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海外の状況:各国のケージフリーへの取り組み状況

「バタリーケージ禁止」ではケージ飼育そのものは禁止されておらず、ケージでも、エンリッチドケージ(ファーニッシュドケージ・改良型ケージ)は認められてます。この場合、ケージの中に止まり木や砂、巣箱の設置義務や、鶏1羽あたりの最低面積(EUでは750cm²)などが定められています。しかしこのエンリッチドケージも、廃止の方向に向かっています。

EU

EUでは「採卵鶏保護の最低基準」の中で識別番号を卵にスタンプすることが求められており、消費者はその卵がどういった飼育方法かが分かるようになっている。(0:有機飼育、1:放し飼い、2:平飼い、3:ケージ飼い)
Commission Directive 2002/4/EC of 30 January 2002 on the registration of establishments keeping laying hens, covered by Council Directive 1999/74/EC 

バタリーケージ

EU指令「産卵鶏の保護のための最低基準」において、2012年からバタリーケージを禁止。ケージ飼育を続ける場合は一羽当たりの750㎠の最低面積、巣、砂場、止まり木が設置された「エンリッチドケージ」でなければならなくなった。
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1435151498494&uri=CELEX:31999L0074

ケージ飼育そのものを廃止する動き

EUではすでにバタリーケージからエンリッチドケージへの移行が完了。しかしケージ飼育そのものの廃止を望む声が高く、2012年以降は新たな法規制がないにもかかわらず、エンリッチドケージから平飼いや放牧への移行が進んでいる。2012年時点で42.2%であったケージフリー飼育は、2016年は44.1%、2018年は49.6%、2019年は52.2%、2021年は55%と増えている。
75% of EU egg production is concentrated in 7 countries-poultry world 2017.9.15
The EU poultry meat and egg sector Main features, challenges and prospects November 2019

▼EUの国ごとのケージフリー率についてはこちらをご覧下さい▼
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBOARD 

2018年9月5日 欧州委員会は、欧州連合(EU)市民イニシアチブ(ECI)「ケージ・エイジの終わり」を、登録すると発表した。

登録は9月11日の予定。提案された市民イニシアチブの目標は、畜産動物(鶏、ウサギ、ウズラなど)のケージ飼育を終了することであり、このイニシアチブの主催者(Compassion in World Farming)はこれらを禁止する法律を欧州委員会に提案している。登録後、少なくとも7つの異なるEU加盟国から1年間で100万人の署名を集まれば、欧州委員会はこの提案に従うかどうかを決定する必要がある。 Brussels to register ‘End the Cage Age’ initiative

その後、2020年10月2日に「ケージ・エイジの終わり」は7カ国以上、1,397,113の署名が集約された。今後この「畜産動物のケージ廃止」案について欧州委員会で審議が行われることになる。 END THE CAGE AGE

このEND THE CAGE AGEを、ネスレ、ユニリーバ、モンデリーズインターナショナルも支持。 End the cage age: Unilever and Nestlé petition to phase out caged hens in Europe By Flora Southey 17-Mar-2021 

2021年6月10日、欧州議会でこのイニシアチブが圧倒的多数で可決された(賛成 558 票、反対 37 票、棄権 85 票)。現在欧州議会議員らは、ケージを禁止する立法案を作成するようEU委員会に要請している。OVERWHELMING SUPPORT BY EU PARLIAMENT FOR BAN ON CAGES FOR FARMED ANIMALS

2021年6月30日、欧州委員会は、すべての家畜のケージを最終的に禁止するための立法案を提示することを決定。タイムラインやルール、輸入の規制方法、そしてEU加盟国の批准など、まだ課題がありますが、歴史的な法的勝利といえる。30 June 2021Brussels European Citizens’ Initiative: Commission to propose phasing out of cages for farm animals

イギリス

EU規制にともない2012年からバタリーケージは禁止となったが、ケージ飼育そのものは禁止されていない。
しかしケージフリ―卵の割合は年々増加している。2017年にはケージ(エンリッチドケージ)卵の生産数をフリーレンジ(放し飼い)卵の生産数が上回った。
2nd August 2018 United Kingdom Egg Statistics – Quarter 2, 2018
英国の主要スーパーマーケットはすべて、ケージフリーにすると発表している。
ASDA AND LIDL JOIN RUSH OF CAGE FREE PLEDGES

