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「牛肉」や「豚肉」の60%は、病気が切り取られた残りの部分

屠殺場に連れて来られた牛や豚たちは、異常がないか、と畜検査されます。そのうち病気が一部分に限定されている場合は、その異常のあった部分だけが捨てられます。これを「一部廃棄」と言います。

病気が全身に広がっていたり、家畜伝染病であったりする場合は枝肉・内臓などすべてが捨てられます。これを「全部廃棄」と言います。

2017年度の食肉検査等情報還元調査*によると、屠殺場に連れてこられた牛と豚のそれぞれ60%以上に異常があり、その部分だけが捨てられています。

つまり、「牛肉」や「豚肉」の60%以上は病気が切り取られた残りの部分ということになります。

 

2017年度廃棄状況

屠殺頭数全部廃棄頭数全部廃棄率(%)一部廃棄頭数一部廃棄率(%)
1,048,0409,1610.87681,62165
子牛5,1611342.603,81474
16,317,58917,6600.1110,217,14863
9,821200.203,45035
めん羊5,127140.271,31626
山羊3,22720.061,42044

 

上の表は、2017年度の食肉検査等情報還元調査*から算出したものですが、一部廃棄の割合が高いと感じます。特に牛と豚では高く、6割以上が体のどこかに異常を持った状態で屠殺場に運ばれてきているということになります。

食肉検査等情報還元調査では廃棄の理由を疾病頭数別に見ることができます。
廃棄理由として最も高いのは「炎症又は炎症産物による汚染」で、次いで「変性又は萎縮」。「黄疸」「水腫」「腫瘍」も目立ちます。多くは一部廃棄ですが、全身に広がっており全部廃棄されている動物もいます。

次の表は食肉検査等情報還元調査をもとに、全と殺数に占める部分廃棄の割合の推移をグラフにしたものです。

牛、豚で廃棄率が一貫して高くなっています。豚は生後半年、牛は生後2~3年で屠殺場に運ばれています。これらがまだ若い動物であることを考えるとこの廃棄率=病気率は異様に高いものに感じられます。が、病気でないほうがおかしいのかもしれません。牛と豚は、馬・めん羊・山羊と比べると数が圧倒的に多く、そして工場型畜産方式で飼育されているからです。

工場型畜産で行われる過密飼育、無麻酔での体の一部の切断、畜舎への閉じ込め、いずれも動物へストレスを与え免疫力を弱める要因となります。人間好みの肉質を維持するために繰り返される近親交配も動物にとってはマイナスでしかありません。
牛は霜降り肉を作るために本来食べる草ではなく穀物飼料を与えられ、自分の舌で草を巻き取って食べたいという欲求を満たすことができず、狭い畜舎の中で自分の糞で体を汚しながら生活しています。
豚もまた何もない狭い畜舎中で、その強い探索欲求を満たすことができず、かわりに仲間の尾をかじります。尾かじりは廃棄理由である膿毒症や敗血症の原因になります(膿毒症とは、膿瘍の原因菌が体中に広がった病態です。脊椎にできた膿瘍に起因するものが多く、原因の一つに尾かじりがあります**)。

日本だけが廃棄率が高いというわけではないでしょう。2009年、第 77 回 OIE 総会の開会式でバリー・オニール博士は「推定では、動物疾病により、じつに動物性タンパク質の 20%もが無駄になっている」と述べています***。

効率を優先させ、動物を顧みない現代の工場型畜産で、動物たちは苦痛を強いられストレスを抱えており、健康な状態でいることは困難です。


(写真:日本の養豚場。糞が乾燥し舞い上がり、ハエが飛び回る豚舎の中で、眼が充血して炎症を起こしている)

 

平成29年度食肉検査等情報還元調査
** 平成 29年 7月 No.180 長崎県食肉衛生検査検討委員会情報発信部会
*** 第 77 回 OIE 総会レポート 2009 年 7 月 米国食肉輸出連合会 東京事務所

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