工場畜産の犠牲者である鶏と豚のために運営しているサンクチュアリですが、2024年に豚をアニマルライツセンターの動物の未来サンクチュアリで6頭保護するとともに、huelo ohana farmsanctuaryにも2頭保護してもらいました。2箇所に分かれてしまったけれど、一緒に保護し、今も課題を共有しながら互いに良い環境を目指しています。huelo ohana farmsanctuaryが今年さらに廃業養豚場からの豚の保護を計画しいよいよ本格的なサンクチュアリ運営が始まります。そのため、アニマルライツヴィレッジのアニマルウェルフェア基準(満たすべき最低基準)を作りました。これから作られるhuelo ohana farmsanctuaryは間違いなくこの基準を上回るものになりそうですが、最低ラインとしてともに意識していきたいと思っています。
工場畜産の中で苦しんだ豚、鶏たちが、二度と、不当な扱いを受けないようにすること。
保護する数にとらわれず、保護された動物たちの暮らしの質を向上させること。
最高のアニマルウェルフェアを提供することで動物本来の習性を発揮してもらい、工場畜産を終わらせるための啓発につなげること。
1 | 社会性 | 豚は社会性のある動物である |
原則、単独での飼育をしない | ||
ただし、死亡して残る、保護時に1頭であった場合は、別の動物や人間が社会性を補い、豚を1頭にする時間をできる限り少なくする | ||
闘争をさけるため、徐々にならしてから一緒にするものとし、慣らす期間は個体差があるものの、最長6ヶ月以内を目安とする | ||
2 | スペース | 豚は屋内の清潔で安心できる場所と、屋外の排泄用および多様性にとんだ場所を必要とするため、屋内屋外両方のエリアがなくてはならない |
屋外エリアは1頭あたり50㎡を最低面積とする | ||
屋内エリアは1頭あたり6㎡を最低面積とする。天井高2.4 m以上を推奨する。 | ||
緊急時の一時保護場所および輸送時はこの限りではない。その際は豚が自然な姿勢で横臥できるスペースを1頭あたりの最低面積とする。 | ||
上記スペースでは糞は自然循環させると不衛生になる可能性が高いため、より広いエリア(1頭あたり250㎡以上)を用意するか、または糞は毎日取り除いて処理しなくてはならない | ||
4 | 食事 | ヴィーガンを基本とし、栄養を十分に提供し、多様性を保持する |
水は常時飲める状態を保持する | ||
5 | 環境 | 豚の習性を発揮することができる環境を提供するため以下を必須とする |
掘ることができる土 | ||
泥浴びが可能なエリア(泥浴びエリアを豚自身が作ることができる環境で良い) | ||
体を擦るもの | ||
噛むことができる自然物やおもちゃ |
1 | 社会性 | 鶏は社会性のある動物である |
原則、単独での飼育をしない | ||
ただし、死亡して残る、保護時に1羽であった場合は、別の動物や人間が社会性を補い、鶏を1羽にする時間をできる限り少なくする | ||
いじめが発生した際には、いじめる側の鶏を隔離することを基本とし、早急に対処しなくてはならない | ||
適正な環境の場合、鶏は順位付けをする習性があるため、喧嘩や順位を守る行動は自然な行動に含まれる | ||
過度な闘争(重篤な外傷が生じたりつつき殺す可能性があるような場合)が発生してしまう場合は別のエリアを用意すること | ||
2 | スペース | 鶏は屋内で安心できる場所と、屋外の多様性にとんだ場所を必要とするため、屋内屋外両方のエリアがなくてはならない |
屋外エリアは鶏糞を自然分解できる広さが必要であり、1羽あたり20㎡以上とする | ||
屋内エリアは1羽あたり2000平方cm以上とする。ブロイラーの場合は1羽あたり3000平方cm以上とする | ||
緊急時の一時保護場所および輸送時はこの限りではない。その際は鶏が自然な姿勢で休息できるスペースを1羽あたりの最低面積とする。 | ||
4 | 食事 | 栄養を十分に提供し、多様性を保持する |
水は常時飲める状態を保持する | ||
5 | 環境 | 鶏の習性を発揮することができる環境を提供するため以下を必須とする |
屋内エリアには、とまり木を必ず設置し、とまり木は1羽あたり20cm以上とする | ||
屋内エリアには、巣箱を必ず設置し、3羽に1巣箱以上とする | ||
土を掘るエリア | ||
複数の砂浴びエリア | ||
草や種子や虫など自然な採食ができる環境 | ||
6 | 安全対策 | 鶏は外敵に襲われやすい動物であり、襲われることのない構造、仕組み、強度を維持し、安全に十二分に配慮しなくてはならない |
日暮れ以降の時間は強固な(爪で破られたり掘って到達するなどがない)室内空間で安全を100%保障すること | ||
野生動物を寄せ付けない構造を作ること(草刈りや人の気配があることや野生動物への餌付けをしないなど) |
その他、動物愛護法に規定されているような病気や怪我の治療、飼養衛生管理基準に規定されているような感染予防や届け出などを遵守します。
必要に応じ、予告なく随時改定します。