2027年に横浜で開かれる国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」は、畜産物の調達基準を公表している。しかし、そのアニマルウェルフェア(動物福祉)の基準は、2021年に開かれた東京オリンピック・パラリンピックから実質的に進歩していない。
東京五輪、大阪・関西万博、GREEN×EXPO 2027は、いずれも畜産物の調達要件にアニマルウェルフェアを掲げている。しかし、ケージ飼育や妊娠ストール、肉用鶏の過密飼育を禁止する具体的な要件はどれにもない。
「アニマルウェルフェアに配慮する」と書くだけでは、動物たちの飼育環境は変わらない。
2025年の大阪・関西万博は、博覧会協会が認めるアニマルウェルフェア認証を受けた畜産物を「推奨」する基準を設けた。この基準のもとで、採卵鶏をケージに閉じ込めない飼育方式を認証する「平飼い鶏卵認証」(エコデザイン認証センター)が対象になった。
義務ではなく推奨にとどまるものの、ケージを使わない飼育を調達で評価する一歩だった。
ところが、GREEN×EXPO 2027の畜産物調達基準の解説には、平飼い鶏卵認証の記載がない。それだけでなく、アニマルウェルフェア認証を推奨する基準も、協会が認証を審査して追加する仕組みもなくなっている。大阪万博で実現した改善すら引き継がれておらず、後退といえる。
GREEN×EXPO 2027の基準は、国際獣疫事務局(現在のWOAH)の陸生動物衛生規約等に照らして適切な措置を求めている。しかし日本国内では、農林水産省の飼養管理指針にある「実施が推奨される事項」を当てはめる仕組みだ。
農林水産省の指針は、採卵鶏の福祉は「様々な飼養システムによって達成され得る」とし、ケージフリーや妊娠ストールフリーへの移行を義務づけていない。さらに、止まり木・砂浴び場・巣箱を利用できることや十分な飼育スペースは、「将来的な実施が推奨される事項」とされている。GREEN×EXPOが参照するのは「実施が推奨される事項」だけなので、これらは調達要件にすら入っていない。
国際イベントは、より高い動物福祉基準を広める絶好の機会だ。それにもかかわらず、日本は2020年から実質的に同じ水準の調達基準を繰り返している。
今後国内で開かれる国際大会に対しては、以下が最低限求められる。
国際イベントの「持続可能性」は、言葉ではなく、動物たちの飼育環境が実際に良くなることで示されるべきだ。