牛乳-ミルク

乳牛の繋ぎ飼いの問題

2016/07/08

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写真は日本の酪農場


 

『私は10年来、ウシ集団において「仲よし関係」がどのように作られるかの研究をしてきた。
「仲よし」の証は、近くで生活し危急のときには援助したり、食べものを分け与えたり、世話行動をすることである。ウシの場合には、食べものを与える行為はないが、おもに世話行動である毛繕い行動を行う。ウシの舌はタワシのようにざらざらしていて長い。その舌で、仲間の頭、頸、肩、脇腹、脚、尻、尾のあらゆる部分を舐めてやる。自ら相手に近寄り、舐めることが全体の毛繕い行動の三分の二を占めるが、その場合は脇腹や尻を中心に舐める。また、仲間から要求されて舐める場合は、相手が喧嘩に強くても弱くてもおかまいなく、顎を出しながら頭を低くして相手にゆっくりと近寄り、舐めてもらいたい部分を相手の口元にツンツンとあてる。すると打診された相手は平均して一分くらい舐めてやる。それで不十分な場合は、打診を繰り返し、時には五~10分も舐めてもらうこともある。』

 

(「アニマルウェルフェア 動物の幸せについての科学と倫理」 佐藤衆介著)




残念ながら日本の乳牛たちはこういった親和関係を仲間と結ぶことが困難な状況にある。
なぜならば日本の乳牛の72.9%(*1)が、その主な飼育方法は「つなぎ飼育」であり、繋がれた牛たちは近寄って相手の脇腹や尻を舐めてやることも、舐めてほしい部分を相手の口元に持って行くこともできないのだ。
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2013年 日本の酪農場

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2015年 日本の酪農場

舎飼いの乳牛によく見られる症状として飛節周囲炎(関節炎)がある。スタンチョン(*2)や短い紐でつながれたまま、自由な身動きができず、寝起きの際にコンクリートの硬い床に当たり擦り傷が出き、それが細菌感染して腫れる、これが毎日何度も繰り返されることが主要因といわれている病気だ。繋ぎ飼いで慢性的に進行し、皮膚の擦過熱傷が化膿、潰瘍化したり、皮下に嚢胞を形成された嚢胞が自壊して嚢胞内に血や膿が流れ込んでしまうこともある。飛節周囲炎(関節炎)の疼痛のストレスにより牛は跛行(*3)し、次第に痩せ細り、生産性も低下する。

運動器疾患の中で飛節周囲炎(いわゆる関節炎)は、一般的に起伏時の飛節への圧迫や挫傷等が誘引となり舎飼い経産牛に多発し、治療しても再発を繰り返し、常に乳牛の死廃事故原因の第1位を占めている。また、乳量の減少だけでなく、飼料の摂取量や繁殖にも悪影響を及ぼし、乳牛の寿命を短縮し、酪農経営にとって大きな経済的損失をもたらしている。

(引用元:畜産技術ひょうご79号 発行:2005年12月28日)


*1 2014年 国産畜産物安心確保等支援事業 飼養実態アンケート調査報告

*2 牛の首をロックする機械。紐よりもスタンチョンのほうが拘束度が高い。


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