2018年におけるのケージフリー率は64.8%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBOARD

フランス

EU規制にともない2012年からバタリーケージは禁止となったが、ケージ飼育そのものは禁止されていない。

しかしスーパー最大手のカルフール・ルクレールをはじめフランスのほとんどのスーパー(コルリュット、シーヴェル・グループのアタック・ビル、マキシマルシェ、モノプリ、リドル、アルディなど)が、ケージ卵の全廃を表明している。この動きは主要な外食企業や、ホテルグループにも広がっている。
Sustainable Brands 仏スーパー、ケージ養鶏卵の販売停止を相次ぎ発表

2017年に就任したエマニュエル・マクロン大統領が選挙中にケージ卵禁止を公約として掲げている。
2018年5月28日、フランス議会でケージ卵そのものの禁止が議論されたが、否決された。
FRENCH DEPUTIES REFUSED TO BAN THE ADVERTISING OF JUNK FOOD Jan Hartman | May 30, 2018
Bien-être animal : qui sont les députés qui ont voté contre les mesures ?
BRIGITTE BARDOT AND SOPHIE MARCEAU FIGHT FOR CCTV IN SLAUGHTERHOUSES AND THE BANNING OF CAGED HENS

2018年におけるケージフリー率は39.2%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBOARD

オーストリア

バタリーケージはEUの禁止に先立つ2009年以降オーストリアでは違法となった。改良型ケージを新しく作ることも違法で、改良型ケージも2020年までに廃止される予定となっている。
LAYING HEN CASE STUDY AUSTRIA 1 An account of the successful phasing out of beak trimming without
increasing problems of injurious pecking 

2018年におけるケージフリー率は99.2%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBOARD

ドイツ

ドイツでは卵に次の表示をすることが義務付けられている。参照/Kein Ei mit der 3 15. März 2021

0= Ökologische Erzeugung(広々とした放し飼いで自然の餌を与えるなどオーガニックの卵(BIO))
1= Freilandhaltung (放し飼いで広い)
2= Bodenhaltung (平飼いで狭い)
3= Käfighaltung (エンリッチドケージ

ドイツでは、EUの禁止に先立つ2010年からバタリーケージは禁止になった。2025年からは改良型ケージも禁止予定となっている(例外的に2028年までケージの使用が許可される場合もある)。

https://albert-schweitzer-stiftung.de/massentierhaltung/legehennen

大規模なチェーンスーパーマーケットのすべてが(Aldi Nord、Aldi Sud、Lidl、Kaufland、REWE Group)、ケージフリーを約束しています。
Ending the use of battery cages Albert Schweitzer Foundation

2018年におけるケージフリー率は87.2%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBOARD

2020年のデータによると、ケージフリー率は94.3%
Betriebe1 mit Legehennenhaltung und Eiererzeugung im Jahr 2020 nach Haltungsformen

スペイン

採卵鶏のケージ飼育の割合は過去3年間で93%から77%に減少。トップ10の小売業者のうち9社が、ケージ飼育の卵の調達を停止すると約束。
España avanza en el bienestar de las gallinas ponedoras La producción de huevos con aves libres de jaulas ha pasado del 7% al 23% en los últimos tres años

2020年の調査では、スペインの鶏の数は4,710万羽で、うちケージ飼育の鶏の数は3,650万羽(77.57%)。
España: Censo de Gallinas por sistemas en 2020

ポーランド

EU規制にともない2012年からバタリーケージは禁止となったが、ケージ飼育そのものは禁止されていない。
しかし多くの有名スーパー、ホテル、フードメーカー、レストラン、ケータリングサービス会社などがケージフリーを発表した。スーパーだけでも17社がケージフリーを決定している。
Te firmy zrezygnowały z jaj klatkowych Otwarte Klatki

2018年におけるケージフリー率は88.4%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBO

イタリア

EU規制にともない2012年からバタリーケージは禁止となったが、ケージ飼育そのものは禁止されていない。
しかし、イタリアのトップ5の小売業者はすべて、ケージシステムからの卵の販売を禁止することを約束している。
CONAD IN ITALY GOES CAGE FREE Compassion in World Farming

