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卵内雌雄鑑別技術、どこまですすんでいるのか?2025年時点

EUやノルウェーでの卵内雌雄鑑別の浸透が記録的に速いという状況の中、ではどの技術が、どの程度、進んでいるのかをまとめた。

すでに実用化されているもの

羊膜水での判別技術=Respeggt(旧Seleggt)、In OvoのElla®

 孵化9日目に羊膜液を採取し、ホルモンやバイオマーカーを分析して性別を判定する方法。

導入事例: ドイツ、フランス、オランダなどで導入され、殺処分を行わない卵が「Respeggtマーク」として販売されている。

磁気共鳴イメージング(MRI)技術 =OrbemのGenus Focus

AIを活用したMRIで卵の内部を非接触で撮影し、性別を判定する方法。

導入事例: ドイツを中心に一部の養鶏場で商業運用が始まっている。

ハイパースペクトルイメージング= Agri Advanced Technologies(AAT)のCHEGGY

卵に光を照射し、透過・反射した光のスペクトルを分析する方法。

導入事例: ドイツ、オーストリアなどで商業利用されている。ただし、羽色の異なる特定の品種に限定される。

実用化が近いもの

匂いを利用した技術(VOC分析)

卵から放出される揮発性有機化合物をセンサーで検知して性別を判定する方法。

進捗状況: 現在、いくつかの大学や企業がプロトタイプを開発中であり、商業化に向けた試験が進められている。 実用化見込み: 数年以内に導入される可能性がある


その他、遺伝子マーカーを利用した技術、音響振動を利用した技術などがある。日本ではゲノム編集技術を利用した方法も補助が出されているが、採卵鶏のメス自体には影響がほぼ出ないと思われるが、その卵を生む種鶏(母鶏)への影響はわからない。そのため優先すべき技術ではないと言えるだろう。

雌雄鑑別の精度、速度比較

人間の手によるひよこの雌雄鑑別ハイパースペクトルイメージング磁気共鳴イメージング(MRI)技術羊膜水による技
速度1時間あたり約1,000~1,200羽 1時間あたり19,000~24,000個1時間あたり最大24,000個
1時間あたり3,000~6,000個
精度 95% 熟練した場合は98%
疲労によるミスの増加が起きる
97%~98.8%95%98.5%
侵襲的か非侵襲的侵襲的非侵襲的非侵襲的侵襲的
動物の苦しみ卵の中での鑑別ではなく、ひよこになってからであるため動物の苦痛は100%孵化後14日以降の卵で鑑別
苦痛を感じている可能性あり。
孵化後12日の卵
苦痛はほとんどないと考えられる
孵化9日目の卵のため苦痛はゼロと思われる

上記の表の通り、すでに人の手によるものよりも速度は明らかに速い。そして精度も同等またはそれ以上の精度となっている。

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