牛乳-ミルク

「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」OIEコード

2015/07/13

OIE(世界動物保健機関)には日本を含む世界180ケ国が加盟しています。
そのOIEでは、動物福祉の14の基準(コード)が採択されています(2015年1月時点)。

これらの動物福祉基準について、OIEのサイトには次のように書かれています。
OIEの各国事務局はOIEの動物福祉基準を正しく人々に伝え、そして彼らの政府にこの基準を実行に移すように説得すること (The World Organization for Animal Health (OIE)サイトより)

OIE加盟国である日本は、この動物福祉基準を遵守するよう努力していかねばなりません。
このOIEの動物福祉基準に「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」が追加されることになりました。

「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」はまず案が出され、その案に対して、各国がOIE コード委員会にコメント(意見)を提出し、それらをすり合わせて採択される運びとなります。

※「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」第2案
 http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/pdf/ref5_aw_dairy_cattle.pdf


2014年7月「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」第2案へ、日本から提出するコメントついて、私たちアニマルライツセンターと、PEACEは、日本の動物保護団体として、以下2点を要望しました。



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1
OIE第2案、第7.x.5条 1. 飼養環境の設計に関する推奨事項 、f)について
第1案の際に、日本から提出されたコメントは
『帯電機器(例 カウトレーナー、帯電式の出入口)は、牛の快適性を阻害する問題の増加と関連があるため、(可能な限り、)使用すべきではない。(もし、使用する場合は、牛に対する苦痛やストレスを最小限にするよう実施しなければならない。) 』
とされており、カッコの中を追加するよう求めていますが、変更を求めず、OIEの第2原案を支持していただきたいです。
 
理由
乳牛の清潔さを保つことは重要ですが、その方法としてアニマルウェルフェアを阻害することが明らかなカウトレーナーの使用を容認する条文を入れるべきではないと考えます。
カウトレーナーは、乳牛をつないで飼育することを前提とした器具であり、つなぎ飼い自体が動物福祉の国際基準である5つの自由のうちの一つ「正常な行動ができる自由」を奪うものである以上、カウトレーナーは原案にあるとおり、「使用すべきではない」とすべきであると考えます。
わが国の「肉用牛生産の振興に関する法律」に基づき定められている「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」には、地域ブランドの確立、飼料自給、コスト削減といった観点から、放牧の推進が謳われており、すでにカウトレーナーを使用しないですむ酪農を日本は目指しているところです。
この「使用すべきでない」とするOIE原案は、日本の方針にも合致するものであると考えます。
 
2
OIE第2案、第7.x.5条 2. 飼育者の能力と動物の管理に関する推奨事項 、m)痛みを伴う処置 、i) 除角と断角について
第1案の際に、日本から提出されたコメントは
『乳牛の除角が必要な場合、生産者は獣医アドバイザーから、その牛の種類や生産方法に応じて、適切な手技(、麻酔や鎮痛剤の利用)及び時期に関する指導を求めなければならない。 』
とされており、カッコの中を削除するよう求めていますが、除角・断角について変更を求めず、OIEの第2原案を支持していただきたいです。
 
理由
麻酔や鎮静剤なしの除角・断角は、牛にストレスをあたえるものであり(※1)、わが国の乳牛の93.9%(※2)の農家で行われていることを鑑みると、「麻酔・鎮痛剤の使用は、除角については強く推奨され、断角については常に使用すべき」というOIE第2案を支持し、そのコードを積極的に参照して、アニマルウェルフェアの向上に努めるべきだと考えます。
※1 Taschke, A.C., Fölsch, D.W., (1997) Ethological, physiological and histological aspects of pain and stress in cattle when being dehorned, Tierärztliche Praxis (25), 19-27. 
(実験概要) 
101頭の子牛(3~4ヶ月齢)に対し、無麻酔下で焼ゴテによる除角を実施。 搾乳牛16頭に対し、ワイヤー鋸を用いて無麻酔下で除角した。 
(実験結果) 
除角中、すべての子牛は明確な痛みに対する反応を示し、唾液中コルチゾル濃度は除角後に有意に増加した。搾乳牛へ行った除角では、わずかな期間だけ乳量が減少した。 
※2 2008年畜産技術協会調べ
 
 
 
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アニマルウェルフェアと乳用牛生産システムのOIEコード改正第1案の際に、日本側から出されたコメント
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/pdf/terre_comment_aw_may_2013_jp.pdf


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2014年8月に提出された第二案への日本のコメントは、
・舎飼での方向転換できないつなぎ飼いを認める
・カウトレーナーの使用を認める
というものになりました。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/pdf/terre_comment_aug_2014_jp.pdf

第二案への各国の意見をうけて、2014年12月に発表されたOIEの第三次案は、日本からの意見に譲歩したものになっています。
すなわち
・舎飼での方向転換できないつなぎ飼いを認める
・カウトレーナーの使用を認める
という内容です。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/pdf/8-2_aw_dairy_cattle.pdf

その後OIEは、2015年5月の総会採択を目指して、加盟国に3回目の意見照会をおこない、

2015年5月24~29日の第83回OIE総会で「アニマルウェルフェアと乳牛生産システム」が採択されました

2015年7月1日 第1回 国際獣疫事務局(OIE)連絡協議会">第1回 国際獣疫事務局(OIE)連絡協議会を傍聴したPEACEから、採択された「アニマルウェルフェアと乳用牛生産システム」コードをいただきました。
内容は
・つながれている場合は方向転換できなくても良い
・カウトレーナーの使用は容認される
ものとなっています。一方、除角の際の麻酔や鎮痛剤は「常に使用されるもの」という表現になっています。
 


「アニマルウェルフェアと豚生産システム」OIEコードの日本側コメントに際し、提出した意見
http://www.hopeforanimals.org/animals/buta/00/id=500




↓「アニマルウェルフェアと乳牛生産システム」ダウンロード↓
注意:その後2016年5月に行われた総会で、「子牛への初乳給与期間を少なくとも 5 日間」という記述が削除されることが決まりました。「第 7.11.7 条において、科学的な根拠が示されていないため」というのが削除の理由です。

 

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