2018年におけるケージフリー率は88%
EGGS – European Commission EGGS – MARKET SITUATION – DASHBO

チェコ

2020年9月16日、チェコの下院は2027年から採卵鶏のケージを禁止することに合意。このあと、参院と大統領の承認を得れば、年間450万羽の採卵鶏がケージから解放されることになる。
Czechia sets example for EU and bans cages for hens

その後、採卵鶏・肉用ブロイラーの繁殖とともに、2027年以降のケージ飼育禁止が決定した。
Ban of Cage-Farming of Chickens Approved by Czech SenateKim Bingel November 18, 2020

ギリシャ

2020年、ギリシャの農業大臣は、採卵鶏のケージ飼育を廃止することをEUに提案した。
Εύσημα σε Βορίδη για την πρόταση κατάργησης των κλουβιών για τις όρνιθες Parapolitika Newsroom

ノルウェー

2019年報告によると、85%の鶏がケージフリー。
KJØTTETS TILSTAND 2019 Status i norsk kjøtt- og eggproduksjon

スイス

ケージ飼育0%

1981年に施行された動物福祉法により、1992年以降の採卵鶏の住居要件が規定された。この要件は一羽当たり800㎠、止まり木、巣の設置などが求められているがケージそのものは禁止する規定はなかった。1981年以降バタリーケージに代わるさまざまな飼育システムが開発され、それらのシステムは動物福祉法に基づき連邦獣医局により審査されたが、改良型ケージでは動物福祉要件を満たすことができず承認されなかった。結果、スイスではケージ飼育がなくなっていき、ケージ飼育の割合は0%である。
Survey of laying hen husbandry in Switzerland M. HANE, B. HUBER-EICHER and E. FROHLICH 
“How Switzerland Got Rid of Battery Hen Cages” Now Available Online
EGG INDUSTRY REVIEW 2015

スイス小売最大手のミグロは、2018年からは有機か放牧の卵しか扱わない方針をもっている。草地や屋根付きのテラスなどが鶏には必要だという考えからだ。つまりミグロでは平飼い卵もNGとなる。(サステナブルビジネスマガジン オルタナ2020年2月号参照)

アメリカ

世界最大の鶏卵生産国であるアメリカでは、連邦レベルでの法規制はないが、各州の州法において鶏のバタリーケージ禁止あるいはケージ飼育そのものの禁止が制定されつつある。またアメリカ全体でのケージフリー卵の割合も増加している。

アメリカ食品小売業者の上位25社がすべて、10年以内にケージフリーになることを約束しており( Compassion in World Farming ALL OF TOP 25 US FOOD RETAILERS GO CAGE-FREE )、パッケージ(ケージフリー卵の約3%)、卸業者(4%)、スーパー(44%)、レストラン等(15%)、マクドナルド(4%)などのエンドユーザ需要を合計すると2025年のケージフリー卵の市場占有率は米国総飼養羽数の約70%(1.9億羽/2.75億羽)に成長すると予測されている」(雑誌「鶏卵肉情報2017夏季特大号」より引用)

アメリカにおけるケージフリーの普及率は2012年には6%(従来のケージフリー3%およびUSDAオーガニック3%)だったが、徐々にその割合が上昇し、2016年には12%以上(従来のケージフリー7.9%、およびUSDAオーガニック4.5%)となっている(2017.5雑誌「鶏の研究」より引用)。
2018年12月3日に発表されたUSDAケージフリーシェルエッグレポートは、米国のケージフリー鶏の合計が5116万羽であるとしている。いっぽう2018年12月のUSDA Chicken&Eggのレポートによると、米国の採卵鶏の総個体数は約3億2,500万羽と推定されていることから、2018年のケージフリー鶏は全体の17.6%ということになる。

その後2019年のUSDAの報告によると、19.6%がケージフリー鶏となっている。(Monthly USDA Cage-Free Shell Egg Report Monday, May 6, 2019

2020年USDAの発表によると、米国の4分の1以上(26.2%)がケージフリー鶏となった。(More than 86 million egg-laying hens in the U.S. are now cage-free)

米国の卵の約4分の1を生産するCal-Maine Foodsは、カリフォルニア州でケージ卵の禁止が決定したことをうけて、ユタ州、テキサス州、フロリダ州の施設でケージフリー卵の生産を拡大することを同社取締役会で承認した。(Cal-Maine invests to meet Proposition 12 egg demand

