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日本人は世界で3番めに多く卵を食べる国民です。
そんなにたくさん食べているつもりがなくても、色々なところで自然と摂取してしまっています。
まずは、減らす、食べない、ということが、もっとも動物に優しい方法です。
あなたが「動物を苦しめたくない!」と強く思ってくださるのなら、どうか卵をできるだけ食べない、卵製品をできるだけ避けるという方法をとってください。

どんな卵を選べばいいの?その卵大丈夫?

でも、もしも購入するのであれば、倫理的なものを選びましょう。
自然、昔ながら、大地など紛らわしい表現が使われていますが、そこに動物の飼育方法(平飼い・放飼い(放牧・放し飼い)・有機JAS認定)について書かれていなければ、それはケージの中で苦しんだ鶏から獲られた卵です。

パッケージへの表示→無記載滋養・自然・地卵・餌へのこだわり等紛らわしい表記あり平飼い放し飼い
(放牧)
有機JAS
↓判断ポイント
鶏はケージに閉じ込めらている?YESYESNONONO
止まり木ある?NONOMAYBE
確認必要
YESYES
巣がある?NONOYESYESYES
羽ばたくスペースがある?NONOYESYESYES
屋外に出られる?NONONOYESYES
クチバシ切られる?YESYESMAYBE
切っていない養鶏場もあるため確認必要
MAYBE
確認必要
MAYBE
確認必要
証明書がある?NONONONOYES
広さの規定ある?NONONOYES
法律による
YES
オスヒヨコは殺される?YESYESYESYES
2件例外あり
YES
福祉的なと殺方法(ガス式)がされる?NONONO

NO

2件例外あり(2件は終生飼養)

NO

こだわりを持って多すぎない数の鶏を放牧している養鶏農家は、動物への虐待を減らしたいという思いを持ってくださっているところもあります。
卵を買うなら、そういった農家を応援しましょう。

なお、自然卵、天然卵、という記載については、鶏卵の表示に関する公正競争規約の中で、以下のように規定されており、基本的に卵の宣伝文句としては使えません。

(5) 「天然」、「自然」又はこれらに類する用語 「天然」、「自然」又はこれらに類する用語は、 「天然卵」、「自然卵」等、卵を直接修飾する表 現として使用することはできない。ただし、卵 を直接修飾しない表現として使用する場合は、 あらかじめ鶏卵公正取引協議会の承認を得て いる場合に限り表示することができる。

 

さらに、同規則の中には、平飼い放飼いについて以下のように規定しています。

(1) 「平飼い」、「放飼い」又はこれらに類する用 語 「平飼い」、「放飼い」又はこれらに類する用 語については、次の飼育条件を満たした場合に 限り、表示することができる。
ア 「平飼い」又はこれに類する用語 鶏舎内又は屋外において、鶏が床面又は地 面を自由に運動できるようにして飼育した 場合。
イ 「放飼い」又はこれに類する用語 平飼いのうち、日中の過半を屋外において 飼育した場合。なお、施行規則で定める基準 により飼育した場合は、「放飼い(特定飼育 卵)」と表示することができる。
放飼いと表示できるのは、(特定用語の使用基準) 第4条 規約第5条第1号イに規定する基準は、 120 日齢以降は、1㎡当たり5羽以下で飼育する ものとする。
 

海外の認証システム

海外には多くの認証システム、認証マークが有りますが、基準はそれぞれ異なっています。
現在最も動物への配慮がなされていると判断されているのは、ANIMAL WELFARE APPROVEDで、放牧飼育とともにクチバシの切断、強制換羽を禁止し、動物性の資料を禁止しています。
500羽以下での飼育を推奨しています。
砂浴びができる砂場にアクセスできなくてはなりません。
1羽あたり、鶏舎内では0.167225㎡以上、屋外エリアでは0.371612㎡以上が必要です。
ANIMAL WELFARE APPROVEDの詳細の基準はこちらから※英語

また、EUのオーガニック認証もクチバシの切断を禁止していませんが、Soil Associationだけは禁止しています。しかし、意外なことに、中国、アルゼンチン、オーストラリアのオーガニック認証では禁止(ルーチンでの切断を禁止)しています。
RSPCAの認証システム RSPCA  ASSUREDですら、残念ながらクチバシの切断を禁止していません。

日本の認証システム

2016年5月末に、AWFC アニマルウェルフェアフードコミュニティーというアニマルウェルフェアに配慮した生産を行う生産者の認証団体が発足しました。
まだ基準を定めるなどはこれからとのことですが、日本のアニマルウェルフェアをリードする団体になるかもしれません。

有機畜産JAS

有機畜産JASの原則は、

【原則】野外の飼育場に自由に出入りさせること
【原則】故意に傷つけないこと

鶏舎の中の一羽あたりの面積=0.15㎡以上 / 放牧地の一羽あたりの面積=0.15㎡以上
面積はそんなに広くはありませんが、最低数値が設定されていることは絶対に必要なことです。
また、デビーク(クチバシの切断)については禁止されていません。

有機畜産JASの基準の詳細はこちらから
有機畜産JASの認定を受けている事業者一覧はこちらから(平成28年5月30日)

有機畜産の基準についてのQ&Aより

動物の習性への配慮が重視された基準になっています。

(問4-6) 家きんをバタリーケージで飼うことは認められますか。

(答) 家きんは定期的な野外の飼育場への放牧が必要です。放牧後に群から離してバタリーケージ に追い込むことは、家きんの行動学的要求に配慮が足りないと判断されます。疾病やけがの回復 等のために、群から離すことに正当な理由がある個体を除き、家きんをバタリーケージで飼うこと は認められません。

(問4-7) 畜舎や家きん舎はなく、野外の飼育場での飼養を基本とし、夜間避難所(外敵 よけのため夜間は家畜や家きんを入れて扉を閉める、飼育を行う場所ではない狭 い小屋)を併設した方法は認められますか。

(答) 夜間だけの一時的避難場所であっても、家畜や家きんの出入りを制限する場合は、動物の生 理学的及び行動学的要求に配慮した飼養の観点から、畜舎又は家きん舎の基準を満たす必要 があります。

(問5-3) 「別表6左欄の家畜又は家きんのための野外の飼育場にあっては、家畜1頭又 は家きん1羽当たり同表右欄の面積以上の面積を有すること」の家畜1頭又は家き ん1羽当たりとは、野外に出入りする頭羽数が対象ですか。

(答) 飼育される全ての家畜又は家きんが野外の飼育場へ自由に出入することが可能であることが 管理の原則であることを踏まえると、有機畜産物の生産に用いる全飼育頭羽数を対象とすること が適当と考えられます。

余談

この写真は保護された鶏の産んだ卵で、人間の食用や販売には使われないしあわせ卵です。
産みたてなので、産道を通ってきた跡が見られます。
卵はまさに鶏の生理後の排卵。ちょっと生理にしては大きすぎますね。人間は年に12回排卵し、鶏も本来は20回程度と言われます。

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