LOADING

Type to search

以前ニューヨークの超庶民的なスーパーに並ぶケージフリー卵についてご報告しましたが、

今回はオーストラリアからの報告です。オーストラリアといえば、タスマニア州でバタリーケージの段階的廃止が決定されていますが、国単位よりも企業によるケージフリーの動きが加速しています。
2013年にはオーストラリア最大手のスーパーマーケット、ウールワースが、ケージ飼育の卵を2018年までに段階的に廃止することを発表、2014年にはオーストラリアのマクドナルド・サブウェイがケージ卵の廃止を発表しています。

オーストラリアの代表的なスーパー コールズ

下の写真は2016年4月にオーストラリア ヴィクトリア州にあるスーパーマーケット Coles(コールズ)で撮影されたものです。コールズはオーストラリアの二大スーパーのうちの一つです(もう一つはウールワース)

赤で囲まれた部分がケージ卵、それ以外はすべてケージフリー卵です。

繰り返しますが、赤で囲まれた部分のみがケージ卵です。逆ではありません。
図で表すとこうです。

BLFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFR
CFCFFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFR
FRCCFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFR
CCCCFRFRFRFRFRFRFRFRFRFR
CCCFRFRFRFRFRFRFRFRFRFRFR

FR – コールズブランドのフリーレンジ(放牧)卵(1ヘクタール当たり最大10,000羽)
FR –他のブランドのフリーレンジ(放牧)卵(1ヘクタール当たり750羽~10,000羽)
BL – バーン(平飼い)卵
CF – ケージフリー卵
C – ケージ卵

*1ダース、ケージ卵が3ドルくらい、フリーレンジ卵が5ドルから10ドルくらい。

コールズでは、すでに自社ブランドの卵のケージフリーと自社ブランドの豚肉の妊娠ストール廃止を約束しています。
このスーパーでも、数年前までは、ケージ卵、平飼い卵、フリーレンジ(放牧)卵の比率がおよそ1:1:1の割合だったそうですが、コールズブランド名の鶏卵がケージフリーのみとなってからは、フリーレンジ卵が鶏卵棚を独占しています。


コールズブランドのフリーレンジ卵


他社ブランドのフリーレンジ卵

オーストラリアフリーレンジ卵(放し飼い卵)の認定基準統一への動き

オーストラリアでフリーレンジ卵は一般的になりつつありますが、同じフリーレンジ表示でも1ヘクタールあたりの面積に鶏の数が200羽のものから10,000羽までの違いがあり、草が茂り陽のあたる場所にどのぐらいの時間出ていられるのかなど明記しておらず、本当に鶏が鶏らしく活動できるのか、ただ単に狭い場所にケージなしで入れられているだけなのか判断が難しいことが消費者の間で問題になっています。オーストラリアにはフリーレンジ卵の規範 (Model Code of Practice)があり、1ヘクタール当たり最大数1500羽と決まっていますが、拘束力のある規範ではありません。
そのため、動物への配慮をより一層気にする消費者は消費者団体サイトChoice にある表を使ってフリーレンジの卵を選んでいるという状況です。

Choiceの卵の購買ガイド
Model Code of Practiceに合っているブランドとそうではないブランドの価格と飼育密度がリスト化されています。

トhttps://www.choice.com.au/food-and-drink/articles/how-free-range-are-your-eggs#dontmeetmodelcode

そのため、動物福祉に配慮された本当のフリーレンジの卵を求める消費者や動物保護団体の声が高まり、1ヘクタールあたりの鶏数1500、 5000、 10000ごとに表示する、偽表示や誤解を招く広告には110万ドルまでの罰金処分するなどの、フリーレンジ卵の認定基準を統一化しようという動きがあります。

ABC (Australia Broadcast) のニュース記事のサイト
Victorian egg producers say a decision is needed on free range standards
http://www.abc.net.au/news/2016-03-29/victorian-egg-farmers-push-for-free-range-standards/7281654?WT.ac=localnews_melbourne

オーストラリアのこういった状況に比べると、日本では放し飼い卵の認定基準どころか(日本にも”平飼い卵の基準”がありますが、「鶏舎内または屋外で鶏が自由に地面を運動できるように飼育」されていればよく、具体的な数値基準などはありません)、一般的なスーパーで平飼い卵を買うこともできません。
スーパー側も私たち消費者も、動物福祉への意識が低いと言わざるを得ない状況です。

バタリーケージの卵を食べたくない!

アニマルライツセンターはこういった状況を改善するために「バタリーケージの卵を食べたくない!」キャンペーンを実施しています。
ぜひ皆様もご参加ください。
http://save-niwatori.jimdo.com/

2016年3月情報提供(図解・写真含む): オーストラリア在住トーマス智子

Tags:

You Might also Like

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

暴力的または攻撃的な内容が含まれる場合は投稿できません

SHARE