カリフォルニア州

2008年、州の住民投票で賛成派が圧勝してバタリーケージ廃止が法制化され、2015年1月1日に施行された。しかしこれには具体的な面積要件が無く、この法律に反する他州の畜産物を州内で販売することを制限することもできなかった。

その後2018年、州住民投票で「家畜監禁に関するイニシアチブ」Proposition 12が通過。2008年にはなかった具体的な面積要件が定義され(子牛、繁殖豚、についても面積要件が定められることになった)、この法律に反する畜産物を州内で販売することができなくなった。そして、この法律は2022年に発効。これ以降卵はケージフリー環境で飼育しなければならないことが決定した。
California Proposition 12, Farm Animal Confinement Initiative (2018)
CA Voters Pass Cage-Free Egg Proposition With Consequences for Veal and Pork
Measure 12’s passage will limit out-of-state imports by Caleb Pershan  Nov 7, 2018,

マサチューセッツ州

2016年、採卵鶏・子牛・繁殖豚を狭い空間で飼育することを禁じる法案が、77.7%の住民の賛成により可決された。その法案とは「Question3」。ここで言う「狭い空間」とは、動物たちが横たわったり、立ち上がったり、完全に手足を伸ばしたり、自由に動き回ったりすることができない場所のこと。この定義により今回の法案には、子牛を閉じ込めたり、母豚を妊娠させたりするための狭い檻や、卵を産ませるためだけに作られた鶏用のケージなど、3つの施設の使用を禁止する内容が盛り込まれた。こういった方法で作られた畜産物の生産だけでなく販売も禁止する。この法律は2022年1月1日に施行される。
Massachusetts Minimum Size Requirements for Farm Animal Containment, Question 3 (2016) 
http://www.citizensforfarmanimals.com/media/mass-ballot-push-would-mandate-cage-free-eggs

ミシガン州

2009年、州議会において、2020年までにバタリーケージを禁止する条項を含む法案が可決された。

エーリック海外情報2017年11月号 消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界
その後2019年11月、ミシガン州は上院法案174を制定。ミシガン州で生産、販売されているすべての卵は2024年までにケージなしの状態で飼育された鶏からのものであることが義務付けられることになった

法律はまた、ミシガン州の農家が、ケージなしで豚、雌鶏、子牛を飼育することを義務付ける。この法律は、毎年1,000万頭以上の産卵鶏と数十万頭の豚や子牛の保護に影響を与えると推定されている。
同州はアメリカで6番目に大きい鶏卵生産州。
http://www.legislature.mi.gov/(S(t0w511gslxiyxmlfil13chm1))/mileg.aspx?page=getObject&objectName=2019-SB-0174
Mercy For Animals applauds Michigan’s new cage-free law New law also requires cage-free conditions for pigs and calves, goes into effect 2024.

オハイオ州

2010年6月末に一連のアニマルウェルフェア対策について、州知事、農業生産者団体と動物愛護団体連合が合意。バタリーケージ施設建設許可の停止措置が即時に施行。他州とは異なり、バタリーケージを期限を設けて禁止するものではない(この合意により動物愛護団体連合による週住民投票の手続きが中止)。
エーリック海外情報2017年11月号 消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界

オレゴン州

2011年、州議会において、バタリーケージを禁止して1羽ごとに余裕ある空間を保つ「エンリッチドケージ」への段階的移行を義務化する法案が可決。15年後の2026年に全面的にバタリーケージを禁止。
エーリック海外情報2017年11月号 消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界

2019年8月12日、オレゴン州知事のケイトブラウンがケージで育てられた卵が州内で生産、販売されることを違法にする法律に署名。法律では、2024年以降、州内のスーパーやレストラン等の店舗ではケージ飼育された鶏の卵の販売または購入が禁止される。また3,000羽以上の鶏を飼育している養鶏場はケージフリーしなければならない。また爪とぎができるエリア、止まり木、巣箱、砂浴びエリアを設けることも求められる。
https://olis.leg.state.or.us/liz/2019R1/Downloads/MeasureDocument/SB1019/Enrolled
(https://olis.leg.state.or.us/liz/2019R1/Measures/Overview/SB1019)
AUGUST 12, 2019 Oregon outlaws production, sale of caged eggs

ワシントン州

2011年、オレゴン州と同様に、段階的に「エンリッチドケージ」に移行する法案が州議会で可決。2026年にバタリーケージは禁止。
エーリック海外情報2017年11月号 消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界

