2012年1月1日、ヨーロッパ連合の鶏たちにとって大きな変化の日となった。鶏のバタリーケージが禁止され、平飼い・エンリッチドケージへの移行が義務付けられたのだ。
これにより、EUだけでも年間1,800万羽の鶏の苦しみが軽減される。さらに、これに続く形で、オーストラリア タスマニア州で、同様にバタリーケージの段階的廃止が決定された。
海外からは良いニュースがとびこんでくるようになったが、日本はどうだろう。バタリーケージを規制しようという運動は、始まってもいない。日本に生まれた鶏は、その短い一生をB5用紙1枚のサイズがあるかないかのスペースに押し込められたまま、殺されるのを待っている。
海外で規制が始まっているこのバタリーケージ、日本ではいまどのような状態にあるのか知ろう、そしてそれをなくすために、日本でも運動をはじめよう!
バタリーケージは、効率的に鶏を飼育し卵を採取するために考え出された、動物にとっては非常に辛い飼育用ケージだ。
以上の理由により、利益を追求する畜産農家により多数採用されてきた。
欠点は以下のとおりだ。
しかし、これらの欠点は、商売という目的の元では、現在日本人はほとんど無視している状態だ。
単に安い肉は、中国や南米等との価格競争で負けるだろう。さらに、安心・安全+資源の保護+動物の福祉が配慮された肉が、EUや北米から入ってくる。日本人の中でも 有機農産物のブランド力が上がっている。今後、日本でも、食肉についても安心・安全で、その生産過程への配慮も始まることは明らかだ。
そんな中、アニマルウェルフェアを取り入れ飼育へ移行することは、必然的であり、さらにコストを見てみると現実的であると思われるのだ。
動物の丁寧な扱いや福祉基準の向上は今後の畜産業の存続のためにも必要なことである。
世界では畜産動物に対する福祉も当たり前の考え方になりつつある。そしてその動向を握っているのは、消費者の声、ニーズである。
日本においてはやはり消費者の声、ニーズがまったく足りていない状況にある。
私たちは消費を減らす運動と共に、「アニマルウェルフェアが考慮されていない卵を買いたくない」という社会常識を作っていかなくてはならない。
そのために、バタリーケージの縮小そして廃止を訴えなくてはならない。