と畜場の飲用水設備について、厚労省から通知

2017/03/15

現在日本では、多数のと畜場で飲水設備が設置されておらず、牛や豚が最期の日に満足に水が飲めないという状況にあります*1。そういったなか、民進党小川勝也参議院議員の質問を機に、厚生労働省から各都道府県・各保健所設置市へ、「新設及び改築等が行われると畜場の獣畜の飲用水設備の設置について」が通知されました。


この通知は、OIEの動物福祉基準にも言及し、と畜場へ飲水設備の設置を促すものとなっています。

 
生食監発 0308 第8号
 
平 成 2 9 年 3 月 8 日
 
各 都道府県・保健所設置市 衛生主管部(局)長 殿
 
厚生労働省医薬・生活衛生局
 
生活衛生・食品安全部監視安全課長
 
( 公 印 省 略 )


 
新設及び改築等が行われると畜場の獣畜の飲用水設備の設置について


標記については、平成6年6月 23 日付け衛乳第 97 号「と畜場の施設及び設備に関するガイドラインについて」により、けい留所に備えることが望ましい設備として示しているところであり、国際獣疫事務局(OIE)が策定している動物衛生規約の動物福祉に関する勧告においても、けい留所では、常時、動物に飲用水を給水できる状態にしておくべきであるとされています。一方、国内のと畜場の獣畜の飲用水設備の設置状況については、牛を処理すると畜場で 49.6%、豚を処理すると畜場で 13.6%に留まるとする調査報告 1 もあり、その設置が進んでいない状況が認められます。つきましては、今後もと畜場の新設及び改築等が行われる際には、当該通知に基づく獣畜の飲用水設備の設置について、引き続き、関係事業者に対して指導するよう特段の御配慮をお願いします。


1:「と畜場の繋留所における家畜の飲用水設備の設置状況」奥野尚志ら/日獣会誌,66 875-880
 




この通知は2017年2月27日、民進党小川勝也参議院議員が「畜産業におけるアニマルウェルフェアに関する質問主意書」を参議院に提出したことを受けて出されたものです。
小川議員はこの質問主意書の中で、6つの質問をしていましたが、そのうちの一つがと畜場における飲水についてでした。
 
平成六年に厚生省が都道府県宛に通知した「と畜場の施設及び設備に関するガイドライン」には、と畜場の新設及び改築等が行われる場合としつつも、係留所の要件として「獣畜の飲用水設備が設定されていること。」と記載されており、また公益財団法人日本食肉生産技術開発センターの「食肉処理施設家畜の取扱・処理改善指針」や国際獣疫事務局の陸生動物衛生規約第七・五章でも飲用水設備の整備は必要とされている。しかし、わが国の牛と畜場の五十・四%、豚と畜場の八十六・四%では動物が清潔な水を飲む飲用水設備を整備していないとする調査結果もある。政府は、食肉処理施設に飲用水設備の整備を完了するための計画を策定しているか。また、その達成時期の目標はいつか。
 

小川議員のこの質問に対して、2017年3月3日にあった答弁は次のものでした。
 
と畜場については、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)に基づき、公衆衛生の見地から必要な規制を行っており、と畜場が備えるべき構造設備の基準については、と畜場法施行令(昭和二十八年政令第二百十六号)第一条及び第二条において規定している。
 御指摘の「と畜場の施設及び設備に関するガイドライン」は、と畜場の設置の許可を行う都道府県等に対して、新設、改築等が行われると畜場の構造設備に関する望ましい基準として示しているものであり、と畜場の獣畜の飲用水設備の設定は同令に規定する構造設備の基準に含まれるものではないため、政府として、その設定に関する具体的な計画を定めることは考えていないが、当該ガイドラインに沿ってと畜場の新設、改築等が行われるよう、都道府県等を通じて引き続き指導してまいりたい。
*赤字はアニマルライツセンターが強調
 




アニマルライツセンターはと畜場の飲水の問題について、厚労省へ改善への取り組みをお願いしてきましたが、厚労省はこれまで畜産動物福祉の問題にかかわることを避けてきました。
今回、小川議員の質問を機に、厚労省から畜産動物福祉に関する通知が出されたことは、と畜場の動物たちの状況を改善する大きな一歩となるはずです。


*1 http://www.hopeforanimals.org/animals/slaughter/00/id=475

 
「私たち人間の都合だけで、鶏を不幸せにしていいんでしょうか?」参議院農林水産委員会で小川議員が言及

http://www.hopeforanimals.org/animalwelfare/00/id=440

 

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