2019年5月、ワシントン州知事Jay Insleeは、採卵用の鶏をケージで飼育すること、及び州内でのケージ飼育の鶏の卵の販売を、2024年から禁止する法律を承認した。この法律はまた、鳥の1羽あたりの面積を増やし、とまり木、爪とぎエリア、砂浴びエリア、とまり木が与えることも義務付ける。
http://lawfilesext.leg.wa.gov/biennium/2019-20/Pdf/Bills/House%20Passed%20Legislature/2049-S.PL.pdf
Washington state enacts cage-free egg law

ロードアイランド州

2018年7月に、2026年までにバタリーケージを禁止する法律が決定(販売については禁止されていない)。
Rhode Island House Bill 7456 (Adjourned Sine Die)

メイン州

2019年12月12日、メイン州立法議会は、バタリーケージ禁止の法案を承認。法案はバタリーケージの禁止と、バタリーケージ飼育された卵の販売も禁止する内容になっている。今後この法案は州議会で審議されることになる。
ON DECEMBER 12, 2019 Maine Legislative Council passes cage-free egg bill

コロラド州

2020年7月1日、ミシガン州に次いでコロラド州で、採卵用の雌鳥の飼養についての条例が可決された。2025年1月1日以降、ケージ飼育を禁止し、及びケージ飼育の卵の販売も禁止される。
https://www.hopeforanimals.org/eggs/colorado-cage-free/

ユタ州

2021年3月17日、コロラド州に次いでユタ州で、採卵鶏の拘束飼育についての条例が可決された。2025年1月1日以降のケージ飼育が禁止となる。
https://www.hopeforanimals.org/eggs/utah-cage-free/

ネバダ州

2021年6月4日、スティーブ・シソラック知事は、ネバダ州で販売される卵は、卵がどこで生産されたかに関係なく、ケージのない施設からのものであることを要求する法律に署名。また、ネバダ州には商業的な卵生産者はなく、事業を立ち上げる可能性もあまりないと思われるが、州内で産卵鶏のケージを禁止する。法律はまた、鶏の幸福に不可欠な、とまり木、砂浴びエリア、巣などの産卵鶏の強化を要求する。https://www.leg.state.nv.us/App/NELIS/REL/81st2021/Bill/8022/
Breaking: Nevada becomes 9th state to ban cages for egg-laying hensJune 8, 2021
Nevada must relay upon surrounding states for cage-free eggs By Dan Flynn on June 11, 2021

アリゾナ州

2025年1月1日までに、州内の採卵鶏はケージフリーであることが義務付けられ、販売される卵・卵製品(液卵・粉卵を含む)についても、生産場所に関係なく、ケージのない施設からのものであることを求める法律が2022年4月に可決された。(今回の法律の内容は、20,000羽未満の農場に関しては適用されないという例外はある。)
「ケージフリー」の定義には、最低限、爪を引っ掻く場所、止まり木、巣箱、砂浴び場を含む、採卵鶏が自然な行動をとれる環境であることも含められている。

2022年10月より、ケージ飼育の場合、一羽あたり929cm2以上の利用可能な床面積が義務付けられ、州内で販売される全ての卵にもその条件が適応される。

アメリカでケージ卵の販売禁止を決定した8つ目の州となった。
https://www.hopeforanimals.org/amp/eggs/arizona-cagefree/

ブータン

オーストラリア

現在(2018年時点)、豪州では、各州政府、連邦政府、業界団体などからなる委員会により鶏肉および鶏卵のアニマルウェルフェアに関するスタンダード・アンド・ガイドラインの策定作業が進んでいる。このうち、スタンダードの項目に記載される事項は、各州の州法の中に規定される予定となっているが、このスタンダードにおいて、バタリーケージは禁止事項になる可能性がある。
エーリック海外情報2018年5月号 豪州の農畜産物需給見通し2018年豪州農業需給観測会議から
2021年、草案で「ケージ卵を2032年から2036年の間に段階的に廃止することを推奨」が盛り込まれた。決定すれば2036年までに段階的に廃止される可能性がある。
Australia: Caged hens could be phased out by 2036 Jul 14, 2021

まだケージ卵は禁止にはなっていないが、ケージフリー卵の割合は近年大幅に増加している。2009年のケージ卵の売上の割合は70%、フリーレンジは5%。2016年にはケージ卵が49%、フリーレンジが40.7%となった。
AUSTRALIAN EGG CORPORATION LIMITED ANNUAL REPORT 2016 Caged egg sales trend lower as demand for free-range increases

AustralianEggsによると、オーストラリアの卵の40%がケージ卵。それ以外はケージフリー。
Australian Eggs  Learn About Egg Farming  What Are Cage Eggs?

