2025年9月19日、千葉県の定例議会で、小川としゆき議員(自由民主党千葉県議会議員会)がアニマルウェルフェアについて一般質問。小川議員は、海外でアニマルウェルフェアに関する法整備が進んでいること、そして国内においても、農林水産省・山梨県・一部の民間企業がアニマルウェルフェアに取り組んでいることを説明しました。
千葉県がアニマルウェルフェアに取り組み、新たな価値作りをすることを提案した上で、「県が家畜のアニマルウェルフェアについて、どのように認識しているのか、お伺いいたします。」と問いかけました。
この質問への回答の中で、高橋輝子農林水産部長は、
県ではアニマルウェルフェアに配慮した飼育方法に関する研究を行っていること、その研究成果や国からの情報を生産者へ提供することなどによって、「引き続きアニマルウェルフェアに取り組む畜産農家を支援してまいります。」と、取り組みの意向を示しました。
小川議員は高橋農林水産部長の答弁に対し、アニマルウェルフェアの県内での導入が進んでいない、と述べた上で、「当局もしっかりと研究し、啓発に努めていただきたい」と締めくくりました。
アニマルライツセンターでは2025年6月25日に千葉県畜産課を訪問し、飼育指導・条例や認証マークの作成・補助金の創設など、アニマルウェルフェアに県として取り組むよう、担当職員の方にお願いしました。
職員の方からは、コスト・土地・人手を無限に使うわけにはいかないが、現実的にできる取り組みを進めていきたい、豚のかじるおもちゃなどのエンリッチメント導入について言及がありました。これ自体は歓迎すべきことですが、最も苦しむ飼育であるケージ飼育や妊娠ストールからの脱却については、後ろ向きであると感じました。
千葉県は日本で最初に畜産が始まった場所であり、現在でも日本有数の畜産の規模を誇ります。アニマルウェルフェアでも他県をリードすることを期待します。
小川議員の質問
アニマルウェルフェアは、動物の身体的・精神的健康を確保する考え方であり、近年社会的な関心が高まっています。英国やニュージーランドといった国々では、アニマルウェルフェアに関する法整備が進み、畜産動物の飼育方法や動物実験における配慮が義務づけられています。国内においても、農林水産省がアニマルウェルフェアに配慮した飼養管理を広く普及し、定着させるため、平成29年及び令和2年に「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的な考え方について」を発出するとともに、畜種ごとの飼養管理方法等については、公益社団法人畜産技術協会が作成したアニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針を基に、その普及を支援してきたところです。また、山梨県が自治体として初となるやまなしアニマルウェルフェア認証制度を導入するなど先進的な取組が見られるほか、民間企業においても、キユーピーや日本ハムなどがアニマルウェルフェアに配慮した調達を行っており、消費者のエシカル消費へのニーズの高まりに対応するようになっています。
本県は日本酪農発祥の地であり、首都圏でも有数の畜産業が盛んな地域で、アニマルウェルフェアに率先して取り組むことが新たな価値を生み出していくのではないかと期待しております。
そこで、県は、家畜のアニマルウェルフェアについて、どのように認識しているのかお伺いいたします。
高橋農林水産部長 答弁
家畜のアニマルウェルフェアについての御質問ですが、家畜が自由に行動でき、好きな場所で休息できるなど、アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼育方法では、ストレスや疾病の発生が減少し家畜の健康が保たれるなどの効果が期待されます。一方、自由に動けることで家畜同士の争いや事故が増え、けがなどが増加することで生産性の低下につながる場合もあることから、家畜の性質や飼育密度に注意しながら飼育することが重要です。県では、アニマルウェルフェアに配慮した鶏や豚の飼育方法に関する研究を行っているところであり、これらの研究成果や国からの情報を生産者へ提供することなどにより、引き続きアニマルウェルフェアに取り組む畜産農家を支援してまいります。
小川議員 答弁を踏まえた意見
アニマルウェルフェアについてですが、日本総合研究所によると、国内のアニマルウェルフェアの付加価値総額は5,735億円と試算されており、畜産動物のアニマルウェルフェア改善で得られるメリットは大きいと考えます。しかしながら、正直まだ理解が進んでおらず、県内で導入が進んでいないのが現状です。まずは、アニマルウェルフェアについて正確な理解をしていただけるよう当局もしっかりと研究し、啓発に努めていただきたいと思います。
