豚-ぶた

妊娠ストールと分娩ストール

2015/09/01

妊娠ストールの廃止を求める署名を立ち上げました。
https://goo.gl/g86LYw

2013年に集めた署名に続く、2回目の署名となります。
前回の署名は食肉加工会社大手5社を対象としたものでしたが、今回の署名は5社にとどまらず、豚肉を扱うすべての企業・スーパー、そして国や自治体の畜産政策を司る機関を対象としています。
ご賛同・周知にご協力お願いします。


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豚の妊娠ストールとは?
母豚は一生のほとんどの時間を「ストール」に閉じ込められて、一頭一頭が別々に過ごす。ここでは方向転換すらできない。日本における使用率は88.6%だ。(*1)
アニマルウェルフェアの考え方に対応した 豚の飼養管理指針では、広さが60cm(幅)180㎝(奥行き)以上を推奨されているが、この「推奨され」ている面積は、豚の大きさそのものであり、豚たちは座る・寝る・立つ以外はできず、体をひねったり転回することはできない。寝ることはできるが、本来豚がやるように、自然な形で体を横たえることはできない。
 

 

妊娠ストールに反対する理由201306240206_4-300x0.jpg
妊娠ストールにいれられている豚たちは、跛行、足の怪我、切り傷や褥瘡に苦しむだけでなく、運動不足による筋肉や骨の弱体化に苦しんでいる。実際、運動不足のため、起立不能になることは非常に多く、そのたびに治療されるのではなく、淘汰=殺される。さらに、身動きが取れないということは通常の集団飼育時には見られる社会的行動も抑制され、さらに仲間に触れ合うこともできない。豚は本、犬と同等またはそれ以上に来好奇心旺盛で知的で社交性のある動物であり、そして社会的な動物である。彼らのストレスは相当なものであることは、容易に想像がつくはずだ。


妊娠ストールという集団飼育をされているメスの豚たちは、人が近づいても、静かに、だが興味深々な目をして人によってくる。しかし、ストールに閉じ込められて飼育されている豚舎に人が近づくと、豚たちは一斉に「キーキー」とおびえたようになく。少しの刺激でも驚くのだ。しかし振り向いて後ろを確認したくても、方向転換できないストールの中ではそれすらできない。効率と利益を重視し、その結果、動物の福祉が無視されているもの、それが妊娠ストールだ。
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海外の状況
海外ではヨーロッパをはじめ多くの国や州が、この妊娠ストールを禁止している。
詳細はこちらを参照いただきたい。
http://www.hopeforanimals.org/animals/buta/00/id=271

日本の状況
一方日本は、アニマルウェルフェアに関する法律は何もない。関係する基準は、産業動物の飼養及び保管に関する基準であるが、「虐待防止に努めること」という程度しか書かれていない。
さらに、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した豚の飼育管理指針」が2011年3月に作られたが、これも指針であり規制ではなく、さらにはその中に書かれているのは日本の平均的な状況でしかなく、豚の飼育方法をなんら規制するものではない。もちろん妊娠ストールも禁止されてはいない。

豚の妊娠ストールの廃止を目指す
日本には現在9,530,000頭の豚がいる。そのうち繁殖用に飼育されているメスの豚は885,000頭。このうちの88.6%が妊娠ストールに閉じ込められている。(*2)
メスの豚たちはこの妊娠ストールの中で、目の前の柵をかじり続ける、口に物が入っていないのに口を動かし続ける、水を飲み続けるなどの異常行動を起こすことが知られている。

この動画は2016年に日本で撮影されたものだ。


豚をこの監獄から解放するために必要なのは、消費者の意識改革だ。消費者がアニマルウェルフェアに配慮されていない肉にはお金を払わない、という状況を、私たちは作り上げなくてはならない。
すでに欧米の例で、妊娠ストールを廃止しても経営的にも技術的にも成り立つということは証明されているのだ。
世論ができれば、妊娠ストール廃止は目前だ。


これは、肉の消費を減らす本来のアニマルライツセンターの役割と違うように感じるかもしれないが、そうではない。動物を尊重でき、動物の多様性を認められる環境にならなければ、多くの人は、豚に感情があり、個性があり、痛みを感じ、仲間と触れ合いたいと思い、穴を掘ったり水を浴びたり、母親と一緒に居たいと思ったり、仲間を大切に思ったりすることに、気がつかないだろう。
動物福祉の先に、動物の尊厳と権利を尊重できる社会の実現があると私たちは考えている。

2013年撮影 日本の妊娠ストール
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*1 2014年畜産技術今日j会「飼養実態アンケート調査報告書」 http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/index.html
*2 2014年農林水産省統計


巣作り

今から分娩するという時に、本来ならば母豚は「巣作り」をする。屋外で飼育されている豚は、分娩のすぐ前に枝や草を使って精巧な巣を作る。巣作りをして安全な場所に子供を産みたいという強い欲求があるからだ。しかしストールに拘束された母豚たちには、その欲求をかなえることができない。

ストールで拘束飼育されている豚も分娩前には非常に活動的になり巣作りやルーティング(鼻で地面を掘る行動)のような巣作り動作に何時間も費やす。そのような行動により顔に擦り傷を作ったりすることもあるくらいだ。しかし巣を作る材料も何もないストールの中で、彼女たちがいかに巣作りに励んでも、巣が完成することは決してない。
 
ある記事に、ストールに入れられていた母豚が逃げ出してしまったことが書かれていた。その母豚は養豚場の事務所に入り込み、その中で机をひっくり返し紙で巣を作り、そこで子豚を産んだそうだ。
 
子供を安全な場所で産みたいというのはすべての生き物に共通する強い思いだ。そのような強い欲求をかなえることができないのが、豚のストール飼育だ。

 

分娩ストールとは?

「妊娠ストールを廃止してほしい」と企業への要望に対してよくある回答は「母豚が子豚を踏みつぶさないために必要なんだ」というものだ。しかしこれは誤りだ。妊娠ストールは妊娠期間中に母豚が収容されている檻のことであって、「母豚が子豚を踏みつぶさないため」の檻のことは“分娩ストール”と言われている。母豚はこの“妊娠ストール”と“分娩ストール”を行ったり来たりして一生のほとんどの時間を過ごしている。
分娩ストールも残酷だ。分娩前後から哺乳のの21日間、母豚は分娩豚房(分娩ストール)に移動される。そこは分娩柵が取り付けられた母豚のスペースと、子豚たちのスペースに分けられている。母豚のスペースは妊娠ストールと変わらない。相変わらず方向転換ができず体を横たえるだけの最小限のスペースしかない。
この分娩柵は、自分の子供を踏みつぶすことを防止するためにつけられていると言われているが、そもそも音や匂いで子供の場所を把握する豚にとって、現代の工場畜産では、畜舎にたくさんの豚が詰め込まれている状態のため、その感覚が混乱してしまう。そのため踏みつぶすという事故が起こるのだ。一生のほとんどを拘束されているというストレス状況も、母豚の本来持つ子豚への配慮を狂わせてしまってもいる。


動画は日本の分娩ストール

この分娩ストールも廃止すべきもので、すでに妊娠ストールが禁止となった諸外国では、この分娩ストールも廃止しようという運動が始まっている。しかし日本では妊娠ストールすら、廃止はまだほど遠い状況だ。




 

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