オーストラリアの主要な小売業者Coles、Woolworths、Aldiは、ケージ卵を廃止することを約束している。
10 supermarkets taking cage eggs off their shelves! Animals Australia

2014年に、消費者のための非営利調査団体CHOICEが行った調査によると(オーストラリア国内1969人対象)、65%の消費者が過去1年以内にケージフリー卵(フリーレンジ卵)を購入しており、その一番大きな理由が「アニマルウェルフェア」で68%、次が「ケージフリー生産者をサポートしたいから」で52%、「味がよい」が44%でした。また67%が、きちんとした規制の元で飼育されたケージフリーエッグには、もっとお金を払ってもよい、と考えていることがわかった。

オーストラリア首都特別地域

バタリーケージの使用を禁止

Animal Welfare (Factory Farming) Amendment Bill 2013 Accessed January 11, 2017.

タスマニア

2013年から新しいバタリーケージの運営を禁止
Tasmanian Consolidated Regulations. Animal Welfare (Domestic Poultry) Regulations 2013 (TAS), r5

ニュージーランド

Layer Hens「Animal Welfare (Layer Hens)Code of Welfare 2012」のMinimum Standard No. 12で、2022年までにバタリーケージを廃止すると明記された。IBISWorld のアナリストはこれによりニュージーランドの卵生産は4.5%下がるだろうと予測している。ON JUNE 24, 2019 New Zealand egg production expected to drop

ケージ飼育そのものは禁止されないが、2017年にニュージーランドのスーパーFoodstuffs(New World, PAK’nSAVE、Four Square supermarketsなど463店舗を所有する)が2027年までにケージフリーにすると発表したことで、ニュージーランドの主要スーパーすべてがケージフリーを決定したことになる。
All major New Zealand supermarkets to sell cage-free eggs By Nikki Addison | SEPTEMBER 22, 2017

Stats NZ & NZ Egg Producers Federationの報告によると、2019年では30.6%、2021年では47%の卵がケージフリーに移行している。
https://www.eggfarmers.org.nz/egg-farming-in-nz#

カナダ

2016年、1000以上の卵農家からなる団体EFC(Egg Farmers of Canada)がバタリーケージからエンリッチドケージや放牧への移行を発表。

2017年には鶏の行動規範(Code of Practice for the Care and Handling of Pullets and Laying Hens)のなかで、採卵鶏の要件として2036年までにバタリーケージを完全に廃止することが明記された。この規範には、卵産業が15年以内にバタリーケージの大半を廃止することを約束したことも記載されている。また2017年4月以降は施設の新設・入れ替えの際にバタリーケージを導入してはならないことになっている。

またカナダの小売協議会(The Retail Council of Canada (RCC))が、2025年までに卵の調達をケージフリーにすると発表した。
RETAIL COUNCIL OF CANADA GROCERY MEMBERS VOLUNTARILY COMMIT TO SOURCE CAGE-FREE EGGS BY THE END OF 2025 The Retail Council of Canada (RCC)

インド

インドの動物福祉法の法定諮問機関である動物福祉委員会が、全ての州政府に対し、バタリーケージの使用禁止と2017年までの段階的な廃止を勧告。
Humane Society International. 2013. Hope for Hens: India Agrees That Battery Cages Are Illegal.  Accessed 3 August 2016

2018年、デリー最高裁判所が、新たなバタリーケージ新設の一時停止を命令。今後については審議継続。デリー最高裁判所は、2019年2月5日の次の聴聞会日までに家禽の扱いに関する報告書を提出するよう要請している。
Hens should be kept in bigger cages, orders High Court
Government mulls rules to improve poultry living conditions John Sarkar| TNN | Updated: Apr 8, 2019
ReportNo.269 Transportation and House-keeping of Egg-laying hens (layers) and Broiler Chickens.
https://drive.google.com/file/d/0B1TRLZDgQftNYXQ4UmVPcFdCT1k/view

