日本の食鳥処理場の約9割が
鶏の意識があるまま首を切っている
日本の鶏は屠殺場(食鳥処理場)に運ばれてきたあと、運搬用のコンテナからつかみだされてをシャックルに逆さにひっかけられる。
その際、運が良ければ電流の流れる水槽(電気水槽式スタナー)に頭を浸けられて意識を失わされるが、国内の9割の食鳥処理場がスタニング(意識をを失わせる)処理を省いている。
そして意識のあるまま、鶏の首(頸動脈)を切り、場合によっては首を切った後に電流をあてるという二重の苦しみを与えたあとに、失血死させる。その後、羽をむしりやすくするために62度の熱湯につけるが、首の切断に失敗した鶏は生きたまま熱湯で茹で殺される。
※参考:https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.2903/j.efsa.2019.5849
2022年、日本で首の切開に失敗し、意識のあるまま熱湯処理に進んで茹で殺された鶏の数は61万6,864羽と6年連続で悪化し、過去最悪となった。生きたまま茹で殺すという残虐な行為は、家禽を意識のある状態で逆さ吊りにして首を斬ろうとすることで、鳥たちが暴れるため、屠殺に失敗して起きる。
61万6,864羽の鶏たちは、周りの鶏が失血死していくのを横目に、逆さ吊りの苦しみと、中途半端に切られた首の傷の痛みに耐えながら、62度の熱湯の中に投入された。熱湯の中で、全身に火傷を負い、息もできず、熱湯が口や目に入り、苦痛を極限まで感じながら殺された。そして最終的には食用として利用されることなく廃棄された。
国際基準を作る世界動物保健機関(WOAH)は「意識がある又は生きた鳥が、熱湯処理タンクに入ることがないよう、あらゆる努力がなされること。」と、厳しく規定している。この問題の核心は、適切な対策さえとれば容易に防げる事故であるという点であり、EUではこのような事故が発生すると違法とされる。また、日本の10倍以上の数の鶏を屠殺する米国も、2022年に茹で殺された鶏は30,137羽にとどまっており、さらに改善の取り組みが進んでいる。日本の事故の発生率は米国の233.7倍である。アニマルウェルフェアの国際的な流れに反して、日本の状況は悪化の一途をたどっており、世界との差は拡大する一方だ。
日本の食鳥処理場にも
ガススタニングを導入させるために
あなたの力を貸してください
多くの国々でネックカット前の「スタニング」が法律によって義務付けられており、
さらに、より鶏の感じる苦痛が少ないとされる「ガススタニング」へと移行が進んでいます。
このような改善の手段があるにもかかわらず、日本では今なお電気スタニングさえ行われていないのが一般的です。
日本でも屠殺前のスタニングを行うことは喫緊の課題であり、今から設備投資をするならばガススタニングが導入されるべきです。
意識のあるまま首を切られる鶏たちの苦しみに終わらせるため、あなたの力を貸してください。
国政に意見しよう
【農林水産省】
アニマルウェルフェアに配慮し、動物の苦痛を軽減した畜産を推進するように意見しよう。
【厚生労働省】
屠殺を所管する厚生労働省に、屠殺場での動物福祉に取り組むよう意見しよう。
【環境省】
動物に必要以上の苦しみを与えている今の屠殺方法を終わらせるよう動物愛護管理法を管轄する環境省に意見しよう。
寄付でより大きな影響を与えよう
アニマルライツセンターは工場畜産がもたらす動物たちの苦痛や苦悩を終わらせるため、企業や行政等への働きかけと交渉、政策提言、啓蒙活動、教育、キャンペーン展開、情報発信などを通じて、社会システムを変える活動をしています。私たちの活動は寄付金と会費に支えられ、国等行政からの助成金は一切受けていません。活動を継続させるために温かいご支援をお願いします。
日本の鶏に起きていることをもっと知る
知り合いにも賛同の輪を広げよう