畜産動物の福祉 アニマルウェルフェア

国のアニマルウェルフェアに「計画」や「目標」はなし

2017/03/14

2017年2月27日に小川勝也参議院議員から提出されたアニマルウェルフェアに関する質問主意書に対し、回答書が示されました。
内容は、これまでの農林水産省、厚生労働省の対応と変わりはないものであり、諸外国に比べると動物福祉の意識が意識がやはりおくれていると言わざるを得ません。
しかし、数年前まで農林水産省のアニマルウェルフェアに関する予算がなかったことを考えると、進展はしています。今回の小川議員の質問も日本の畜産動物福祉向上への大きな一歩です。

アニマルライツセンターも、関係機関への働きかけを行ってまいります。
 

第193回国会(常会)答弁書

赤字はアニマルライツセンターのコメント、答弁書の太字はアニマルライツセンターが強調しています。
答弁書第三七号

内閣参質一九三第三七号
  平成二十九年三月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小川勝也君提出畜産業におけるアニマルウェルフェアに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
 

   参議院議員小川勝也君提出畜産業におけるアニマルウェルフェアに関する質問に対する答弁書

一について
 お尋ねについては、二千五年以降、国際獣疫事務局において、加盟国に対し義務を課すものではないが、「陸生動物衛生規約」における動物福祉に関する勧告が順次採択されていると承知している。また、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、欧州連合では、欧州連合指令に基づき、加盟国のそれぞれの法令において、家畜の動物福祉に関する事項が定められるべきこととされており、また、米国及びカナダでは、生産者団体によるガイドライン等において、家畜の動物福祉に関する事項が定められていると承知している。
二及び三について
 政府としては、動物福祉について、お尋ねの「計画」や「目標」は設定していないものの、御指摘の「正常な行動ができる自由」を含む動物福祉における「五つの自由」が全ての動物においての基本的な理念であることを踏まえ、動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成二十四年法律第七十九号)による改正後の動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第二条第二項において、「何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない」ことが基本原則として規定されたと認識しており、これを受けて、同法第七条第七項の規定に基づく産業動物の飼養及び保管に関する基準(昭和六十二年総理府告示第二十二号)において、この旨を一般原則として位置付けたところである。
 また、政府としては、公益社団法人畜産技術協会が策定した「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針」に基づく適切な飼養管理の推進を図るとともに、動物福祉への配慮に関する事項をその内容に含むものである農業生産工程管理の認証取得に取り組む農家に対する支援等を行っているところである。

アニマルライツセンターコメント:
現状の畜産業では、動物愛護法に違反している行為(代替手段があるにも関わらず絶水や絶食をさせて強制換羽を行う・農場内での鶏の殺処分方法として生きたまま焼死、餌も水も与えず放置による衰弱死等の方法を行う・豚に対する殴る蹴るなどの暴力行為・採卵鶏の出荷時の暴力行為・採卵鶏を運搬ケースに入れたたまま、水もエサもない状態で22時間以上放置・と畜場での飲水設備が設置されていない等)が許されている状態だ。
動物愛護法を知らない、又は知っていても畜産動物が該当することを知らない畜産業者もいる。
アフリカ地域では昨年2016年8月に、はじめてアニマルウェルフェアの戦略が検証された。さらにWorld Animal Protectonの評価によると南アフリカの畜産動物のアニマルウェルフェアは日本よりも1ランク高く、動物福祉法も機能していると言う。
アニマルウェルフェアを推進させるための計画や目標を持ち、動物愛護法を実効性があるものとしなければ、今後日本は国際社会からますます取り残されることになるだろう。

 
四について
 と畜場については、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)に基づき、公衆衛生の見地から必要な規制を行っており、と畜場が備えるべき構造設備の基準については、と畜場法施行令(昭和二十八年政令第二百十六号)第一条及び第二条において規定している。
 御指摘の「と畜場の施設及び設備に関するガイドライン」は、と畜場の設置の許可を行う都道府県等に対して、新設、改築等が行われると畜場の構造設備に関する望ましい基準として示しているものであり、と畜場の獣畜の飲用水設備の設定は同令に規定する構造設備の基準に含まれるものではないため、政府として、その設定に関する具体的な計画を定めることは考えていないが、当該ガイドラインに沿ってと畜場の新設、改築等が行われるよう、都道府県等を通じて引き続き指導してまいりたい。

アニマルライツセンターコメント:
公益財団法人日本食肉生産技術開発センターの「食肉処理施設家畜の取扱・処理改善指針」や国際獣疫事務局の陸生動物衛生規約第七・五章では飲用水設備の整備が必要とされている。備わっているべきものがない状態であるにも関わらず、新設又は改築される際のみに適用するようにと指導する程度では、いつになっても飲水設備がと畜場で配備されていかないだろう。
また「と畜場の施設及び設備に関するガイドライン」の策定後に、と畜場を改築したにもかかわらず飲水設備を設置していないと畜場があることから、適切な指導が行われていないことが明らかになっているところである。

➡この質疑のあと、2017年3月8日に厚生労働省から各都道府県・各保健所設置市へ、「新設及び改築等が行われると畜場の獣畜の飲用水設備の設置について」が通知されました。
五及び六について
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における畜産物の調達及び提供の在り方については、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会において検討されるものであり、政府としてお答えする立場にないが、現在、同委員会においては、畜産物の提供事業者に対し、動物福祉の考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置が講じられている畜産物の調達を義務付け、かつ、有機畜産物の調達を推奨することを検討していると承知している。
 政府としては、二及び三についてでお答えしたとおり、公益社団法人畜産技術協会が策定した「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針」に基づく適切な飼養管理の推進を図るとともに、動物福祉への配慮に関する事項をその内容に含むものである農業生産工程管理の認証取得に取り組む農家に対する支援等を行っているところであり、また、有機畜産物の生産に必要となる施設の整備に取り組む農家に対する支援等を行っているところである。

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