2017年に発表されたレポートによると、ケージフリーの割合は21%。
National action plan for egg & poultry-2022 for doubling farmers’ income by 2022

ブラジル

”2005年に「5つの自由」を盛り込んだAWに関する基本原則が、OIEコードに位置付けられたことを契機に、ブラジルでも2007年、「動物福祉に関する連邦法案」が策定された。この法案は、国全体でAWに関して規制を設けるもので、妊娠豚の群飼養の義務付け、採卵鶏のケージ飼いの禁止などが規定された。しかしながら、議会で賛同を得られず不成立となっている。ブラジル農牧食糧供給省(MAPA)によると「当時の生産実態と大きく乖離していたため、生産者等が反対したことが大きかった」(2018年8月ヒアリング、以下同じ)と不成立の理由を明らかにしたが、これは初めての生産現場におけるAWの法制化に向けた動きであった。”

引用元 畜産の情報 2018年11月号 ブラジルにおける採卵鶏を中心としたアニマルウェルフェアの取り組みに関する一考察 調査情報部 佐藤 宏樹、新川 俊一

2017年、鶏肉および豚肉の生産、輸出量が国内第1位のブラジルフーズBRFと世界の食肉企業の売上高で第1位の業界最大手企業JBSが、2025年までに製造する商品において使用する卵はフリーケージ卵に限定すると発表した。
畜産の情報 2018年11月号 ブラジルにおける採卵鶏を中心としたアニマルウェルフェアの取り組みに関する一考察 調査情報部 佐藤 宏樹、新川 俊一

2020年9月、BRFはラザニア、ピザ、チーズパン、パイなどで使用される毎年2300万個を、前倒しで今月からすべてケージフリーにすると発表。Sep 4, 2020 BRF switches to cage-free eggs

チリ

2017年にはケージフリーシステムで生産された卵は1%。2018年には2%、7,600万に達した。
Producción de huevos de “gallinas felices” se dispara 100% en el último año y se abre debate en torno a la certificación

コロンビア

2016年で、25%がケージフリー。
Gallinas libres de jaulas: El debate de productores y consumidores de huevo

エクアドル

2018年で、採卵鶏の3%がケージフリー。
http://sipa.agricultura.gob.ec/index.php/cifras-agroproductivas

2021年1月、首都のキトが「バタリーケージなどの限られたスペースに動物を恒久的に閉じ込めること」を禁止。
¡VICTORIA! Quito, primera ciudad libre de jaulas en Latinoamérica Gallinas Libres Ecuador

イスラエル

2019年は4%、2021年は9.4%の採卵鶏がケージフリー。
תנאי שימוש באתר

2020年10月の調査によると、イスラエル国民の93%は、一生の間混雑したケージに動物を閉じ込めることは動物虐待と考えており、89%がイスラエルが鶏のケージ飼育を完全禁止すべきだと考えている。
Most Israelis think gov’t should ban cages, minimize animal suffering DECEMBER 14, 2020

2022年2月農務省が公開した動物福祉の規制案には、採卵鶏のケージ飼育禁止が盛り込まれた。
制定されれば、新しいケージ施設の建設はただちに禁止、2029年までにすべての採卵鶏用ケージが禁止される。
2029年までの移行期間の間も、既存の鶏舎において一羽あたり600~750㎠の最低面積が義務付けられる。
強制換羽も禁止される。
https://www.hopeforanimals.org/eggs/israel-promise-cagefree/

2022年6月20日、イスラエル政府は鶏たちにとって重要な動物福祉規則を全員の賛成を得て、2038年以降のケージ飼育が禁止が可決。
移行終了までの規定も加わり、1羽あたり350cm2しかあたえないこと(日本でも大規模のウィンドレス鶏舎などは同じような飼育密度です)は3~5年以内に禁止。600〜750cm2以上に変更となる。
その他に、10日以上換羽のために鶏を飢餓状態にすることも、孵化場から出た後にクチバシを切ることも禁止され、これらは1年半後に施行される。
https://www.hopeforanimals.org/eggs/isreal-ban-cage-egg/https://www.hopeforanimals.org/eggs/isreal-ban-cage-egg/

韓国

Animal Protection and Management Systemによると、2021年末の時点で4.6% (合計72,612,231羽中、3,374,117羽)の採卵鶏がケージフリー。

