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ケージフリー企業を育成しよう 誰でもできる市場調査のススメ

昨年は、世界中の有力企業が相次いでケージフリーへの移行年限を迎えた年でした。
アニマルウェルフェアの歴史において、まさに大きなターニングポイントとなる一年だったと言えるでしょう。

日本でも、みなさまのご協力のおかげで、ケージフリーの進捗を数値として自社の重要情報に位置づけ、公表している企業が現れています。なかでも、お菓子メーカー・ブルボン社の取り組みは際立っており、確かな前進が見られました。

いよいよ日本でも、「ケージフリー企業」「動物の味方となる企業」が本格的に育ち始めています。
だからこそ、私たちもそれを積極的に応援し、後押ししていきたいのです。

「ケージフリーを意識しなければ、商品は選ばれない」
そんな日本を実現するために、これからも企業へ声を届けていきましょう。

 

年末年始、スーパーの棚を見てみると……

この年末年始のお買い物をしていて、ひとつの素朴な疑問を持ちました。
ケージフリー方針を掲げる企業の商品は、今、どれくらいスーパーの棚を占めているのだろうか?

そこで、近所の複数のスーパーを回り、実際に棚の占有状況を調べてみたのです。

ブルボン社が得意とする「手軽なお菓子」は、消費者が長時間悩んで選ぶ商品ではありません。
そのためスーパーの棚そのものが、巨大な広告媒体のような役割を果たし、目に入りやすい商品が手に取られやすいと言われています。
つまり、棚に多様な商品が並んでいること自体が重要なのです。

さらに調査の結果、ブルボン社の商品をものさしとして、次のような違いが見えてきました。

  • Aスーパー
    おひとり様用、ファミリー向け、大袋、ミックス商品など、同一メーカーの商品が幅広く展開
  • Iスーパー
    おひとり様向けパッケージのみ
  • Yスーパー
    チョコ味・クリーム味に加え、人気フレーバーのみを集めた特別パッケージが大きな棚スペースを占有

さらに、(休暇中だからこそできたのですが…)同じ系列のA・I・Yスーパーでも、地域が変わると、商品ラインナップは大きく異なることがわかりました。

このことから、どの商品を置くかという判断は、本部一括ではなく、店舗単位の裁量が大きい、あるいはPOSデータなどのビッグデータをもとに、柔軟に調整されている可能性が高いことが見えてきたのです。

 

調査の結果見えてきた、次の重要なアクション

ここから導かれるのは、とても重要な示唆です。

ケージフリー企業を応援し、他社にも波及させるためには
企業本部への働きかけだけでなく、地域の店舗への声かけも不可欠である。

これは、今後の私たちの活動において、明確に意識すべきポイントです。
ケージフリーの「次のステップ」には、より多くの人の力が必要なのです。

近所のスーパーの棚調査をして、ブルボン社の、あるいはこれから増えてくるであろう他のケージフリー企業の商品が少ない、と思ったら「ブルボン社(あるいは今後のケージフリー企業)はアニマルウェルフェアに意欲的でサスティナブルな社会に貢献する企業だから、商品の取り扱い数を増やしてください。もちろんわたしは〇〇社のお菓子が子どものときから大好きです!」とお客様の声に意見を出してください。

 

「当たり前」を、活動の力に変えるために

「そんなこと、わざわざ調べなくても当たり前では?」
そう思われる方もいるかもしれません。

しかし、アニマルライツの活動は、思いつきではなく、方法論として積み上げることで力を持ちます
そこで、なぜスーパーの棚に並ぶ商品数にメーカーごとの差が生まれるのかを、整理して考えてみました。

 

棚に並ぶ商品数の違いを生む要因(比較表)

サプライチェーンの観点

観点棚に多く並ぶメーカー棚に多く並ばないメーカー
生産体制自社工場+OEMを組み合わせ、増減産が柔軟主力商品の大量生産が中心
生産単位小ロット生産に対応可能品目追加でコスト・リードタイムが急増

バリューチェーンの観点

観点棚に多く並ぶメーカー棚に多く並ばないメーカー
商品展開フレーバー違い、容量違い、用途別など派生が多い品質など一点集中の訴求
原材料共通原料を使い回しやすい原料・工程が限定的

マーケティング・流通の観点

立場特徴
棚に多く並ぶメーカースーパーの棚を「広告」と捉えている
棚に多く並ばないメーカー自社の価値観や品質を重視
スーパー側管理しやすく、回転率の高い商品を好む
管理負担が高い商品棚から外れやすい

 

ケージフリーと「棚に並ぶ商品」の意外な共通点

以上を比較すると、ある共通点が浮かび上がります。

スーパーの棚に多く並ぶ商品の特性は、実は「ケージフリーに取り組みやすい」「ケージフリー化したときの影響力が大きい」商品特性と重なっているのです。

具体的には、

  • 平飼い卵の供給量に左右されにくい(不足時は減産できる)
  • 類似商品が多く、原料の使い回しがしやすい
  • 将来的に棚で「ケージフリー」を視覚的に訴求しやすい
  • スーパーなど川下企業にとって扱いやすい

こうした条件を備えた商品こそ、ケージフリーを社会に広げる力を持つ商品だと言えます。

スーパーの棚は、静かに社会の変化を映し出しています。
そこにどんな商品が、どれだけ並ぶのか。
その一つひとつが、工場畜産の現場で苦しむ動物たちの明るい未来につながっています。

ケージフリーの次の一歩へ。
引き続き、みなさんと一緒に歩んでいきましょう。とりあえず、市場が開き、活況づく年始のお買い物時には、地域のスーパーの棚の前でケージフリー市場調査を忘れずにお願いします。

 

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