続可能な食料システムをグリーンリカバリー*の中心に置くのは私たち次第です。」

*グリーンリカバリー ポストコロナの経済復興に環境問題も課題として盛り込み、一緒に解決してしまおうという取り組み

Climate Focusの共同創設者兼ディレクターであるCharlotte Streck氏はこう言っています。

過剰な肉の消費をなくし、貯蔵施設を改善し、食品廃棄物を減らすことは、私たちの健康に役立ち、食品の安全性を向上させます。」

今回のレポートで提示された食品システムからの排出量削減のアプローチには様々なものがありますが、その中でも「肉を減らす」というのは食卓の上から誰でも簡単にできることです。地球に貢献できるだけでなく自分の健康にもつながり、監禁され殺される動物の数を減らすことにもつながります。

ぜひ皆さんも取り組んでみてください。

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