2017年8月、韓国は、養鶏場の卵から殺虫剤成分が検出された問題をうけて、工場型畜産から動物福祉に焦点を当てた繁殖や飼育に変更すると発表。Kim Young-rok農務大臣は「工場畜産からフリーレンジ(放し飼い)の農場を拡大するために、工場畜産から切り替えするためのインセンティブを提供する」と述べた。
Livestock industry to focus on animal welfare By Yoon Ja-young

2018年1月、韓国の農林水産省 (MAFRA)が、7月から鶏の飼育密度を現行の500㎠から750㎠に拡大することを明らかにした。

同省はまた動物福祉の法改正も見越しており、その中には養鶏場における点灯や強制換羽の禁止なども含まれる予定だ。
Home Improvements for Chickens as Gov’t Pushes for Better Factory Farming Standards 韓国Bizwire

食品医薬品安全省(MFDS)により、卵殻へ鶏の飼養方法(1(放し飼い)、2(畜舎内平飼い)、3(改善ケージ、750cm2/羽)、4(既存ケージ、500 cm2/羽))を明記することが義務化されている。
「韓国での採卵鶏アニマルウェルフェア(AW)動向」株式会社イシイ 代表取締役社長 竹内正博

MAFRAは、2017年12月27日に発表された「食品安全改善総合対策」に従って、畜産法等関連法を改正した。
2018年9月1日に施行された畜産法施行令において、採卵鶏について飼養密度に関する基準を現行の500平方センチメートル/羽から750平方センチメートル/羽に変更した。新規就農や新しい鶏舎を建築する際には直ちに適用されるが、従来ケージを使用している既存農家には2025年9月まで猶予期間が設けられている。
韓国農林畜産食品部、採卵鶏の飼養基準を改正 農畜産業振興機構
※飼育密度は畜産法に基づく大統領令ですべての畜種に設けられている:축산법 [시행 2021. 3. 25.] [법률 제17099호, 2020. 3. 24., 일부개정]

2018年8月、韓国で最大手の鶏卵販売企業の一つであるPulmuoneが殻付き卵について2028年までにケージフリーに移行することを宣言した。Pulmuoneは卵流通量の12%を占めており、韓国での大きな変革になるだろうと予測される。

発表後同社はケージフリ―の建物を新設。関係者は「残りのケージも段階的に廃止する」と言う。
Home Improvements for Chickens as Gov’t Pushes for Better Factory Farming Standards Posted on January 24, 2018

タイ

家畜開発省は、卵の生産を可能な限り残酷なものから解放するために、鶏をケージから出すための新しい基準に取り組んでいる。

同省の局長は「この基準は動物福祉に焦点を合わせているので、雌鶏はストレスのない生活を送ることができ、健康を保つことができる」「多くのヨーロッパ諸国とオーストラリアは、産卵鶏を放し飼いにすることを農家に奨励しているため、ケージフリーの卵の需要が高まると予想している」「タイではテスコロータスやマクドナルドなどの多くの大企業がケージのない農場からのみ卵を購入することを発表している」などと述べた。
Thai livestock agency to promote production of cage-free eggs Thursday, 18 Jun 2020

台湾

2021年、台湾は、放し飼い、エンリッチドケージ、平飼いの卵の基準を改定。今回の改正にともないケージフリー農家への金利の引き下げが導入され、ケージフリーへのインセンティブとなることが予測される。また前回の基準では1平方メートル当たりの羽数が12羽だったが、10羽に引き下げられる、強制換羽禁止、なども盛り込まれた。そしてエンリッチドケージの要件が強化された。これはエンリッチドケージが高価になることを示しており、今後ケージ離れは広まる可能性がある。 JULY 1, 2021 Taiwan adopts cage-free layer housing guidelines Taiwan upgrades laying hen animal welfare guidelines

台湾動物社会研究会(Environment & Animal Society of Taiwan)によると、2021年で約15%の鶏卵農場がケージフリーに切り替え済み。
https://www.taiwannews.com.tw/en/news/4472380

フィリピン

2020年、農水産基準局(BAFS)と技術作業部会(TWG)はケージフリー生産の基準策定を行っています。
BAFS spearheads FDG for the development of PNS for Cage-free Egg Production 

こちらのサイトで、世界のケージフリー状況をマップで見ることができます。
https://www.hen-welfare.org/map.html

海外企業のケージフリーの動きはこちら

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